現在『イブニング』で連載中の『金田一37歳の事件簿』は
『函館異人館ホテル新たなる殺人』が展開中。
金田一一の推理で謎が全て解かれ真犯人『碧血鬼』こと岡倉純の逮捕により事件は終結したかに見えた。
だが「碧血鬼」こと岡倉純の本当の動機を明かさなかったのではじめはフリーライターのいつき陽介の協力で事件の背景を突き止めた。
岡倉は、「矢吹碧(ペンネーム:三多村匠)」という将来結婚を約束し合った若手女優を階段から転落させ意識不明状態に追いやったリュウ小野寺・赤座光輝・綾野木ルカ・そして水島颯太に復讐するために一連の犯行を思いついた。
岡倉はリュウ小野寺は彼の自宅で毒殺、赤座と綾野木は『箱館ウォーズ』舞台本番中に射殺、そして水島は自殺に見せかけて舞台で殺した。
事件にはリュウらによる集団監禁レ◯プが事件の背景にあり、碧はいわゆるヤリ部屋から逃げ出したが、階段で足を踏み外して転落したのだった。そして前回第13話で碧が息を引き取ったので、岡倉はすべてを話した。
直近の第14話で岡倉は
「碧の事故の真相を知った時、アイドルとしての"岡倉純"は死に、
俺は"碧色の血"をたぎらせる"復讐の鬼"となった」
「俺は碧の書き溜めた現行で覆面作家"三多村匠"となり、
函館を舞台にした"殺人劇"を着々と準備してきた」
と明かしていた。
またリュウについては真っ先に犯行を疑われるのを防ぐために最初に手をかけ、
「毒入りワインを飲んで突っ伏した奴には一体何が起こってるか最後までわからなかったろうな…」
と言っていた。
そして水島には、最後の最後に自分が何者であるかを明かした。
「リュウも赤座もルカも全員俺が殺ったんだ。
…で最後はお前ってワケ!
ハハッ!なんで俺がこんなことするかって?」
「前にお前らがルカの部屋に換金して薬漬けにしてヤリまくってた女いたろ?
あの時お前らがズタボロにした女…矢吹碧は…
俺の婚約者だったんだよ!
丁度今のお前も俺が嗅がせたクスリと出血で意識モーローだろ?いいザマだ!
碧と同じ絶望を味わいながら死ぬといい!」
そして高笑いをしたとき、水島は観念した顔を見せていて
「その顔が今でも忘れない」と岡倉は語っていた…
【やはり、高遠遙一】
はじめは岡倉に
「最後にもう一ついいですか?」
と聞いた。
「岡倉さんは本当にこの犯罪計画をすべて一人でこなしてきたんでしょうか?」
「あなたの犯行の手口は鮮やかすぎて俺にはある人物を思い出させるんです。
その人物はかつて殺人プロデューサーとして数多くの殺人事件に関わり
現在は特別な拘置所に収監されています。
そこは外部との接触はほとんどできない厳重な警備の下にある施設です。」
「ところがこの男はそんな状態の中現在進行形で多くの犯罪に関わってるんです。」
「そいつは自分も含め十二名からなる犯罪組織を"十二神"と名付け、
密かに彼らとコミュニケーションを獲って犯罪計画を指示しているようなんです。」
「僕は以前その中の一人"アルテミス"と名付けられた犯罪者と関わりましたが、
彼女は逮捕後捜査員にその人物のことをペラペラ話し、
差し入れに仕込まれた毒で命を落としてます。
その人物の名は高遠遙一。」
はじめは"地獄の傀儡師"と呼ばれる殺人プロデューサー・高遠遙一について岡倉に聞いたが、
「いやー全然…!」と彼は答えていた…。
・・・「それじゃ、碧のことは頼んだよ。」
と、はじめといつきに言った岡倉は明智健悟警視長に
「それと刑事さん、俺が死刑になったら…碧と一緒の墓に入るってのは可能かな?」と聞いていた。
明智警視長は
「ケースによりますが、できるだけ配慮しましょう」と言っていた。
そして
「(ごめん…碧…
最後のときも一緒にいてやれなくてせめて墓ぐらいは…と思ったけど
死んだ後もお前とは一緒にいられそうもないよ…
お前は天国に行けても、俺は地獄行きだからな…)」
と思っていた…。
ちなみにいつきは
「俺は認められねーな!そんな生き方。
確かにあんなことされたら許せねーけどよ、世の中にはもっとこー大切なもんが…」
と言っていた。
【ヘラとユダ】
はじめは岡倉が関わった函館異人館ホテルの一連の殺人事件について明智警視長に意見を求めたところ
「まず9割がた関わってるでしょうね、あの男が。
銃の練習で何度も海外へ行く手配をしたり、多忙なアイドルが覆面作家として犯行の舞台を指示したりと、到底一人でできることではありませんしね。」
という見解が返ってきた。
はじめ
「岡倉が残る十人の一人なら
"地獄の十二神"ってのはそれぞれサポートしたりするものなのか?」
明智
「まぁすべてが推測の域を出ない以上、
拘置所の高遠を詰問するわけにもいきませんし、
こちらとしては何も手が打てないのは情けないですね…」
・・・一方『箱館ウォーズ』に出演した『函館異人館ホテル新たなる殺人』の関係者の一人・刈谷ユダにファンからと思われるフラワーボックスが届いた。
そのフラワーボックスには手紙が入っておりそれには
「ヘラより 親愛なるユダへ」
とあり、何と札束も入っていた…!
