にぎる。

『にぎる。』にようこそ! このブログは私が見たアニメやマンガの感想を自由気ままに書いています。

タグ:潮小次郎

 …これが、伊豆丸険を殺人鬼「セイレーン」に変えた理由…
殺人の動機だった。

 現在週刊少年マガジンで連載中の『金田一少年の事件簿R(リターンズ)』
『聖恋島殺人事件』が展開されている。
 そもそもこの事件は金田一一七瀬美雪剣持警部が出場する磯釣り大会「セイレーンフィッシングマスターズ」の決勝大会に一緒に参加することになったがその宿泊先の聖恋島で影尾風彦・潮小次郎・寒野美火の三人の医師が殺される事件に巻き込まれた、というもの。
 はじめは潮の遺体が発見されたあとで潜水道具のメガネの痕が伊豆丸の顔に残っていたのをTVカメラマンの海星終吾が撮っていた映像から見つけ、様々なトリックを見抜いていった。

 そして最終話となる第15話では、伊豆丸の動機が明らかになった。


 【麻里香は、人体実験の犠牲になった…】

 「医者の風上にもおけないあのクズ共をこの手で殺したんだ!」

 ゴマスリ製薬営業の伊豆丸ははじめたちに、
彼の上得意客の影男・潮・寒野の三人を殺したのは娘の麻里香(まりか)を殺されたことに対する復讐であったことを明かした。

 伊豆丸はもともと営業ではなく製薬会社の研究所の人だった。
 娘の死の真相を探るために人事にムリを言って営業に移ったという。

 ちなみに妻・美月(みづき)とは離婚していて生き別れ状態だったが
数年後のある日の日曜日、伊豆丸は公園で偶然ボール遊びをする麻里香を見かけた。
 血の繋がりというのは不思議なもので麻里香はすぐに伊豆丸と打ち明け、それから日曜日は毎週公園に行って色々な遊びをしたという。
 美月は見て見ぬふりでいてくれたが、ある時突然麻里香が公園に来なくなった。
 次の週、その次の週…と待ち続けていたが、来なかった。
そしてその次の週、美月は涙を流しながら麻里香が死んだことを明かした

 悪性の小児ガンが見つかったので帝王大学病院に入院したが入院治療しているうちにどんどん弱り、最後は娘の最後すら看取れなかったという。

 この時伊豆丸は医療研究者として直感的に「おかしい」と感じていた。
なぜなら伊豆丸が最後に見た麻里香は元気そうで、仮に小児ガンだったとしても2週間で死ぬような状態ではなかったはずだから。

 当時病理検査薬の研究をしていた伊豆丸はその伝で帝王大学病院のことを調べると、
麻里香が帝王大学病院が開発に関わっている新薬の治験対象になっていることを突き止めた。
 そして麻里香と同じように治験対象になっている事例があったことを突き止めた。
 つまり、影尾たちは「病院ぐるみで人体実験まがいの治療」をしていたのだ。

 ちなみに海星取材の時、はっきり目撃していた。

 ・・・剣持警部も話していたように、
伊豆丸には影尾たちを刑事告発することもできた
だが、伊豆丸は三人を殺す道を選んだ。

 伊豆丸は刑事告発のために研究職から営業に移り影尾たちに近づいていたが、ある接待の飲みの日に潮がふとこぼしたから。

 潮はこんなことを言っていた。

 「ここだけの話だけどさ、
例の新薬でずいぶん『殺してる』んだよね、俺達のチーム」

 「小学生の女の子を殺しちゃったのはさすがにちょっとキツかった。
あの時ちょうど小児ガンの初期の子が見つかってね。
前から影尾先生が新薬の治験データに小児ガンの適用実験が欲しいって仰ってたから
その子を「悪性」の癌ってことにして無理やり投薬を始めちゃったんだよね。
 僕の見立てじゃ他の治療で十分治ったと思うけど、
ホラ、影尾先生『帝王』でいらっしゃるから出世のために仕方なく?
 そしたら案の定激烈な副作用が出ちゃった。ものすごい痙攣発作を起こしちゃって。
 ま、もちろんそこには僕ら3人しかいなかったから癌の全身転移による多臓器不全っていういつもの死亡診断書で済ませたけど、
あの現場にあの子の母親を入れてなくて本当に良かったよ。
 俺が親でもあんな死に方たまんないや~!ハハハ

