にぎる。

『にぎる。』にようこそ! このブログは私が見たアニメやマンガの感想を自由気ままに書いています。

タグ:3月のライオン

 アニメ『3月のライオン』冒頭は、主人公・桐山零(れい)が
家もなく家族もなく学校にも行っておらず友達もいないゆえ、
ある女性から「ゼロ」と呼ばれていたシーンからスタートしたが、
第5話ではその女性の正体が明らかになっていた。

 その女性の名は幸田香子

 零は遠足から戻ってきた日に飲酒運転のトラックの事故により両親と妹を失っており
 零の父の友人でプロ棋士の幸田柾近に引き取られたが、
 香子は零に対し「あること」で恨みを抱いていた。


【零の涙】

 そもそも零が家族を失った過去のエピソードに入る前に、
零が川本あかりに頼まれて保育園にモモを迎えに行ったエピソードがあった。
 
 モモが帰り道で犬のシロちゃんに追いかけられて逃げ回るうちに転んでケガをしてしまったのだ。
 (※ちなみにシロちゃんはモモと遊びたかったらしい)

 家に帰って手当てしたがモモの涙を見たときに、零は思わず涙を流したのだ。
 その涙をモモは見逃さなかった。
 あかりに「なみだががぽーろぽーろしてた」と伝えていた。
 
 ちなみにあかりはなぜ零が泣いていたかを知っていたが、
ひなたはなぜ零が泣いていたかはわからなかった。

 また零はモモをケガさせてしまって申し訳なく思い食欲がなかった。
 
 そしてモモは「手当てしてもらったときにいっぱい泣いて零を困らせてたでしょ」とひなたに聞かれていたが、
「モモ、なかなかったもん!」と言っていた…

( ゚д゚)ポカーン


【零、将棋の家の子になる。】

 零にとって家族がいる家がほっとできる場所だったが、
 事故により家族を失ったことでそれは365日、一瞬もなくなってしまった。
 
 けれども通夜の日に現れた幸田柾近の言葉をきっかけに零は幸田さんに引き取られることに。

 幸田さんはこう言っていた。

 「君は…将棋好きか?」

 零は「はい。」と答えたが今の零はこう思っていた。

「これが契約の瞬間だった、将棋の神様とぼくが嘘で固めた…」
「人生で初めて、生きるための嘘をついた…」


 ・・・幕は、どうしようもなく切って落とされた・・・

 
 回想シーンによれば、零は将棋は苦手だったが忙しい父と過ごせる大事な時間だったという。
 また零は近所でも学校でもいじめられっ子でどうしても友達が作れず、
クラスの話す人達は目まぐるしくて何を話しているのか追いつけず異国の言葉のように聞こえたけれども、
 将棋盤を挟んでの幸田さんの言葉はちゃんと零の中に染みてきたという。
 「大人なのにちゃんと語りかけてくれている、
そんな人は家族以外ではただ一人…」と思っていた。

 ・・・さて、零は家族を失って幸田に引き取られたあとのことを、幸田さんからもらい今も着ているセーターの毛糸がほつれたのでコンビニでソーイングセットを買って戻り、糸を通そうとしていたときに思い出した
 …それは、香子と将棋の対局中にビンタされたことだった…。

 …幸田には香子と歩という二人の子供がいて、
特に零より4つ上の姉・香子は、零に負けると手を上げてしまうような人だった。
(※作中では「棋風も気性もその美しさも嵐のように激しかった」と零が語っていた)

 ちなみに幸田さんは、香子には厳しかった。(※「香子の強さが、父をそうさせたのだろう」と零は思っていた)
一方零には「将棋のお父さん」という意味で「お父さん」と呼ばせていたが、香子には不満だった。
 

 すべてが将棋中心の幸田家で育った零。
 零は強くなり歩と香子を抜き
ついには中2の終わりに三段リーグに到達した。
 
ちなみに
 「自分で自分を説得しながら進んでいける人間でなければ駄目
プロになるのはゴールじゃない、なってからのほうが気が遠くなるほど長いんだ。
進めば進むほど道は険しく、周りに人はいなくなる。
自分で自分をメンテナンスできる人間しか、どのみち先へは進めなくなるんだよ。」

