にぎる。

『にぎる。』にようこそ! このブログは私が見たアニメやマンガの感想を自由気ままに書いています。

タグ:枯山水

 ―― 乃木坂46のキャプテン・桜井玲香、卒業か…。

 でも『金田一少年の事件簿』の「玲香」といえば、アイドルの速水玲香。
『金田一37歳の事件簿』ではどうなっているか気になるなあ。 ――

 それはさておき、現在『イブニング』で連載中の『金田一37歳の事件簿』
『京都美人華道家殺人事件』解答編に入った。

 この事件では京極桜子京極薫子京極雁流の3人が殺された。
 ちなみに桜子は双子の妹、薫子は双子の姉で、特に薫子は首を切断され殺された。
 そして前回、真犯人真夜中に警察が調べた後の枯山水に薫子の首を埋めようとしたところを金田一一に見つかった。

 「真犯人は『警察が一度掘り返した枯山水を調べることはない』と踏んで
枯山水に首を埋めようとする
のでは…?」

 …謎がすべて解けてしまったはじめは、その動きを読んでいたのだ…!


 【桜子殺しの真犯人】

 真犯人
「庭があまりにも荒れて見ていられなかったのでちょっと見栄え良くしようと思った」
苦しい言い訳をした。

 はじめは真犯人がそういう言い訳をするのは無理もないと思っていた。
 なぜなら、真犯人自身もこの事件の全容を理解しているわけではないから。

 
 実は、桜子を殺したのは、姉の薫子だったのだ…!

 
 ・・・はじめは、薫子が桜子との最後の会話をでっち上げた時点で、桜子殺しの犯人が薫子だと疑っていた。

 また事件の発端はネット上に流されたリベンジポルノ
 今となってはリベンジポルノが流された理由は藪の中だが、
「薫子はおしとやかな華道家の顔の裏に、淫らな夜の顔を持っていた」とはじめはみていた。

 そして、薫子についてあくまではじめの想像に過ぎない
当時薫子には常にものすごい重圧がかかっていたとみていた。

 「華道の"か"の字も分からない雁流先生を家元として立てつつ
赤池流をほとんど一人で背負っていたのでは。
 "淫らな行為"もその反動かもしれない」

と…。

 …またはじめはこう見ていた。
 
 「資産家の息子との縁談が舞い込んだとき、薫赤池流は弟子が減った上雁流のムダ使いで相当カツカツの台所事情になっていたので薫子としては赤池流のためになんとしてもこの縁談をまとめたいと思ったはず。
 これをきっかけに乱れた関係をすべて捨て去り、出直そうと考えたのでは。」

 「もしかしたら何人いたのかもしれない肉体関係の相手に別れ話を切り出したところ例のリベンジポルノをネットに流されてしまい、その犯人から事実を伝えられたのでは。」

 【悪魔のささやき】

 はじめは、「リベンジポルノを流した犯人」から話を聞いた薫子に、悪魔のささやきが聞こえたとみていた。

 「(これが縁談相手の目に触れれば確実に破綻。それどころか赤池流も華道家としてのあたしの人生ももうなにもかもお終いや…)」
と思う薫子に、

 「ちょいと待ちいや!

 まだ諦めるのは早いわ。
 あんたには同じカオしたあの無責任な妹がおるやろ。あいつに全部擦り付けたりゃええ!

 おお…!可哀想な薫子…
 そもそもあんたの"苦しみ"の原因はすべてあの子から来てるんやないか!!

 幼い頃からお華の才能あるゆうていつもおいしい所全部あの子が持っていきよった!
 お父はんも赤池流の跡取りは桜子やとずっと言いはってコトある毎に差別され続けたんやろ!?
 しかも最後は苦労の多い赤池流を嫌って全部あんたに押し付けたんよ!!」

 薫子を桜子殺害に駆り立てたのは、真犯人ではなく、薫子の心の中にある悪魔の囁きだったのだ…。

 そして悪魔はさらに囁いた。

 「死ねばいいの! 桜子が…!!
 あの子はいつもあんたの不幸の元凶…
 あんな女…殺されて当然なんや!!