 …伊豆丸は新薬の話が出た時、潮の声をこっそり録音していた。
 最初は「酔った勢いで吐いちまうんだ、お前らの悪行を!」と思っていたが、
 潮の話を聞いた時、亡くした麻里香のことを潮が酔った勢いで口にしたのでこう思った。

 「そんなことで許されるか!!
人の娘を実験動物か何かのように言いおって…!!
それならお前ら全員この俺が殺してやる!虫ケラのようにな!!」

 ・・・こうして聖恋島にて影尾・潮・寒野の三人を伊豆丸は殺した
はじめに犯人と見抜かれた彼には後悔が残ったようだ。

 「だがもう終わりだ。
私にやり残したことはないよ。
もっとももこんなことしたって
死んだ麻里香は帰ってこないんだがな…」

 …このときセイレーンの鳴き声が変わった。
美雪はそれが悲しい感じがすると思っていた…。

 【三本岬の険ちゃんと、明らかになった鉄の塊の謎!】

 ところで伊豆丸は聖恋島の元住人だった。
 霧声昼子とこんな会話が交わしていたから…

 霧声「険ちゃん…! あんた三本岬んトコの険ちゃんだね…」
 伊豆丸「…ええ、昼子おばさん」
 霧声「名前も変わってたから気づかんかったわ」
 伊豆丸「島を出て両親が離婚して…
 今の名は母が再婚した相手の名です」
 霧声「あんたも…苦労したんだねえ…」

 ・・・ところで霧声は事件後、
はじめと美雪を洞窟に連れていき、
はじめが第7話で見つけた黒い鉄の塊の正体を明かした。

 それは特殊潜航艇「回天」

 霧声の話によると、戦中テスト航行で座礁して放置してあったのがそのまま残っていたという。
またそれを最初に見つけたのは霧声で、セイレーンの声を辿って見つけたという。

 霧声が「回天」を見つけた後、島の集会でそれを進駐軍に通報するか話し合い、その結果島民だけの秘密にすることにした。
 ヘタに隠しているように思われたら何をされるかわからなかったが、米軍に言えば『あれ』はきっと壊されて鉄クズにされていた…
それなら、私らで『あれ』を守ろうということになったという。

 霧声は「回天」についてこう思っていた。

 「あの『回天』はこの島の記憶の一部。
命を軽く扱う特攻兵器の犠牲になった多くの軍人さんたちの
『永遠の墓標』なんだから…」


 【はじめの願望…( ゚д゚)】

 事件が終わり、聖恋島から戻ってきたはじめと美雪。
 美雪
 「伊豆丸さんと言い、霧声さんの話と言い、なんかやりきれない」と言っていた。
 一方はじめはベッドに寝転び、雑誌で顔を隠していたがこんなことを話していた。

 「そりゃこっちだって大会賞金200万円はパーだしっ!!
 美雪との初Hも…」
 
 これを聞いた美雪今持ってきた飲み物のカップを
 「ん?何か言った?」とさり気なくゴンと振り下ろした…

( ゚д゚)ポカーン

 しかも美雪
 「スケベなことばっか考えてないでたまには真面目に勉強したら?」
と話したら、はじめ
なっ!なぜわかった!オレの心を…!」と返していた…

( ゚д゚)ポカーン


 ―― (;8;)<マリカチャン…
(;8;)<ケンチャン… ――

 『聖恋島殺人事件』で伊豆丸が起こした殺人事件の動機は鬼島高彦が

 「前にも引きの強い魚に引き込まれて海に落ちて
ライジャケを着ていたのにそのまま溺れ死んだ人がいたんですよ。
 だから今回も「ああ…また事故だ」ってすぐ思っちまったんだが」