 これが幸田さんの教えだった。

 だが、零に勝てない歩は家でふさぎがちになりゲームに
香子は奨励会をやめなければならなくなりやめてからは街で遊び回るようになったという。
 

【零はカッコウ!?(・8・)】

 ところで零は洗い物中にテレビで偶然カッコウの習性が取り上げられていたのを見た

 モズやホウジロの巣に卵を産み、
孵った雛はもともとの子供たちを卵のうちにすべて外に出して巣を占領する。
何も知らない親は他人の子供にせっせと餌を運び、育てていく。
たとえカッコウの雛が自分より大きくなってしまってもいつまでも餌を運び続ける。

 この習性を零は自分と重ね合わせ、こう思った。

 「この鳥は僕だ…」

 ・・・零は学校に行かず、プロ棋士の道を行くことにした。
 学校の先生にはこう伝えていた。

 「学校というのは、将来の道を選ぶために通うところだと思います。
 だから僕にはもう必要ありません。
 このままいけば今年中…今年は無理でも来年には三段リーグを抜け僕はプロになります。
 将棋に集中したいのです。
 プロになって頑張って少しでも成績を上げて、勝ち星を掴んでお金を稼いで、そして自立したいんです。」

 この時の零には内にこんな想いを秘めていた。

 「家を出よう。一刻も早く出なければ…
僕があの家の人達を…父さんを食い尽くす前に…」

 ・・・セーターのほつれを直した零は『父さん』のような存在の幸田さんを想い、
そして「いっそ鳥になったら…」と思うのだった…。


 ―― 幸田さん「ボクと契約して将棋少年になってよ!」 ←違う 

けれども、そんな感じだったなあ。 ――

 特に零は香子と歩から将棋をマミった…もとい奪ってしまった感じだなあ…。

 それにというと巣立ちのイメージがあるが、この回の零を考えると
「巣立ち」だけではなく「カッコウのように他人の家の子になって、もともとの子供たちを蹴落とす」
というイメージもあるんだなあ…。

 …けれども今の零にはプロ棋士としてそこまで修羅に…
本当のカッコウになりきれていない
かなあ。

 零がこれからプロ棋士として成長するのはどんなことかきっかけか、これからの展開が気になるなあ。

 (※ソース
TVアニメ「3月のライオン」公式サイト
ストーリー
第5話
「Chapter.9 契約」
「Chapter.10 カッコーの巣の上で」

(※前編の続きです)

 アニメ『3月のライオン』第4話では
 川本三姉妹の次女・川本ひなた
彼女が通う野球部のエース高橋君に手作り弁当を渡そうとする
失敗に終わったエピソードが展開されていた。
 また主人公・桐山零のライバル(?)二海堂晴信のエピソードも展開されていた。

 特に第4話では三女の川本モモが偶然晴信一緒に飯を食べに外に出かけているのを見つけて
 「ボドロ」(※『となりのトトロ』のトトロに似たキャラクター)に似てるので気に入られたが、
モモ以上に晴信を気に入っていたのが川本あかりだった。

 ちなみに晴信はボドロが大好きで、晴信いわくボドロは
「森に住む知的生命体」とのこと…。

【晴信、零の家に押しかける!】

 そもそも零が晴信と一緒に昼食を食べに外に出かけたのは
晴信が朝6時に零の住むマンションをアポ無しで訪れたことがきっかけ。

 居飛車党の晴信は彼の苦手な戦法・一手損角換わりを攻略したくて零を練習台にしていた。
 晴信は零を勝手にライバル視し「互いに高め合うライバルを失いたくない」と思っていた。
 
 零と一緒に将棋の研究をすることで
一手損角換わり潰しの特効薬『二海堂ワクチン』を開発しようとしていた…
名前の入った技を後世に残したいから…。

( ゚д゚)ポカーン

 「それを言うなら『桐山ワクチン』だろ!」とツッコむだった…。
 
 しかも零は「自分はオールラウンダーだ」ということを晴信に伝えたが
晴信は話を聞いておらず、
答えの代わりに返ってきたのは…

 晴信の空腹の音だった…

( ゚д゚)ポカーン


【あかりは晴信のどこに惹かれたか!?】

 モモ「ボドロ~!」と言われて腹に抱きつかれた…
…というか張り付かれた晴信。
 モモに名前を聞いて
 「手をつなごうではないか。
往来は車が行き交い危険だからな。」と言って、モモと手をつないで一緒に歩くことに。
 