 そして薫子は思った

 「そうや…桜子を殺す…
 赤池流のためにも…」


 ―― 桜子を殺したのは真犯人ではなく、
しかも真犯人が薫子を操っていたわけではないのか。
 でもリベンジポルノを流したのは…真犯人かな? ――


 【夜に輝く、見えない飛石】

  桜子を自殺に見せかけて殺す決意をした薫子は、「見えない飛石」を使って犯行を行っていた。
 その飛石は昼は全く見えないが、夜になると自然に浮かび上がってくるという。
 それは、枯山水の壁から差してくる光が地面に当たったもの。
 殺害現場となった枯山水は夜になるとまるで飛び石のように光が射すところがあり、桜子の遺体があった島までたどり着くことができたのだ。

 光が射すところの地面は特殊な接着剤で砂をブロック状に固めていた

 はじめがそれに気がついたのは町屋バー「みわ」にあった坪庭。
 はじめの部下・葉山まりんが砂の手入れについてバーの女将に聞いたところ、
 「砂は固めてあるので手入れしなくてよい」と話していたことをまりんに聞き、また、「みわ」をあとにしたまりんの歩きかたから、トリックに気づいたようだ。
 ちなみに「みわ」の場合スプレー状の接着剤を使っていた。

 「京極家の枯山水は文化財級の庭で、たとえ警察の捜査と言えど庭をすべてひっくり返すようなマネはできない…
そんな京都らしい気遣いが、"見えない飛石"の存在を隠してしまった」
 と、はじめはみていた。



 【桜子と一緒に旅行に行っていた犯人!】

 薫子は、桜子を殺した後、家族会議で真っ先に庭の手入れを自らかって出ていたが、
 「それは庭に残された飛石のトリックをこっそり始末するつもりだった」とはじめは見ていた。
 だが、それはできなかった。
 
 …薫子は、真犯人によって殺されたから。

 その真犯人は…

 京極雁流の弟子の一人・黒樹左京だった…!

 
 はじめは、
「左京は問題のリベンジポルノを見た時にすぐに桜子ではなく薫子だとすぐに気づいた」
とみていた。
 
 また番頭の六波羅護から勤務表を見せてもらった時、黒樹は桜子が北海道に出張中のときちょうど休暇をとって実家に帰っているという記録が残されていたが、黒樹の実家は京都の北端・丹後町で、一泊で十分な距離なのに三泊もしていることから
 
 「黒樹は実家ではなく、桜子と一緒に北海道旅行していたのでは」

と考えていたのだ…。


 ―― 桜子を殺したのは薫子なのはわかっていたが、飛石はもう一種類あったのか…!
 しかも、真犯人は直接薫子と手を組んだわけではないのか。

 そしてもしも見えない飛石を薫子に無事始末されていたら、
桜子殺しは完全犯罪になっていたかも

 さて次回は、雁流「サイコ」発言の謎解きかな。
 そして薫子の一時的な首の隠し場所の謎解き…。

 サイコについては「柴胡」「西湖」の二つがあるが、どちらも正解かな。
 雁流は前者の意味での発言、真犯人・黒樹にとっては後者の意味での解釈かな。
 これが、第3の殺人(黒樹にとっては第2の)殺人を生んだのかな…。

 『イブニング』で実施中の『推しマンガ応援キャンペーン』の最新版と合わせて気になるなあ。


 【ソース】
 イブニング 2019.07.23 NO.15
 『金田一37歳の事件簿』
 京都美人華道家殺人事件

 File36 見えない飛石
 講談社 (P333~P355)

 現在『イブニング』で連載中の『金田一37歳の事件簿』『京都美人華道家殺人事件』が連載中。
 金田一一と部下の葉山まりんは仕事で京都の京極家の世話になるが、「双子姉妹の妹」京極桜子、「双子姉妹の姉」京極薫子が相次いで殺され、家元の京極雁流も殺された。

 特に妹の桜子は枯山水で遺体が発見され、一方姉の薫子は首なし死体で発見され、首の行方はわからなかった。
 だが、はじめはひょんなことから「薫子の首はこれから枯山水に埋めるところだ」と気がつき、謎もすべて解いた。

 ・・・そして、はじめは真夜中に枯山水にて「黒い人」…
もとい真犯人とついに対峙することになった…!