第13話でこぼしていたので動機は医療事故に見せかけた殺人に対する復讐ではなく、
釣りの事故に見せかけた殺人なのかな…と思ったら、
普通に医療事故に見せかけた殺人だったか…( ゚д゚)

 確かに帝王・影尾とその部下たちはゲス医者だったが、
 刑事告発せずに人を殺したら、負けかな…(´・ω・`)
 
 そして『聖恋島殺人事件』のように『金田一少年の事件簿』において事件の犠牲者たちが犯人にとって親しい人物を実験動物というかモルモット扱いし殺していたのは『魔犬の森の殺人』を彷彿とさせる事件だったなあ…。 


 ・・・ところで自分はこの事件の犯人当てについて、
今回の事件は伊豆丸が犯人だとすぐわかったけど、
共犯がいるのかどうかで迷った
なあ。
 
 特に寒野に手紙を書いたのは現場にいた関係者かと思ったが、
実は書いたのはバイトだったか…( ゚д゚)
 いずれはこの事件も将来アニメ化あるいはドラマ化されるであろうが
この辺はどうなることやら…?

 それにしてもはじめは相変わらずだなあ…(´・ω・`)
 でも、美雪のラストのさりげない反応は個人的にナイスだと思う。

 (;8;)<ハジメチャン…

 【次のシリーズは7月5日に持ち越し!】

 さて次の事件『25周年記念シリーズ』と題して週刊少年マガジン第31号で連載再開されるようだ。
そしてあっと驚くビックプロジェクトの発表もあるというが、

 ―― 多分アニメとドラマだろう…
いや、映画もあるかな…? ――

(※ソース
週刊少年マガジン 2017年第1号~第19号
『金田一少年の事件簿 聖恋島殺人事件』

CASEFILE of Kindaichi Hajime: 聖恋島殺人事件 #15
講談社(2017)(第14話)p391~p410)

 現在週刊少年マガジンで連載されている『金田一少年の事件簿R(リターンズ)』は
『聖恋島殺人事件』が連載中で、
前回第11話で金田一一が影尾風彦・潮小次郎・寒野美火の3人の医師が殺された件についての謎解きをはじめた。
 
 最新の第12話では、潮殺しの謎解きから始めていた。


 【セイレーンの鳴き声は2種類ではなく…】

 …5種類あった!!

 七瀬美雪は2種類あるものと思っていたが
コテージ管理人の老婆・霧声昼子の話によると次の5種類だった。

 1.引き潮から満潮に切り替わるときの音(※この時が魚がたくさん取れる)
 2.潮の流れが急に速くなり沖から岸に岩に巻き付くようにして流れ始める音
 3.潮の流れが滞りピタリと凪いでしまう音
 4.引き潮に切り替わるときの音
 5.引き潮が急に速くなり、岸から左巻きに沖にどんどん流されていくようになる音
(※この時は、1.とは逆に入り江で魚が取れない。
その理由は沖に向かう流れと魚が戦っていて餌に興味を示さないから。
特に、伊豆丸険と鰐瀬たかしはこの時に釣りに行った。

 霧声の話によると、
セイレーンの鳴き声は潮の流れと天候によらず1分もずれることはないという。
 「今回の事件の真犯人『セイレーン』はそれを利用して潮を殺した」とはじめは推理した。


 【潮殺しのトリックと真犯人が犯したミス!】

 またはじめは
 「影尾が殺されたあとで冷蔵庫を何者かがあさり食料を持ち去ったりぶちまけてダメにしたことは潮を殺す殺人トリックの伏線だった」
と推理した。

 「それは『島に怪しげな怪物『セイレーン』が潜んでいるように見せかけるため』という単純な話ではない」
とも言っていた。

 さらに食料庫が荒らされたことについてはじめは、
腹を減らしたみんなが孤島で食料がなくなったことに不安を覚えてなんとかして自分たちで食べ物を確保しなきゃと思い、特に伊豆丸「他に方法がないから魚を釣りに行く」と名乗り出たことについてこう言った。