 晴信、モモそして
一緒に歩いているとあかりとひなたに出会った。
 だが、「零くん、そちらは…?」と聞くあかりは顔を真っ赤にして照れていた

 …零が晴信を紹介する前に、晴信は「桐山君の親友」と名乗った。
 
 …「晩ごはんは?あなたもよかったらいらっしゃらない?」晴信に照れながら聞くあかり
 
 あかりは晴信を気に入ったのだ。
  それゆえ晴信は川本家を初めて訪れることになった。


 ・・・「ぷりぷり、もっちり、つやたまぐ…
珠のようなつややかなお友達…」

 晴信を見て、なぜかうっとりするあかり。
 
 その理由について「あかりは『ふくふく』に目がないから」ということを、ひなたは零に教えた


 ・・・夕食について「ハンバーグ」と言いかけて「薄味でタンパク質控えめであれば…」とあかりに言い直し、
そして「すいません、食べられます」と更に言い直した晴信

 「意外だわ。大人の味が好みなのね。」とあかりは言い

 「(おかしいわ、その豊満なボディはそんなメニューでは維持できないはず。
 もしかしてダイエット…?
 いけないわ!そんなことしたらその珠のような美体が…
 ああ、そうよね、気にするわよね。お年頃ですものね。
メタボリックな自分…
 ハッ! もしかしたらもっと事態は深刻…?
 いけないわ!いくらふくふくが魅力でも健康でなければ意味が無いわ!
 大丈夫、私に任せて!)」

と思っていた。

 この時あかりは昔祖母に料理したことや
ホステスをやっているときに食べ物に気を遣う客がいた事を思い出していた。

 「(ダテに祖母の世話やお店でのトークに耳を傾けてきたわけじゃなくってよ!)」

 …こうして晴信に夕食を作ったあかり。
 夕食を晴信は「おいしい!」と言っていた。
 「よく噛んで食べてね」とあかりが言うと
「じいやが30回以上噛んで食べるよう言ってた」と晴信は答えた。
その隣でモモは晴信につられて食べ物をかんでいた。
 けれども零とひなたと猫2匹はあかりにかまってもらえなくて
何となく寂しかった…。

 (´・ω・`)ショボーン

 ・・・晴信はじいやの話をしていたが、じいやこと花岡川本家にやってきて晴信を迎えに来た。
 花岡は晴信にGPSをつけているので居場所がわかるのだが、
咳払いをして「どうも気管支の具合が…」と言ってごまかした。
 
 「じいやは自分がどこに居ても居場所がわかる。魔法みたいだろ」とモモに言っていたが、
 零はGPSと言いかけたのを聞き逃さなかった。

 花岡は菓子折を用意していて、それは花岡の大好物の三日月堂のお菓子だった。
 
 「おあがりになって」とあかりに言われたので、
花岡も川本家におじゃますることになった…。


 ―― 晴信は零に対しては将棋のライバル的意味でうるさいけど、
小さな子供に対してはトトロ…もといボドロ的な愛嬌のある性格なのかな? ――

 ただ、晴信が大きな病気を抱えていること
かりが晴信に食べたいことを聞いたとき
 花岡がGPSで晴信を監視していることを思わず言ってしまったシーン
そしてあかりの晴信に対する想像が伏線になっていたなあ。

 それにしてもまさかあかりがふくふくが好きだとは…( ゚д゚)
 ただ晴信について「もしかしたらもっと事態は深刻…」は当たりかな?
 もっともこの時のあかりは晴信の重大な秘密を知らないようだが…。

 さて次回第5話は零の過去に関するエピソードだという。
特に零が将棋を始めたきっかけについての…。

 すると第1話冒頭零(れい)のことを「ゼロ」と呼んでいた女性の正体
いよいよ明らかになるのか…( ゚д゚)