「ワォ…」と思わずユダは声を上げていた…。
それと同時に、『ヘラ』を名乗る人物からの電話がユダのケータイに来た。
ヘラ
「ヘラです。お礼は受け取っていただけましたか?」
ユダ
「ええ、たった今すごい額だ。ありがとうございます。」
ヘラ
「いえ、あなたのおかげで先日の事件の顛末がすべて把握できましたのでこれくらいは…」
ユダ
「はぁ…しかし何のためだったのかちょっと気になっておりまして…」
ヘラ
「そのことは気になさらない方がよろしいかと思います。
あなた自身のためにも…」
ユダ
「は、はい、もちろんです!」
ユダは
「このカネ……なんかやばいなー
パーって使っちまうか…」
と思っていた…。
―― フラワーボックスといえば…
(・8・)<レイカチャン!!!? ――
速水玲香 = ヘラ
なのだろうか…
そしていずれは、
\オンドゥルルラギッタンディスカー!!/
をはじめに言わしめる裏切りの展開があるかも…?
(※でも流石にオンドゥル語は使わないだろう(笑))
・・・それはさておき、
その後、高遠に本の差し入れが来た。
その差し入れの主は、ユダ、あるいはヘラからなのだろうか、
高遠にはわかる本の折り目を利用した秘密のメッセージが本に盛り込まれていたらしかった。
そのメッセージから高遠は、
「金田一一が函館異人館ホテルの事件に現れたこと。
『アポロン』と呼ばれる犯罪者が逮捕されたこと。」
この2つを読み取っていた。
高遠は岡倉を『アポロン』と呼んでいたようだった。
そして彼の逮捕には
「彼には芸術犯罪の素質が十分あったのに残念」と思っていた…。
そして高遠は、メッセージを読み取った本を看守に捨てさせて
次の芸術犯罪に備えていたようだった…。
【電報堂の白鳥麗桜(しらとりれお)】
ところではじめには次の仕事が来ていた。
それは新しいリゾートホテルのモニターイベントの仕切り。
今回の仕事は下請けで、早速電報堂の営業二課・白鳥麗桜のところに挨拶がてら出向くことになった。
ちなみに白鳥の名前についてはじめが思ったことは…
「! し、しらとりれおときたか!
ひゃーえらいキラキラネームだな!?」
そして
「でもこれなら相手はきっと若い女の子…」と思い、
にまにまとした顔をしていた…⌒ω⌒
( ゚д゚)ポカーン
そんなはじめの後ろにひょいと現れたのは部下の葉山まりんだった。
そして内神田課長にまたコンビを組むように、はじめは言われた。
…この所はじめはどこかに行くたび何かが起こり、まりんははじめと組みたがるから…。
はじめは「悪い予感しかしない」「今回は何も起きないで欲しい」と思い、
「俺はもうっ!! 謎は解きたくないんだぁぁぁ~~!!」」
と心のなかで思っていた。
そして次号から新事件『騒霊館殺人事件』が始まることが告知された…!
―― 刈谷ユダは『碧血鬼』の協力者と疑って正解だったなあ。 ――
自分が思うに、ユダは岡倉が仕掛けたトリックに直接介入はしなかったものの
2つの点で岡倉を助けていたのでは。
一つは、水島の偽遺書メールについてのユダの解釈。(※第6話)
ユダは岡倉が水島殺しのときにせりが上がりきってない状態であることを防ぐために
舞台に向かわせずに控室に幸村真之助警視ら関係者に寄り道させることで舞台を完成させようとしたのでは。
そしてもう一つは、岡倉が赤座を射殺した時のユダが演じたフランス人侍、ジュール・ブリュネの位置。(※第8話)
綾野木が下に落ちたほうの城壁セットの上にユダはいて、そこからなら赤座を射殺する岡倉の姿がバッチリ見えたとみられるが、すぐに通報しなかったのが自分は非常に引っかかった。
もしはじめが『函館異人館ホテル新たなる殺人』に高校生のときに出くわしていたならば、
綾野木とユダがいた舞台本番で立っていた城壁セットに実際に上がってそこからならユダが赤座を射殺する岡倉がバッチリ見えることを突き止め、間接的にユダが事件に関わっていることを突き止められたかもしれないなあ。
もし高校生のはじめがこの事件に関わってたら謎解きの時、こんなことを言うだろうなあ。
「綾野木さんや刈谷さんが立っていた城壁セットの上ならばバッチリ赤座さんを射殺する岡倉さんを確認できたはずで、警察にその件を伝えるはずです。
なのになぜ今になってもそこにいた人物は未だに何もしないのでしょう?
おかしくありませんか?」
「そう、その人物こそ、岡倉さんの協力者だからです!
そうですよね? …刈谷ユダさん?」
はじめが今回の『函館異人館ホテル新たなる殺人』で綾野木とユダがいた城壁セットの上さえ調べれば、地獄の十二神の一人(?)ユダを檻の中に送り込むことができていたのでは…?
あと、もしかするとユダはヘラにこんな指示を出されていたのかもしれないなあ。
「水島さんからのメールが関係者たちに来た時は、
警察の方に控室に寄らせるのですよ。」
・・・それにしても玲香は高遠とつながりがあるようになってしまったのだろうか?
いわゆる闇堕ちなのだろうか…
そして『謎はすべて解けた』高校生のはじめが蘇るのはいつの日か…。
(;8;)<レイカチャン…
【ソース】
イブニング 2020.04.14 NO.08
『金田一37歳の事件簿』
『函館異人館ホテル新たなる殺人』
File53 地獄へ
講談社 (P25~P46)