 「だがそれこそが犯人の狙いだったんだ」
 「伊豆丸さん、鰐瀬さんの二人は釣りに出かけて一匹も釣れないボウズの状態でヘトヘトになって戻ってきたけど実はこれも犯人には重々承知の展開だったんだ」

 その根拠にくだんのセイレーンの鳴き声を挙げ、
霧声が島の決まりで長年秘密にしていた
セイレーンの鳴き声の秘密を彼女の口から明かす展開になった。

 
 ・・・「犯人はセイレーンの鳴き声を利用して様々なトリックを仕込んでいた、
その1つが潮小次郎殺しだった」
 こう明かすはじめ「伊豆丸と鰐瀬が全く釣れなかったのを見て自信家の潮が釣りに名乗り出るのも、犯人は計算済みだった」と推理した。

 実際、荒れた海での釣りは潮は得意分野
小説家の右竜あかねは潮が釣り雑誌のインタビューで悪天候で結果を出していたことが記事になっていたのを何度か見たことがあった。
 もちろん犯人はそのことも知っていたとはじめはみていた。

 「潮が海に落ちたタイミングは満ち潮で沖から岸に向かっている状態だった、だから死体はすぐ岸に流れ着いた」
「速い潮の流れに加えて水中スクーターのような物を使えば
丈夫な釣り糸を竿を介して人一人を海に引きずり込むのは難しくないんじゃないか」

 そう推理したはじめは潮が釣り竿を手から離したくても離せなかった理由

 「手袋か竿のどちらかに強力な瞬間接着剤を仕込まれていたから」というのを挙げていた。
 ちなみに釣り用の手袋を身につけていたのは潮と一緒に釣りに行ったはじめも剣持警部も確認済み。

 「犯人はある一定以上の圧力がかかると破けるようなカプセルに入れた瞬間接着剤を仕込み、潮が釣り中両手に力を込めた途端、カプセルは破れて中の瞬間接着剤が流れ出る…
 実はこのとき犯人は水中で潜水具を身に着けて現場にいた…!
水中で魚に模したヒキを演出し、瞬間接着剤が竿と手袋を固定したところを見計らい、
水中スクーターの力を利用して潮を海の底に引きずり込んだ…」
 
 …このトリックには一つ弱点があった。
それは瞬間接着剤が残った竿と手袋を回収しなければならなかったこと。
 新品の手袋を用意し取り替えようにも、潮がどの手袋をしてくるかまでは予測できず、
テレビの映像で残るので手袋が代わっていることがバレてしまう。
だから犯人は手袋が偶然脱げたということにしたかったが、
「それが自分にヒントを与えることになった」
とはじめは言っていた。

 特に、TVカメラマンの海星終吾のビデオの中にあった、と。
 
 そのヒントになることは、
 
 「スキーに行ったときや寒い所から暖かい家に帰ってきた時などに多くの人が経験したと思われること」
 「潮殺し以外にも犯人は後から思えば犯行やトリックに都合の良い発言や行動をいくつも繰り返していたこと」

 さらにはじめは、
 「海星のビデオがなければここまでのことは気づけなかったんじゃないかと思っている」と言い、
犯人に対して「まあ頭のいい犯人のことだから、そろそろ俺が正体に気づいてることくらいはわかってるよな…?」と言った。
 そして「『セイレーン』はあんただよ!」ある一人を指差した


 ―― 潜水道具…
特にシュノーケルを使ったことが顔にかいてあった伊豆丸険が、やはり犯人っぽいなあ。
 ただ、今回の事件の犯人『セイレーン』は伊豆丸一人ではないように思うなあ。
 共犯、あるいは複数犯と影尾殺しの謎解きの時に言いそう…。