 (※ソース
TVアニメ「3月のライオン」公式サイト
ストーリー
第4話
「Chapter.7 ひな」
「Chapter.8 ブイエス」

 前回のアニメ『3月のライオン』では
亡くなった母を想い川本ひなたが送り盆の日に号泣してしまったが、
 第4話の前半もひなたがメインで描かれていた。

 この回はひなたの通う中学校の野球部のエース・高橋君にお弁当を作り
試合の後で渡そうとするエピソード
だった。
ちなみに高橋君は牛乳屋の子で、ひなたは小学校の頃から彼を好きだったらしい。

 ちょうどその頃主人公・桐山零は川本家を訪れ栗をむき、渋皮煮の下ごしらえをしていた。
 ひなたの姉のあかりが渋皮煮づくりの手伝いに呼んでいたのだ。
 ちなみに零は細かい作業が大好きらしい。

 
 ・・・この日は乙女の一大イベント前夜。

 「ありきたりなのお弁当では嫌、おばさんっぽい」というひなたに
あかり「ガーン」となっていた。

 あかりはひなたのお弁当の相談を聞いていたがひなたはあかりの提案に文句ばかりだった…。
 しかも夜9時になるとひなたはあかりに買い物を頼んだが、
 
 「あんた、どれだけ作るつもり!?いくらかける気!?
コストパフォーマンス悪っ!どこの料亭のお弁当よ?」

とあかりが言うほど、買ってきてほしいものは多かった…。
 
 さらに「何でよその子のうちのお弁当で食費代三千円も…」とあかりから聞いたひなたは

 「よその子って言うならニャーたちだって桐山君だってそうじゃん!
お姉ちゃんのバカ!よその子にドンドンお金使って~!!」

と言ったけれども、目を覚ましたモモがこう言っていた。

 「れいちゃん、よそのこなの?
どこからきたの?
モモのにいちゃんじゃないの?」

 こう言われた零は気まずい気持ちになった…。
 あかりとひなたがハッとする中…。

(;8;)<レイチャン…。


 ・・・結局、零があかりのためにあかりのお弁当代を出した。
あかりはなかなか受け取ってくれなかったが「これでちゃんと受け取ってくれるだろう」と零はあかりに言った
 あかりはその話を聞いて、胸がズキズキしていた…。

 
 「お姉ちゃんって、何でも拾ってくるの。
犬とか猫とか…、昔からなの。
ガリガリの子を見るとほっとけないの。
そしてふくふくにするのが好きなの。」
 
 ひなたはあかりのことを零に明かした。
そして
 「でも人間拾ってきた時は流石にびっくりしたよ。」
零のことを言っていた…。

 「でも大丈夫。お姉ちゃんがふくふくにしてくれるよ。」と続けていた…。


 ・・・そして次の日。
高橋君にお弁当を渡す日のひなたは…

 …焦っていた!!

 大慌てで弁当を作り、高橋君が試合をしている中学校にたどり着くことができた。


 ちなみには対局がないうちにカーテンなど自分の部屋に必要なものを買い揃えていた。
 そして中学校のグラウンドで高橋君の姿を見た
 高橋君が逆転ホームランを決めたのを友達と一緒に喜んでいるひなたの姿も。

 そして肝心のひなたの弁当は…

 …渡しそびれた…。

 高橋君は試合終了後すぐ、野球部のみんなで食べに行くらしかったので…。

 
 ・・・弁当を渡しそびれたひなたは、弁当をゴミ箱に捨てようとした。
 けれども、零が止めた。

 「ダメだよ。」

 
 …「だってお姉ちゃん聞くもん。『せっかく作ったのに何で』って…
お姉ちゃんにはわかんないもん!
だってお姉ちゃんキレイだもん!
お姉ちゃん料理上手だし、お姉ちゃんのお弁当ならきっと喜んで…」