 【京都最後の夜】

  京極家の家族が3人殺されたが、はじめはその謎が解けないままだった。
そしてはじめとまりんの上司である音羽ブラックPR社の内神田課長から、明日アサイチで戻るよう命令があった。

 迫るタイムリミット。

 はじめは、仕事だから戻らなければと思う一方で

 「このままじゃ帰れない、今の自分に出来ることをしなきゃ…」と思っていた…。

 
 ・・・枯山水のところを通ると、山科六郎刑事らが庭の捜索をしていた。
 その様子を見たはじめは
 「何か重要なこといくつか見逃してるような…」と思った。

 一方まりんは、

 「あたしたち明日朝イチで帰んなきゃいけないわけじゃないですか!
 ここで警察の作業見てもどーにもならないし…ここはもう場所変えたほうがいいんじゃないのかなー、と。」

 「じ・つ・は!!見つけちゃったんですよー!
 この地殻にすっごくいい感じのザ・京都なお店!!」

 と言った。

 …まりんは京都最後の夜なので、そのお店ではじめと一緒に一杯やりながら謎を解くことを提案したのだった…。

 「君はねー……ちょうしいいっつーか、なんつーか…(汗)」
と思う、はじめだった…。


 【逆さまの器と富士山】

 まりんが提案したのは、"町屋"と呼ばれる古民家風のつくりをした居酒屋「みわ」。
 ちなみにのれんに3つの輪が描かれている。

 ―― あと2つあれば五輪のマークだ…( ゚д゚)
がんばれニッポン! ――

 …それはさておき、はじめは女将に日本酒のおすすめを聞き、『京姫』を勧められた。
 はじめはあるを取り出しその熱燗を飲むことにしたが、女将に器が逆さまであることを言われた。

 はじめが手にとった器は、一見すると器が大きいほうを上にすると酒がたくさん入るように見えるが、実はそれだと酒は少ししか入らなかったのだ。
 逆に器の小さい方を上にすると、杯が深く手にもしっくりする。

 「おもしろいですね!その器。
 本当はどっちが上か作った人にしかわからないものかも。」

 このまりんの発言を聞いたはじめは、
雁流が咳払いをし「サイコやないか?」と言っていたのを思い出した。

 そしてスマホで地図を開いて、富士山を調べた。

 「そうか、そういう意味だったのか!
 ってことは、まだ『あそこ』には…」
 
 と思った…。

 ―― /^o^\フッジッサーン

 サイコの花が入っていたであろう花瓶らしきもの(※壷かな?)に描かれていた富士山。
 なぜか逆さま…( ゚д゚)
 なぜ逆になっていたのだろうか…?

 …まさか、その下には薫子さんの「アレ」が…((((;゚Д゚))))  

 だから、雁流を真犯人は殺す必要があったのだろうなあ…。
 注目すべきは花でも「サイコ」発言でもなく、花瓶の富士山だったのかな。  ――

 【枯山水とまりんステップ】

 ところではじめまりんが呑みに行った居酒屋「みわ」には坪庭があった。
 小さいけれども枯山水にちゃんとなっていた。
 ガラス越しで砂の手入れはどうしてるのか気になったまりんはそれについて女将に聞くと
 「しなくても大丈夫」という答えを得た。
 そして女将からこの枯山水の秘密を聞き、まりんはそれは便利だと思っていた

 この会話を聞いたはじめは、桜子の殺害現場となった枯山水もそれと同じ仕組みなのではと考えたようだった。

 「待てよ…だとしたらあれも…?
 いや…でも仮にそうだとしても…」

 はじめはすぐ桜子殺害現場の屋敷の枯山水に戻ろうとしたが、呑み始めたばかりのまりんはまだ居たかった。
 
 「みわ」をあとにしたはじめまりんだったが、

 「せっかく京都に来たのに…。もっと主任と呑みたかったんだもん!」
と、フラフラとステップを踏むまりんを見て、はじめは現場の枯山水を思い出した

 そしてまりん

 「ようやった!葉山くん!
これで桜子さん殺害の謎が解けるかもしれない!」
と言った。

 だが、顔が近すぎてまりんは顔を真っ赤にしていた…( ゚д゚)