 特に「伊豆丸が犯人だ」というのは、推理の序の口に過ぎないのではと自分は思う…。 ――

 
 自分が11話の感想追記で書いたように、今後予想される展開は

 部屋割りを決めた鬼島高彦
 寒野美火を騙った手紙を書いたと思われる霧声昼子
 そして第4話で「近くでも釣れる」発言を潮の目の前でし、
伊豆丸とともに釣りに行った鰐瀬たかし

 この3人も伊豆丸と同じく食糧荒らしであり、今回の事件の真犯人「セイレーン」であると
はじめは指摘するのではないか。
 
 けれどもその前にはじめが次回検証するのは
「シュノーケルのあとが伊豆丸の顔に残ってたのが海星のビデオに撮られてた」
 からの~
「影尾風彦殺し」
で、これは伊豆丸が影尾の死体を演じていたことをフードの乱れから指摘しそうな予感がするなあ。

 また、他の犯人に対しては、手紙の筆跡だけではなく魚を捕る時に使う水中スクーターを伊豆丸に使われたのに今になっても他人に使われた形跡があることをはじめや剣持警部に話さない霧声
 伊豆丸と一緒に釣りからボウズで戻り伊豆丸とシャワーを浴びに行ったのに
彼の別行動(※潮殺し)を怪しむそぶりがない鰐瀬の不審な行動も、
はじめは指摘していくのではないか。
 そして鬼島については多分はじめは指摘しないと思うけど、
第10話に登場した寒野の手紙を提出前に見ていた手帳のようなものは、
霧声からあらかじめ渡された干潮時刻と満潮時刻のメモ…
あるいは霧声の口から話されたセイレーンの鳴き声の秘密に関するメモなのでは。
 …彼の場合、はじめに犯人だと指摘される根拠は部屋割りと手紙かな?


(※ソース
週刊少年マガジン 2017年第1号~第16号
『金田一少年の事件簿 聖恋島殺人事件』

CASEFILE of Kindaichi Hajime: 聖恋島殺人事件 #12
講談社(2017)(第12話)p213~p232)

 新年明けましておめでとうございます。(※2週間近く過ぎましたが…)

 久しぶりに登場した週刊少年マガジンの『金田一少年の事件簿R(リターンズ)』
 剣持警部が磯釣り大会「セイレーンフィッシングマスターズ」に金田一一七瀬美雪とともに出場することになったが、宿泊先の聖恋島で殺人事件に巻き込まれるという『聖恋島殺人事件』が連載中で、
 特に第3話では背中に銛を突き立てられた影尾風彦教授の遺体が集合場所の桟橋小屋内で見つかったという第一の殺人が起きた。

 …そして今年に入り、第4話では第二の殺人が起きた。
それは、剣持警部と釣り中の潮小次郎メーカー特注の釣竿を使って釣り中になぜか突然海に引きずり込まれそのまま溺死、そして彼の遺体がメインコテージ周辺に流れ着いていたのを寒野美火に発見された…というものだった。
(※ちなみに潮が使っていた釣竿は、ウキがメーカー特注とのこと)

 ちなみにこの時は剣持警部と潮とともに、はじめも同行していた。
  潮が荒れた海に引きずり込まれたとき海に剣持警部が飛び込んで救助を試みたが、見失ってしまった


【セイレーン、コテージを荒らす!?】

 ところで潮が亡くなる前、不審な出来事がコテージで起きていた。
それは昨晩まではちゃんとあった大量にあった備蓄食料(缶詰、乾物、お米)が全て無くなっていたこと
これをコテージ管理人の霧声昼子が伝えていた。
 さらに魚はまるで獣が食い荒らしたみたいになっていた。