 こう言って大粒の涙を流すひなた。

 けれども

 「何で泣くんだろう…?
夕べもさっきまで嬉しそうだったのに…」
と思っていた。

 そしてひなた
「帰ってみんなで食べよう。」と声をかけた…。

 この時、零はこう思っていた。
 「(女の子って、わからない……)」


 ・・・家に零と一緒に帰ってきたひなたを、あかり
 「お姉ちゃんだって渡せなかったことがある。」となぐさめた。

 またあかりは、
可愛いの作って張り切って頑張って焦って失敗して…だからつい口出ししちゃった。」というのは
「母が昔自分に言ったことと同じだと思い出した」ということを明かした。


 ・・・「じゃあ、みんなで食べよっか」というあかりの一声で
ひなたが作った高橋君に渡しそびれたお弁当をみんなで食べることに。


 ひなたはニャーたちにそれを食べさせるとお腹いっぱいになって倒れた…
…はずだが、なぜかニャーたちは真っ白になっていた。

 …そう。
 ひなたが作ったお弁当はおいしくなかったのだ。
ひなたは味見を全くしていなかったのだ。

 あかりの言葉を借りれば、
苦くて甘くて酸っぱくて、まさに初恋の終わりのような味がした」とのこと…。
「(ひなの初めてのお弁当は、高橋君に渡せなくて正解だったかも…)」とあかりは思っていた。

 …あかりはひなたに言った。
「ひな、特訓しようね。」
ひなたは
「次こそ頑張るぞ~!」と言った…。

 ―― (;8;)<ヒナチャン…。
というよりは、
ニャーたちが真っ白に燃え尽きた…( ゚д゚) ――


 今回は青春してるひなたがいい感じだったけど、
ひなたは零と親密な関係になりそうな予感がするなあ。
 
 高橋君はつかめなかったけど、
零が買い物に付き合ったことやゴミ箱にお弁当を捨てようとしたことを止めたことなどから
零を慕うようになりそうだなあ

 それにしてもひなたのお弁当は、
まず、ニャーたちを攻略してからかな?>ω</
 真っ白に燃え尽きてダウンさせるのではなく…。

(※感想は後編に続く。後編では二海堂晴信とあかりさんのエピソードを中心に感想を書く。)

(※ソース
TVアニメ「3月のライオン」公式サイト
ストーリー
第4話
「Chapter.7 ひな」
「Chapter.8 ブイエス」

 二海堂晴信

 アニメ『3月のライオン』第2話
少年プロ棋士の桐山零が住むマンションの郵便受けで
対局通知書を自ら手渡すために待ち伏せしていた「むちーん」な棋士。
零のことを「心友」と呼び、プロ棋士として対局する日をずっと待っていた。

 10年前に零と全日本子ども将棋選手権で対決したことがあり
プロ棋士としては第3話の獅子王戦で対局するのが初めてだという。

 第3話では、晴信と零今の対局10年前の対局の場面が描かれていた。


【対局・・・10年前、そして今。】

 零は晴信とのプロとしての獅子王戦の六組トーナメント当日の朝、
川本ひなたが揚げ、川本あかりが持たせてくれた唐揚げの最後の1個をパンにはさんで食べていた。
 
 そして10年前、夏休みのとある暑い日にデパートの屋上で開かれた将棋大会の準決勝で晴信と対局したことを思い出していた。
 実は零は晴信と対局したのは一度だけではなく、子供の頃将棋大会ではよく対局していたのだ。

   
 …当時、暑いのが苦手だった晴信は、赤鬼のように顔を真っ赤っ赤にして対局していた。
 ひどくつらそうに対局していた晴信を見るとこっちまで苦しくなるように零は感じていた。

 昼間になると風は止みますます暑くなり、晴信は貧血を起こしているのか顔は青白くなっていた。
 ちなみに戦局は零のほうが有利で、
「傲慢かもしれないが最短まで詰みまで持っていこう、
晴信を早く冷房のきいた涼しい場所で休ませよう」
と考えていた。
 一方晴信は敗色濃厚の終盤、ありったけの持ち駒を自陣に投入し抵抗した。