 そして手をつないで京極家に戻ってきた…。


 【謎はすべて解けた!】

 はじめは番頭の六波羅護から警察が庭の捜索を終えて帰ったことを聞いた。
 薫子の首はまだ見つかっていないことも聞いた。
 そして、数日中に再度屋敷内を徹底的に捜索するということも聞いた。

 「(なるほど…やっぱり…)」と思ったはじめは関係者たちの勤務表のようなものを六波羅に見せてもらった。
 …例のリベンジポルノで取り沙汰された日時のものを。

 枯山水のところに向かうと、踏み荒らしたところを掘り返した跡がすっかり埋め戻され、流水紋はついていないが上にきれいに砂がまかれていた。

 その庭を何の躊躇いもなく歩くはじめ
 そしてまりんはあることにハッと気がついた
 
 …振り返ったはじめはまりんに言った。

 「謎がすべて…解けちまったよ!」

 
 【京極薫子の首、落とされていた!?】

 真夜中。

 黒い人状態の真犯人は、枯山水の土をスコップで掘っていたところをはじめに懐中電灯で照らされた。

 「こんな夜中に枯山水でなにをしてるんですか?
 もしかして穴を掘ってるんですか?
 あなたが落とした"首"を埋める穴を。
 数日後に屋敷内は大々的に家宅捜索が行われます。そうなるとあなたがうまく隠した"首"も見つかってしまうだろう。
 だがこの枯山水は別だ。
 警察は一度徹底的に掘り返したこの枯山水はもう調べない…
 そう踏んだからこそあなたは今ここに首を埋めようとしている!
 違いますか、真犯人さん」

 はじめはついに、真犯人と対面することになった…!

 
 ―― 首は、埋められていなかったか…。 ――

 ただ、一連の事件の真犯人は、はじめに見つかってしまった人物が全て一人でやったことではないと思うなあ。
 最初の桜子殺しは、薫子がやったことなのでは。
 薫子と桜子は一卵性双生児と思われ、DNAが全く同じなら薫子が桜子を殺しても桜子を自殺として警察が処理してくれるだろうなあ。
 ちなみにこれは、『金田一少年の事件簿』の『異人館ホテル殺人事件』と似てるかな。

 また問題の犯人は薫子殺しの時に腕を噛まれたのでそれを今も隠しているだろうなあ。

 自分が特に怪しいと思っているのは、弟子の一人・黒樹左京
 
 彼は薫子が殺される前に、
 雁流の額にハエが飛んで来た時着物の下に何もつけていなかった
(※『イブニング』9号)
 薫子の遺体が発見された時警察に電話をかける時は着物の下に黒い長袖の服を着ており
(※『イブニング』10号)
 保管庫の温度をチェックする時は着物の下に白い長袖の服を着ていたなあ。
(※『イブニング』13号)

 これには、噛まれた右腕を隠す意図があるのは間違いないなあ。

 そして桜子殺しの枯山水には、足跡があったところには飛び石が薫子の足跡と同じように作られていそうだなあ。
 このトリックを成立させるには、リベンジポルノのときもそうだったけど真犯人が薫子と共犯関係である必要があると思うなあ。
 飛び石は、薫子が回収したのかな?