 「つまりこれは海の魔女セイレーンの仕業だと…
そう言いたいわけね!犯人さんは!」
 女流作家の右竜あかねはこう言い、
 七瀬美雪は
 「まさか本当に海の魔女セイレーンが食べたとか」
 剣持警部は
 「一体どこの誰が食料を全部持ち去ったり食い荒らしたようにしたんだ?」

と思っていたが、はじめはこう見ていた。

 「問題はそこじゃないぜ。
 問題は『誰が』持ち去ったかじゃなく
『なぜ』持ち去ったかだ…!」

 また、製薬会社の医薬情報担当者・伊豆丸険が魚を釣ることを名乗り出たが
霧声の話によると「嵐のせいなのか、エンジンがかからないので船は出せない」とのこと。
 それゆえ医療機器メーカーの鰐瀬たかしを連れて手漕ぎのボートで釣りに出かけたが
『ボウズ』だった…つまり全く釣れなかった。

 …それを聞いたは寒野にいいところを見せようとしたのかあるいは釣りの腕を見せようとしたのか、
伊豆丸と鰐瀬が釣れなかったという釣りポイントを教えてもらい、剣持警部とはじめと一緒に行くことに。

 そして大物が釣れそうなところで、なぜか潮は釣竿ごと海に突然引きずり込まれ、浮き上がってこなかった。
この光景を目の当たりにしたはじめは「セイレーンのしわざか」と思った…。



 ―― 潮がどのポイントで釣りをしても、
彼だけが海に引き寄せられ溺死するようになっていたのだろうか…?
潮だけを確実に殺す仕掛けが、特注の釣竿に仕掛けられていたのだろうか…? ――

 ちなみに作中では釣りポイントはA~Fの6つあり、潮が選んだ釣りポイントはC
 特に、釣りポイントについて鰐瀬は潮にこんな事を言っていたなあ。

 「AとBポイントは回ってダメでしたからあとはCとDかな?」

 「EとFポイントはちょっと潮の流れの関係上ボートで行くの無理っぽいですから」

 この鰐瀬の発言から潮はCポイントを選び、真犯人が仕掛けた何らかのトラップで海に引きずり込まれ溺死されられたとみえるなあ。
 真犯人は、コテージという現場とは離れた場所にいながら…

 そして、はじめが言っていた「食料を『なぜ』持ち去ったか」は、
ターゲットの潮に釣りをさせるため
 また船のエンジンがかからなくなっていたのも同様の理由なのでは…?
 
 
 ・・・自分が思うに潮が海に引きずり込まれた現場・ポイントCには
磁石のようなトラップがあったのでは…?
 でもそれだと剣持警部も釣り中に海に引きずり込まれる可能性もあるなるだろうから、
 潮の特注の釣竿(※特にウキ)と強力な力でくっつく磁場みたいなものがあったのでは?

 犯人はもしかすると実は釣具メーカー関係者でもあり、
また聖恋島の地理を徹底的に調べ上げていそう
だなあ。

 
 ・・・潮が釣りに出かける前の出来事から考えると、
鰐瀬が犯人の可能性が高くなったなあ。
 
 確か、食料と船のエンジンにトラブルが起きたことを霧声が伝えたときに
鰐瀬は伊豆丸にこんなことを話していた
なあ。

 「大会じゃないんだから
近くでもなんか釣れるんじゃないすか?」

 この発言がなければ、伊豆丸は鰐瀬を釣りに誘うことはなかったし、
さらには戻ってきて釣れなかった(ボウズだった)光景を見て潮が
「影尾先生より釣りの腕は上ですよ(寒野先生にカッコイイとこ見せますよ)」
とばかりに海に釣りに出かけることはなかったのでは。

 …つまり、
 鰐瀬伊豆丸が自分を釣りに誘うことも、自分が伊豆丸とともにボウズで帰ってくる光景を見て
潮が「僕なら釣れる」と思い釣りに出かけようとすることも、読めていたのではなかろうか。
 そして鰐瀬
 「しけてるって言ってもこの入り江の中は波もさほどでもないし
むしろ荒れた外海から魚が逃げ込んできそうなんですけどねー」
という発言
 これは、ターゲットの潮や剣持警部が挑んでも結局は『ボウズ』だということを隠す発言なのでは…?