「(負けたくない…負けたくない…!)」

 零はそんな晴信の、声にならない叫び声を感じ取っていた。

 そして零は自分の思い上がりを恥じた。
 「(目の前の人間が汗まみれでフラフラになってここに座っているのは、勝ちたいからなのだ…」

 …一手一手、もがくようには見えない道を探し指し続けていたていた晴信だったが、
指す手がなくなって投了した。

「負けました」と……。

 そして漫画みたいな大粒の涙をポロポロとこぼした…

 …蝉の声とデパートの屋上のBGMが混じった屋上で晴信の姿を見ていた零は
「この先何十年もその顔に向き合うだろう…」と思っていた…。


 ・・・そして10年が経った今。

 零と晴信のプロ棋士としての対局は、
例の10年前の暑い日の対局と環境がほぼ同じ
だったのだ…。

 なお、対局前に零を待っていた晴信のむっちりとした気迫は、
松本一砂と「スミス」こと三角龍雪も注目するほどだった…

 ちなみにスミスが言うには、晴信は
「気合い入りすぎて別の漫画になっている」とのこと…。

 ( ゚д゚)ポカーン

 じわじわと揺るがずに攻めていた晴信だったが、午後3時を過ぎると10年前の時と同じ状況に
 晴信の大粒の汗が、零には見えたのだ。
 そして晴信の顔色が悪くなっているのも…。

 そこで零は空調について記録係(?)に聞いてみると
「エアコンの調子が悪いみたい」という答えを得た

 けれども晴信は言った。

 「いいよ桐山!あのデパートの屋上に比べたら天国だ…。
……続けようぜ!」
 

 …金取りを放置して銀を打つ勝負手を放った晴信。
 これにびっくりした零。
 
 …「(負けたくない!)」

 晴信のそんな気迫を感じ取った零は落ち着いて視野を広くしようとした。
冷静に遮ればこの局面は有利だと考えていたから。

 ・・・対局は夜まで続いた。

 そして勝負は…

 晴信「ありません…負けました…。」

 はこう言った晴信の表情を見て
「あの時と同じだ…」と思っていた。
 そしてその状況は、
「これからもずっと、ずっと……」と…。


 ・・・対局終了後、

「晴信様」と呼ぶ声が。

 それは晴信の執事・花岡の声だった。

 晴信は80日間世界一周旅行をプレゼントしたが、
晴信が心配になって10日間で大奥様に代わって戻ってきたという。

帰りの車で、花岡はこんな事を言っていた。

 「病院の方に行っていませんでしたね。」

 実は晴信は、腎臓の病気を持っていたのだ。

 ・・・車の中で晴信はタオルで顔を押さえて泣いていた。
 日中の暑さの中で腎臓が痛みだしたのか、
10年前の時のように零に負けて悔しかったのかは定かではないが…

 なお対局について晴信は
「負けた。あんなに強くなっているなんて…」
花岡に、タオルで自分の顔を押さえながら言っていた…。

 そしてタオルで顔を押さえるのをやめると

 「次は絶対に負けない…!」と言っていた…。


【川本家で零が見た涙。】

 一方零は、晴信との対局終了後に川本家を訪れていた。
 遅くに帰ってきた零を、あかりとひなたとモモが待っていた。

 ちなみにひなたは、モモのままごとセットに今は亡き祖母と母の分の夕食を盛り付けていた。

 そんなひなたは、夜に珍しい行動をした。
 
「新刊のマンガを買うのを忘れたからコンビニに行く」と言っていた。

 ちなみにこの日は送り盆だった。
(※なお、第2話で零があかりたちの買い物に付き合い、川本家を訪れた時は迎え盆だった)

 ・・・実はひなたが向かったのはコンビニではなかった。

 あとを追いかけた零が見ると、誰にも見られたくなかったのか、
川の近く、誰もいないところで一人大声で泣いていたのだ…。

「お母さん!」と、何度も叫びながら………。

 胸が詰まるようなひなたの泣き声に、しばらくは零は声をかけられなかった。
胸が締め付けられるように感じていた。
「きっとみんなの前ではずっと我慢していたのだろう…」と…。

 …零はひなたに近づいた。

「ごめんなさい、すぐ戻るから…」と泣きじゃくるひなたを見たとき
零の中にあった疑問がインクのように滲み出した。

「いいよ、いい…
もうちょっとここにいよう…」と零はひなたに言った…。

 その時の零は本当に消えてしまった自分の家族のことを想っていた…。

 「(泣いても仕方ないから諦めて、悲しいから考えないようにして、頭から追い出して…

 ・・・でも、本当にそれでよかったんだろうか…?