 とにかく、一連の事件の犯人は、はじめに見つかった人による単独犯なのか、
それとも桜子殺しについては薫子でその他ははじめに見つかった人による犯人によるものなのか、
次回が気になるなあ。

  【追記 (※令和元年7月5日更新)】

 今回の記事に寄せられたコメントから、今回は雁流が殺される前に口走った「サイコ」という言葉の謎を解く必要があるようだなあ。

 コメントから逆さ富士で有名な富士山「西湖」と、
薬草の「サイコ(柴胡)」2つの説があるなあ。
 …ちなみに「サイコパス」という説はなかったなあ。

 自分が思うに、雁流は後者の柴胡の意味で「サイコ」発言をしたけれども、
犯人にとっては、「西湖」と考えたんだろうなあ。
 「西湖」…すなわち逆さ富士が描かれた花瓶(壷?)に、探られたら非常に都合の悪いものが隠されていて、証拠隠滅のために雁流を殺す必要があったんだろうなあ。

 そういえば『イブニング』5号薫子が古典生け花を披露したときは、花瓶の富士山は正位置だったが、『イブニング』10号で例の雁流の「サイコ」発言が出てきたときの花瓶は、逆さ富士だったなあ。
そこに、犯人にとって非常に都合の悪いものが隠されてそう。

 …犯人にとって見つかったら都合が悪いのは、薫子の首だろうなあ。
 犯人が薫子を殺す時、腕を噛まれて反撃されたので
警察に薫子の首の歯を調べられたら、犯人が誰だかわかってしまう
 だから首を切断して花瓶に隠し、
夜中に土の中に隠そうとしたのをはじめに見つかったんだろうなあ。


 そして最後に、
京極姉妹三つ子説については…
 …おそらくないと思います

 けれども、桜子が殺された後で薫子が枯山水の庭の手入れを名乗り出たのは証拠隠滅の意図があると思われる…つまりは真犯人と共犯で、なおかつ犯行現場の枯山水には極めて重大な秘密がありそうだなあ。
 例えば、作られた枯山水はいわゆるレプリで、
足跡が残りにくくなっている場所があったりして
「手入れの必要がない」と『みわ』の女将が言っていたのは、それかな?

 でも、枯山水については未だ謎が残るので今のところは
 『教えて…!トゥインクル☆』状態、
 『教えて…トゥインクル☆ジェム』状態です。
 双子だけに…。

【追記2 お知らせ (※令和元年7月5日更新)】

 自分は『イブニング』の『推し漫画応援キャンペーン(2019年11号)』に当選したので、
自分が投稿したのが近々載ると思うので、伝えておきます。
『金田一37歳の事件簿』についてで、おそらく京極姉妹について書いたのが当選したと思います。


 【ソース】
 イブニング 2019.07.9 NO.14
 『金田一37歳の事件簿』
 京都美人華道家殺人事件
 File35 3つのヒント
 講談社 (P129~P150)

 現在『イブニング』で連載中の『金田一37歳の事件簿』
主人公・金田一一が部下の葉山まりんと挑む事件は、『京都美人華道家殺人事件』

 この事件は、音羽ブラックPR社の仕事ではじめはまりんと共に京都の華道の赤池流家元・京極家を訪れたが、双子姉妹の妹・京極桜子が喉を掻っ切った状態で枯山水にて倒れた状態で遺体となって見つかり、更には姉の京極薫子が生け花教室をした部屋で何と首なし死体で見つかった事件。

 特に薫子殺しの件では部屋が荒らされていて壁や掛け軸がズタズタに切り裂かれたあとがあった。
 ちなみにはじめ第一発見者として山科六郎警部補から疑われている…。

 ―― 双子美人姉妹が惨殺されてしまうとは…
生まれ変わったら魔法少女になって仲良くなってほしいなあ…
(※ちなみにGW中私は、とあるゲームの双子の魔法少女のストーリーにハマってました。(※関係ない) ――


 【首なし死体と赤池流の『イミシン』なしきたり】

 それはさておき、薫子が首を切断され殺されたのには第7話によると元ネタがあるらしかった。
 それは薫子と桜子の母・京極鶴羽山科警部補京極雁流薫子・桜子の関係について話した時のこと。
 
 鶴羽の話によると桜子は反発して事あるごとに雁流とぶつかっており
 薫子はストレスを溜め込んでいたのか、部屋に閉じこもって花の首を切っていた。
 ちなみに赤池流のしきたりの中には、「汚れた花の首を切る」というのがあるが、
羽が見ると花はどれも汚れているようには見えなかった。

