アニメ『3月のライオン』の冒頭は、主人公・桐山零(れい)が
家もなく家族もなく学校にも行っておらず友達もいないゆえ、
ある女性から「ゼロ」と呼ばれていたシーンからスタートしたが、
第5話ではその女性の正体が明らかになっていた。
その女性の名は幸田香子。
零は遠足から戻ってきた日に飲酒運転のトラックの事故により両親と妹を失っており
零の父の友人でプロ棋士の幸田柾近に引き取られたが、
香子は零に対し「あること」で恨みを抱いていた。
【零の涙】
そもそも零が家族を失った過去のエピソードに入る前に、
零が川本あかりに頼まれて保育園にモモを迎えに行ったエピソードがあった。
モモが帰り道で犬のシロちゃんに追いかけられて逃げ回るうちに転んでケガをしてしまったのだ。
(※ちなみにシロちゃんはモモと遊びたかったらしい)
家に帰って手当てしたがモモの涙を見たときに、零は思わず涙を流したのだ。
その涙をモモは見逃さなかった。
あかりに「なみだががぽーろぽーろしてた」と伝えていた。
ちなみにあかりはなぜ零が泣いていたかを知っていたが、
ひなたはなぜ零が泣いていたかはわからなかった。
また零はモモをケガさせてしまって申し訳なく思い食欲がなかった。
そしてモモは「手当てしてもらったときにいっぱい泣いて零を困らせてたでしょ」とひなたに聞かれていたが、
「モモ、なかなかったもん!」と言っていた…
( ゚д゚)ポカーン
【零、将棋の家の子になる。】
零にとって家族がいる家がほっとできる場所だったが、
事故により家族を失ったことでそれは365日、一瞬もなくなってしまった。
けれども通夜の日に現れた幸田柾近の言葉をきっかけに零は幸田さんに引き取られることに。
幸田さんはこう言っていた。
「君は…将棋好きか?」
零は「はい。」と答えたが今の零はこう思っていた。
「これが契約の瞬間だった、将棋の神様とぼくが嘘で固めた…」
「人生で初めて、生きるための嘘をついた…」
・・・幕は、どうしようもなく切って落とされた・・・
回想シーンによれば、零は将棋は苦手だったが忙しい父と過ごせる大事な時間だったという。
また零は近所でも学校でもいじめられっ子でどうしても友達が作れず、
クラスの話す人達は目まぐるしくて何を話しているのか追いつけず異国の言葉のように聞こえたけれども、
将棋盤を挟んでの幸田さんの言葉はちゃんと零の中に染みてきたという。
「大人なのにちゃんと語りかけてくれている、
そんな人は家族以外ではただ一人…」と思っていた。
・・・さて、零は家族を失って幸田に引き取られたあとのことを、幸田さんからもらい今も着ているセーターの毛糸がほつれたのでコンビニでソーイングセットを買って戻り、糸を通そうとしていたときに思い出した。
…それは、香子と将棋の対局中にビンタされたことだった…。
…幸田には香子と歩という二人の子供がいて、
特に零より4つ上の姉・香子は、零に負けると手を上げてしまうような人だった。
(※作中では「棋風も気性もその美しさも嵐のように激しかった」と零が語っていた)
ちなみに幸田さんは、香子には厳しかった。(※「香子の強さが、父をそうさせたのだろう」と零は思っていた)
一方零には「将棋のお父さん」という意味で「お父さん」と呼ばせていたが、香子には不満だった。
すべてが将棋中心の幸田家で育った零。
零は強くなり歩と香子を抜き
ついには中2の終わりに三段リーグに到達した。
ちなみに
「自分で自分を説得しながら進んでいける人間でなければ駄目。プロになるのはゴールじゃない、なってからのほうが気が遠くなるほど長いんだ。進めば進むほど道は険しく、周りに人はいなくなる。自分で自分をメンテナンスできる人間しか、どのみち先へは進めなくなるんだよ。」
これが幸田さんの教えだった。
だが、零に勝てない歩は家でふさぎがちになりゲームに
香子は奨励会をやめなければならなくなりやめてからは街で遊び回るようになったという。
【零はカッコウ!?(・8・)】
ところで零は洗い物中にテレビで偶然カッコウの習性が取り上げられていたのを見た。
モズやホウジロの巣に卵を産み、孵った雛はもともとの子供たちを卵のうちにすべて外に出して巣を占領する。何も知らない親は他人の子供にせっせと餌を運び、育てていく。たとえカッコウの雛が自分より大きくなってしまってもいつまでも餌を運び続ける。
この習性を零は自分と重ね合わせ、こう思った。
「この鳥は僕だ…」
・・・零は学校に行かず、プロ棋士の道を行くことにした。
学校の先生にはこう伝えていた。
「学校というのは、将来の道を選ぶために通うところだと思います。だから僕にはもう必要ありません。このままいけば今年中…今年は無理でも来年には三段リーグを抜け僕はプロになります。将棋に集中したいのです。プロになって頑張って少しでも成績を上げて、勝ち星を掴んでお金を稼いで、そして自立したいんです。」
この時の零には内にこんな想いを秘めていた。
「家を出よう。一刻も早く出なければ…僕があの家の人達を…父さんを食い尽くす前に…」
・・・セーターのほつれを直した零は『父さん』のような存在の幸田さんを想い、
そして「いっそ鳥になったら…」と思うのだった…。
―― 幸田さん「ボクと契約して将棋少年になってよ!」 ←違う
けれども、そんな感じだったなあ。 ――
特に零は、香子と歩から将棋をマミった…もとい奪ってしまった感じだなあ…。
それに鳥というと巣立ちのイメージがあるが、この回の零を考えると
「巣立ち」だけではなく「カッコウのように他人の家の子になって、もともとの子供たちを蹴落とす」
というイメージもあるんだなあ…。
…けれども今の零にはプロ棋士としてそこまで修羅に…
本当のカッコウになりきれていないかなあ。
本当のカッコウになりきれていないかなあ。
零がこれからプロ棋士として成長するのはどんなことかきっかけか、これからの展開が気になるなあ。
(※ソース
TVアニメ「3月のライオン」公式サイト
ストーリー
第5話
「Chapter.9 契約」
「Chapter.10 カッコーの巣の上で」