 泣いてる彼女と、泣かない僕と、二人並んで見上げている美しい…
ただただ美しい、7月の夜空…。)」

 ひなたは、零の隣でずっと泣き続けていた…。


 ―― (;8;)<ヒナチャン…。 ――

 ひなたと零には親を亡くしているという共通点があり、
零はひなたと今よりもはるかに親密になりそうに感じるなあ。
 零を助けてくれたあかりよりはむしろ…。

 それにしても、病気を患っている零の永遠の(?)ライバル・晴信に命の危険が迫る展開もありそうな予感がするなあ。
 今のところ零は晴信の事情は知らないようだけど…。

 でも今は晴信のリターンマッチが自分は楽しみだなあ。 
その時は晴信の気迫は更にパワーアップしてそうだし。
 ますます別の漫画みたいになりそう(※確信)

(※ソース
TVアニメ「3月のライオン」公式サイト
ストーリー
第2話
「Chapter.5 晴信」
「Chapter.6 夜空のむこう」

 将棋の少年プロ棋士・桐山零と、彼を取り巻く人々を描いた
アニメ『3月のライオン』

 第2話では零が世話になっている川本三姉妹(川本あかり・川本ひなた・川本モモ)について、 
主にあかりが描かれていた。
 零とあかりとの出会い、そしてあかりのもう一つの顔がメインに描かれていた。
 …それは、銀座の「Club美咲」にてホステスをしていることだった。

 特に、
 「昔、零が棋士の先輩に酔い潰されて店の前に置き去りをされたのを
あかりに助けられて川本家に運ばれた。」
 これが零とあかりとの出会いだったのだ…

 そして今の零は、あかりにから何となく逆らえないことが明かされていた。
 …最初に自分のみっともないところを見られてしまったから…。


 【零の周りの、愉快な棋士たち。】

  第2話の冒頭では家に帰って来た零を少年棋士の二海堂晴信が待っていた。
しかも零の対局通知書が入った封筒を勝手に開けていた。
 自分で対局通知書を直接零に渡そうと、零の住むマンションで待っていたのだ。

( ゚д゚)ポカーン
 
 10年前に子ども将棋大会で零と対局した日から晴信は零を勝手にライバル視していて、
しかも勝手に「親友(心友)」と思っている
模様。
 それだけではなく零がスルーしようとしてエレベーターに乗り込むとエレベーターに無理やり乗り込もうとして、
しまいには家に上がり込む始末。

 ちなみに晴信は、花岡という執事がいて80日間世界一周船の旅をプレゼントしていることから
いいところのお坊っちゃんらしい。

 …「80日間珍獣が野放しにされている」、晴信が今そんな状態にあることについて

「助けて~!花岡さ~ん」と思う零だった…。

(´・ω・`)ショボーン


 ・・・ところで零は、対局の日に将棋会館には川を見たくて駅まで歩いて向かうことが明かされていた。
その理由は「水がたくさん集まった姿を見ていると、ボーっとして頭がシーンとするから」だという。

 「小さい頃は川に囲まれた街に住んでいたからかもしれない。
(小さい頃のことは微かにしか覚えていないが)」
ということも明かされていた。

 第2話ではNHK杯予選の日で神社にお参りしようとしたときに、
零は対戦相手の松本一砂五段に絡まれた。

 …松本は自分の活躍を将棋を教えてくれた田舎のじいちゃんに見てほしかったらしかった。
 神社では自分の将棋で零を下せるように、アメーバみたいな零の読みを自分の男魂で焼き尽くせるよう願っていたが…

 …予選では、零に負けて「どんより…」だった…。

(´・ω・`)ショボーン

 そんな松本は「スミス」こと三角龍雪六段から
「桐山君のおごりで飲みに行こう。あかりさんに会いたくね?」という話を聞くと
 どんよりした気持ちはすっかり晴れてしまったのであった…。
 あかりさんのいるクラブに花束を用意していたくらいだったから…。

