…これが、伊豆丸険を殺人鬼「セイレーン」に変えた理由…
殺人の動機だった。
現在週刊少年マガジンで連載中の『金田一少年の事件簿R(リターンズ)』は
『聖恋島殺人事件』が展開されている。
そもそもこの事件は金田一一と七瀬美雪が剣持警部が出場する磯釣り大会「セイレーンフィッシングマスターズ」の決勝大会に一緒に参加することになったがその宿泊先の聖恋島で影尾風彦・潮小次郎・寒野美火の三人の医師が殺される事件に巻き込まれた、というもの。
はじめは潮の遺体が発見されたあとで潜水道具のメガネの痕が伊豆丸の顔に残っていたのをTVカメラマンの海星終吾が撮っていた映像から見つけ、様々なトリックを見抜いていった。
そして最終話となる第15話では、伊豆丸の動機が明らかになった。
【麻里香は、人体実験の犠牲になった…】
「医者の風上にもおけないあのクズ共をこの手で殺したんだ!」
ゴマスリ製薬営業の伊豆丸ははじめたちに、
彼の上得意客の影男・潮・寒野の三人を殺したのは娘の麻里香(まりか)を殺されたことに対する復讐であったことを明かした。
伊豆丸はもともと営業ではなく製薬会社の研究所の人だった。
娘の死の真相を探るために人事にムリを言って営業に移ったという。
ちなみに妻・美月(みづき)とは離婚していて生き別れ状態だったが
数年後のある日の日曜日、伊豆丸は公園で偶然ボール遊びをする麻里香を見かけた。
血の繋がりというのは不思議なもので麻里香はすぐに伊豆丸と打ち明け、それから日曜日は毎週公園に行って色々な遊びをしたという。
美月は見て見ぬふりでいてくれたが、ある時突然麻里香が公園に来なくなった。
次の週、その次の週…と待ち続けていたが、来なかった。
そしてその次の週、美月は涙を流しながら麻里香が死んだことを明かした。
悪性の小児ガンが見つかったので帝王大学病院に入院したが入院治療しているうちにどんどん弱り、最後は娘の最後すら看取れなかったという。
この時伊豆丸は医療研究者として直感的に「おかしい」と感じていた。
なぜなら伊豆丸が最後に見た麻里香は元気そうで、仮に小児ガンだったとしても2週間で死ぬような状態ではなかったはずだから。
当時病理検査薬の研究をしていた伊豆丸はその伝で帝王大学病院のことを調べると、
麻里香が帝王大学病院が開発に関わっている新薬の治験対象になっていることを突き止めた。
そして麻里香と同じように治験対象になっている事例があったことを突き止めた。
つまり、影尾たちは「病院ぐるみで人体実験まがいの治療」をしていたのだ。
ちなみに海星も取材の時、はっきり目撃していた。
・・・剣持警部も話していたように、
伊豆丸には影尾たちを刑事告発することもできた。
伊豆丸には影尾たちを刑事告発することもできた。
だが、伊豆丸は三人を殺す道を選んだ。
伊豆丸は刑事告発のために研究職から営業に移り影尾たちに近づいていたが、ある接待の飲みの日に潮がふとこぼしたから。
潮はこんなことを言っていた。
「ここだけの話だけどさ、例の新薬でずいぶん『殺してる』んだよね、俺達のチーム」「小学生の女の子を殺しちゃったのはさすがにちょっとキツかった。あの時ちょうど小児ガンの初期の子が見つかってね。前から影尾先生が新薬の治験データに小児ガンの適用実験が欲しいって仰ってたからその子を「悪性」の癌ってことにして無理やり投薬を始めちゃったんだよね。僕の見立てじゃ他の治療で十分治ったと思うけど、ホラ、影尾先生は『帝王』でいらっしゃるから出世のために仕方なく?そしたら案の定激烈な副作用が出ちゃった。ものすごい痙攣発作を起こしちゃって。ま、もちろんそこには僕ら3人しかいなかったから癌の全身転移による多臓器不全っていういつもの死亡診断書で済ませたけど、あの現場にあの子の母親を入れてなくて本当に良かったよ。俺が親でもあんな死に方たまんないや~!ハハハ」
…伊豆丸は新薬の話が出た時、潮の声をこっそり録音していた。
最初は「酔った勢いで吐いちまうんだ、お前らの悪行を!」と思っていたが、
潮の話を聞いた時、亡くした麻里香のことを潮が酔った勢いで口にしたのでこう思った。
「そんなことで許されるか!!
人の娘を実験動物か何かのように言いおって…!!