 
 ・・・次回以降、潮殺し・影尾教授殺しの手がかりがどんな形で見つかるか気になるなあ。

(※ソース
週刊少年マガジン2017年第1号~第6合併号
『金田一少年の事件簿 聖恋島殺人事件』

CASEFILE of Kindaichi Hajime: 聖恋島殺人事件 #4
講談社(2017)(第4話)p325~p344))

 現在週刊少年マガジンで連載中の『金田一少年の事件簿R(リターンズ)』
新事件『聖恋島殺人事件』が展開されている。
 これは、剣持警部が参加する磯釣り大会「セイレーンフィッシングマスターズ」の決勝戦の舞台となる聖恋島で殺人事件が起きるという話。
金田一一七瀬美雪は釣りは完全に素人だが、剣持警部とともに(数合わせで?)参加した。

 第2話では、決勝戦当日の午前4時ごろ水上コテージから船着き場に向かうドアを開けようと思ったら向こうから鍵がかかっていたので遠回りして集合場所の船着き場に向かったところ、そちらも鍵がかかっておりそこから中の様子を覗いたらモリで背中を突かれてうつ伏せで倒れているフードの人物を金田一一が見つけるという「第一の殺人」が起きていた。

 ただ、「大会参加者やスタッフの誰かがまだ来てない」という話が出ていないので、誰が犠牲になったかは今のところ不明。
 ちなみに聖恋島の唯一の住人で参加者の世話役である御年87の老婆・霧声昼子は鍵をかけた覚えがないという。

 
【犯人の動機は、イベントや小説に対する恨みではない!?】

 ここで『聖恋島殺人事件』第2話での関係者の動きを以下にまとめる。
 
 <霧声昼子>

 聖恋島がもともと「セイレーン・アイランド」と呼ばれていたことをはじめたちに教えた。
 霧声の話によれば、聖恋島は名前がなかったが終戦直後アメリカに占領されて使われたときに聖恋島で時々聞こえてくる人の声や泣き声のような音にちなんで「セイレーン・アイランド」と呼ぶようになったという。
 また、水上コテージは島の返還後にリゾート開発で業者が造ったものらしい。
 そして霧声はそれ以前から聖恋島で暮らしていたという。
 遺体発見前にドアに内側から鍵がかけられているのを確認しているので勿論犠牲者ではない。

 <鬼島高彦><凪田空也><海星終吾>

 イベント運営サイドの3人。
鬼島と凪田はこれから海が荒れ大漁になりそうなのでいい写真が取れそうだ(撮れ高バッチリ)と思っていた。
撮影の海星は静かにコクリと頷いていた…。

 この3人は遺体発見直前にはじめや霧声たちとともにいた。
この時海星は「撮影用の照明が見当たらない」ということを凪田に伝えていた。
凪田は霧声に船にライトがあるかどうかを聞いていた。
 一方鬼島は「集合が早すぎても遅すぎても失格」と大会のことを話していた。



 <右竜あかね><奥ノ木武蔵>

 右竜については、決勝前日の影尾風彦教授との会話から聖恋島について詳しいだけではなく釣りも詳しいことが判明した。
その会話は以下の通り。

 影尾「湖のようだが入江なんだろ?」
 右竜「両側から張り出す岬が堤防になっていてとても船を出せないようなひどい時化でも
この入江の中だけはなんとか船を出せるのよね。
 そしてそういう時は魚が逃げ込んできて大変な爆釣になる…」

 ・・・一方奥ノ木は決勝戦の参加者を雨竜の小説のために撮影していた。
海星の撮影とは別の目的で。
 また右竜に「今回のメンツは面白い感じ」と伝えていた。
 そして集合時間の4時の時も右竜とともにいて撮影しようと思ったが
「暗すぎて撮影ができない」と残念がっていた。