 …なお、「あかりさん」
…それは零がよく知る川本あかりのことだった。

 
 ・・・「こないだはお菓子包むのを手伝ってくれてありがとう。」

 こうあかりに言われるまで
「ぜんぜん違う人みたいだ…」と零は思っていた。

 そして自分がおごりということになっている零は

 「いいわね~。桐山くん。
 今日はこんなに楽しい先輩たちと一緒で。
 無理に飲ませたりしないし、明るくていいお酒だわ。」

というあかりの言葉に、

 「松本さんは「無理に飲ませたりしない」と言っているけれども無理にたかろうとしてる…」
と思っていた。

 
 けれども、この時あかりが言った。

 「怖い先輩もいるもの…
 潰れるまで無理やり飲ませて、
そのまま、店の前に置き去りにするような…」

 この時、零はあかりに助けられた日のことを思い出した…。

 …特に零はあかりの家にいた時、
「初めてなのに、なぜか懐かしいあの古い家」と思っていた…。

 
 ・・・ちなみにおごりの件について。

 松本「付き合うならこういう先輩が一番よ」と零に言ったあかりに
「優しくて頼もしい」と言われたので、

 「桐山君!僕に頼りたまえ!
後輩をいじめたりあまつさえたかったりしませんよ!
さあ、じゃんじゃん飲みたまえ、僕のおごりだ!」

 …と思わず言ってしまったで、おごりは松本ということになった。

 (;8;)<イッチャン…。


 …「(銀座のクラブにいるあかりさんはいつものあかりさんと違う。
 けれどもどちらもきれいだ。)」

 そう思う、だった…。


 【煙のにおいと、あるお盆の日。】

 ところで零は夏の暑いお盆の日、零の住む六月町からあかりたちの住む三月町に買い物に来たときに
偶然買い物中のあかりたちに会い川本家で食事をしたことがあった。

 ちなみに零は六月町に引っ越した時緊張のせいか街が白黒に見えたことがあったが、
あかりたちに出会ってから橋の向こうに色がついたことを感じていた。

 あかりに「いつでもおいで」と言われた…その言葉だけでお腹いっぱいと感じていた。

 
 ・・・さて、零は買い物に三月町に向かうとき焦げ臭い煙のにおいを感じていた
 それは買い物中今はお盆の時期だと気付き、あかりたちと出会いそうめんなどの買い物の手伝いをして川本家にやってきたときにわかった。
 
 それは、ほうろくの煙のにおいだったのだ。

 
 ・・・「ボウズのご両親のお墓はどこなんだ?」

 あかりたちの祖父・川本相米二にこう聞かれた零は「長野です」と答えた。

 そしてひなたが揚げた唐揚げのことで川本家の会話が弾んでいた。


 この時、零は心の中でこう思っていた。

 「思い出話も何もなく夕げがは進む…
 きっとまだ傷は生のまま乾かずにこの家に横たわっている…。

 …僕の時はどうだったっけ…?
 泣き止んだのはいつだっけ…?
 落ち着いたのはどれくらい経ってだっけ…?

 変なんだ… 思い出せない…
 ずっとぼんやりしている…
 あの日からぼんやりしたまま、他にすることが見つからなくて…


 ・・・帰りにあかりが零に唐揚げなど食べ物を詰めてくれた。
 帰り道に風の強い橋の上で零はこう思った。

 「お腹に抱えた弁当がまるで小さな生き物のように暖かかった」と…。

 
 ―― 「どんより」からの「ぼんやり」。
前半はギャグ展開だったけど、後半はシリアス寄りだったかな。 ――

 特に
「零は思い出せないほど幼い時に、親と姉(あるいは妹)を亡くしている」
ということがほのめかされていたなあ。

 それにしても零はこれからも川本三姉妹に世話になることが多々あるだろうから
とくにあかりには感謝し、良い関係を築いていってほしいなあ。

 …さて次回は零が晴信と直接対決回らしいが、
対局中に二人は何を思うのかが気になる
なあ。

ストーリー
第2話
「Chapter.3 あかり」
「Chapter.4 橋の向こう」

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