それならお前ら全員この俺が殺してやる!虫ケラのようにな!!」
・・・こうして聖恋島にて影尾・潮・寒野の三人を伊豆丸は殺したが
はじめに犯人と見抜かれた彼には後悔が残ったようだ。
はじめに犯人と見抜かれた彼には後悔が残ったようだ。
「だがもう終わりだ。
私にやり残したことはないよ。
もっとももこんなことしたって
死んだ麻里香は帰ってこないんだがな…」
…このときセイレーンの鳴き声が変わった。
美雪はそれが悲しい感じがすると思っていた…。
【三本岬の険ちゃんと、明らかになった鉄の塊の謎!】
ところで伊豆丸は聖恋島の元住人だった。
霧声昼子とこんな会話が交わしていたから…
霧声「険ちゃん…! あんた三本岬んトコの険ちゃんだね…」伊豆丸「…ええ、昼子おばさん」霧声「名前も変わってたから気づかんかったわ」伊豆丸「島を出て両親が離婚して…今の名は母が再婚した相手の名です」霧声「あんたも…苦労したんだねえ…」
・・・ところで霧声は事件後、
はじめと美雪を洞窟に連れていき、
はじめと美雪を洞窟に連れていき、
はじめが第7話で見つけた黒い鉄の塊の正体を明かした。
それは特殊潜航艇「回天」。
霧声の話によると、戦中テスト航行で座礁して放置してあったのがそのまま残っていたという。
またそれを最初に見つけたのは霧声で、セイレーンの声を辿って見つけたという。
霧声が「回天」を見つけた後、島の集会でそれを進駐軍に通報するか話し合い、その結果島民だけの秘密にすることにした。
ヘタに隠しているように思われたら何をされるかわからなかったが、米軍に言えば『あれ』はきっと壊されて鉄クズにされていた…
それなら、私らで『あれ』を守ろうということになったという。
霧声は「回天」についてこう思っていた。
「あの『回天』はこの島の記憶の一部。
命を軽く扱う特攻兵器の犠牲になった多くの軍人さんたちの
『永遠の墓標』なんだから…」
【はじめの願望…( ゚д゚)】
事件が終わり、聖恋島から戻ってきたはじめと美雪。
美雪は
「伊豆丸さんと言い、霧声さんの話と言い、なんかやりきれない」と言っていた。
「伊豆丸さんと言い、霧声さんの話と言い、なんかやりきれない」と言っていた。
一方はじめはベッドに寝転び、雑誌で顔を隠していたがこんなことを話していた。
「そりゃこっちだって大会賞金200万円はパーだしっ!!
美雪との初Hも…」
これを聞いた美雪は今持ってきた飲み物のカップを
「ん?何か言った?」とさり気なくゴンと振り下ろした…
( ゚д゚)ポカーン
しかも美雪が
「スケベなことばっか考えてないでたまには真面目に勉強したら?」
と話したら、はじめは
「なっ!なぜわかった!オレの心を…!」と返していた…
と話したら、はじめは
「なっ!なぜわかった!オレの心を…!」と返していた…
( ゚д゚)ポカーン
―― (;8;)<マリカチャン…
(;8;)<ケンチャン… ――
『聖恋島殺人事件』で伊豆丸が起こした殺人事件の動機は鬼島高彦が
「前にも引きの強い魚に引き込まれて海に落ちて
ライジャケを着ていたのにそのまま溺れ死んだ人がいたんですよ。
だから今回も「ああ…また事故だ」ってすぐ思っちまったんだが」
と第13話でこぼしていたので動機は医療事故に見せかけた殺人に対する復讐ではなく、
釣りの事故に見せかけた殺人なのかな…と思ったら、
普通に医療事故に見せかけた殺人だったか…( ゚д゚)
確かに帝王・影尾とその部下たちはゲス医者だったが、
刑事告発せずに人を殺したら、負けかな…(´・ω・`)
そして『聖恋島殺人事件』のように『金田一少年の事件簿』において事件の犠牲者たちが犯人にとって親しい人物を実験動物というかモルモット扱いし殺していたのは『魔犬の森の殺人』を彷彿とさせる事件だったなあ…。
・・・ところで自分はこの事件の犯人当てについて、
今回の事件は伊豆丸が犯人だとすぐわかったけど、
共犯がいるのかどうかで迷ったなあ。
今回の事件は伊豆丸が犯人だとすぐわかったけど、
共犯がいるのかどうかで迷ったなあ。
特に寒野に手紙を書いたのは現場にいた関係者かと思ったが、
実は書いたのはバイトだったか…( ゚д゚)
いずれはこの事件も将来アニメ化あるいはドラマ化されるであろうが
この辺はどうなることやら…?
それにしてもはじめは相変わらずだなあ…(´・ω・`)
でも、美雪のラストのさりげない反応は個人的にナイスだと思う。
(;8;)<ハジメチャン…
【次のシリーズは7月5日に持ち越し!】
さて次の事件は『25周年記念シリーズ』と題して週刊少年マガジン第31号で連載再開されるようだ。
そしてあっと驚くビックプロジェクトの発表もあるというが、
―― 多分アニメとドラマだろう…
いや、映画もあるかな…? ――
(※ソース
週刊少年マガジン 2017年第1号~第19号
『金田一少年の事件簿 聖恋島殺人事件』
CASEFILE of Kindaichi Hajime: 聖恋島殺人事件 #15
講談社(2017)(第14話)p391~p410)