 ―― この時点で、今のところイベント運営サイドと小説関係者は第一の殺人が起きたときは無事であることが確定。 ――


【美雪に恋のライバル出現?】

 第一の犠牲者発見直前にその姿を確認できていないことを考えると
以下に挙げる5人の決勝戦参加者にして医療関係者である人たちが今回の事件のターゲットと思われ、
第一の犠牲者もその中の誰かと思われる。

 そこで前日の5人をまとめる。

 <影尾風彦>

 事件前日、右竜と会話していたのは前述のとおり。
 
 第2話では何と美雪が医学部志望と思っていて「うちの大学に見学に来ないか」と言っていた。
 それを
 「よせよあんた!美雪は医者になりたいなんて一言も言ってねぇぞ!」と止めたのははじめ
 「俺は美雪の……幼なじみだ…!!」と言っていた…。

 <伊豆丸険><寒野美火><鰐瀬たかし>

 鬼島に集合時間と集合場所を確認していた、製薬会社に務める伊豆丸。
彼は、影尾教授に「決勝当日は起こしてほしい」と頼まれていた。
 また女医の寒野美火にも頼まれていたが、寒野医療機器メーカーに務める鰐瀬が起こすことになった。


 <潮小次郎>

 第2話では美雪に絡んでいたイケメン勤務医。
美雪を大人っぽいから高校生に見えなかったと思っていた。

 「何かあるならマネージャーの俺を通して下さいね~」と割って入っていた…。

( ゚д゚)ポカーン

 ちなみにはじめは潮に「チョンマゲ君」と言われていた。
そして美雪には「同級生で『幼なじみ』」と言われていた。

 はじめは潮の
「仲良くなっても問題ないんだね♪」という言葉を
真っ向から否定できない自らのだらしなさを嘆いていた…
それゆえ影尾教授が美雪に絡んできたときに躍起になっていたのだ…。

 はじめちゃん…(´・ω・`)ショボーン


 ―― 第一の殺人について、老婆・霧声昼子が一番怪しいなあ…。 ――

 霧声についてはじめと美雪と剣持警部は

 はじめ「『墓標』ってなんのことだろ?
(※霧声が聖恋島を『墓標の島』と言っていたことを受けて)
 占領軍が墓地として使ってたからなんだろうけど、
なんだかそれだけでもないような言い方だったなあ…」
 
 美雪「あのおばあさん結構歳だと思うんだけど、
すごくシャキッとしてて言葉づかいも丁寧よね?」
 
 剣持警部「訳アリなんだろうな、こんなところに一人で住んでるってのは」
…と言っていたが、
 第一の殺人の遺体が発見される直前にカギの番をしていただけではなくはじめたちを遠回りさせていたことから、自分は霧声が怪しいと感じるなあ。
 そして第一の殺人とは関係ないけれども第二、あるいはそれ以降の殺人に関わるであろう部屋割りを決めていた点からも…。

 …今回の事件の犯人はどんな手を使って第二の事件を起こすかは不明だが、
 霧声は実は87歳の老婆ではない…、なんてこともありそうだなあ…。

 第一の犠牲者が誰だったか、そして犯人の次の一手は何かなど、次回が気になるなあ…。
 今週の週刊少年マガジンは合併号だから、それらがわかるのは再来週か…(´・ω・`)

【追記】

 ドラマ『金田一少年の事件簿N(neo)』で高遠遙一役をやっていた成宮寛貴さんが
最近、芸能界を引退してしまった…。
 突然過ぎる…(´;ω;`)ブワッ 

(※ソース
週刊少年マガジン2017年第1号~第2・3合併号
『金田一少年の事件簿 聖恋島殺人事件』

CASEFILE of Kindaichi Hajime: 聖恋島殺人事件 #2
講談社(2016) (第2話)p123~p142)

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