 「庭に埋めてあげへんと。そこまでがしきたりやから。」
と言った子に鶴羽は我が子ながらぞくっとしたという。

 ・・・はじめ『赤池流のしきたり』について鶴羽に詳しく聞いた。

 本家筋に伝わる奥伝に書かれた十則のうちの一つ

 「傷んだ花はただ捨てるのではなく、
 しっかりと茎から花を切り離した上で捨てる。
 茎はそのまま捨てて構わないが、
 花だけは土に還してあげる。」

というもの。

 これを聞いた山科警部補「何やらイミシンなしきたりですな」と言い、
まりんもはじめに

 「これって絶対見立て殺人じゃないですか!?
 ほら、薫子さんの首を切り落として持ち去ったのはその赤池流の奥伝のしきたりにしたがったんだとしたら…!
そうやって何かになぞらえて殺すのって、ミステリーでは見立て殺人っていうんですよね!?」

と言った。

 はじめ
「(ちょ!?何言ってんの!?)」と思い、
「あのね葉山くん!!こーゆー場所でそーゆうことは…」
とまりんに言ったが、「私語は慎むように」とはじめとまりんは山科警部補に注意されてしまった…


【京極雁流の酒癖】

 山科警部補は番頭の六波羅護に薫子と桜子が殺される動機に心当たりがあるかどうかを聞いた。
 心当たりはなかったが、ここだけの話、雁流は個人的に大きな借金をしていたという。
 先代の京極青流の莫大な財産を引き継いだ薫子と桜子がいなくなればそれを好き勝手にできる立場だったのでそうしたのではないかと六波羅はみていた。
  また、姪といっても実は雁流と薫子と桜子には微妙に血の繋がりがないという。

  また、雁流の弟子・一乗寺錦によると雁流は酒癖が悪く桜子は雁流に酔って言い寄られたことがあり、それ以来犬猿の仲だという。
  そしてもう一人の弟子・黒樹左京
 「薫子と桜子は今は仲良さそうにしているが本当はそうでなかったと思う」
 と言い出した。

 青流先生は常々
「赤池流の後継ぎは妹の桜子はんや」
と言っており、そのことが二人に暗い影を落としていたのでは…、と黒樹はみていた。

 一方板前の辻森遥は、
「酔った雁流が厨房に入ってきて包丁を振り回した事があって、その時は本当に寿命が縮んだ」ということを山科警部補に話した。
 雁流はかなり衝動的な人格だったらしい。

 また仲居の波風千紘は山科警部補に
「寝ているときに酔った雁流に襲われたが鶴羽が来て助かった」ということを話した。

 関係者達の話を聞いた山科警部補雁流について、
「宗家はなかなか問題のある人だ」と評していた…。

 一方犯人は、
「(都合がいいように話が進んでいる…
 これなら…!)」
と思っていた…


【3人目の標的】

 ところで雁流は薫子が殺され遺体が発見されたときに山科警部補に
 「監視カメラの映像から外部からの侵入は確認されなかった、ということは薫子と桜子を殺した犯人はこの家の中にいる」
 「動機は、ここは古くから続く京都の旧家なので外の者にはわからん根深~い何かがあるのでは?」
と言われたのを不愉快に思い、ものすごい剣幕で怒り部屋に閉じこもってしまった。


 ・・・、はじめとまりん、そして山科警部補が現場を引き上げる頃、山科警部補が思うに枯山水は荒涼として不気味だった。
 犯人はますますそれが好都合だと思ったのか、行動を急いだ。

 部屋で一人ウイスキーを飲んでいた雁流の首を後ろから刃物で切ろうと、あるいは刎ねようとしていたのだ…!

 「…ったく、クソ面白くもない!
 どうせ揃ってコソコソと儂の悪口言うとったのやろ?
 違うか?」

 どうやらこれが、雁流の最期の言葉らしかった…

 
 ・・・一方はじめは桜子の遺体が枯山水で見つかる前日は外で宿を取れなかったが、薫子が遺体で見つかった日は、まりんが宿を取ることができた。
 はじめは現場から引き上げる前に山科警部補に薫子の首がまだ見つかっていないことを確認した。
 もし見つかったのなら、いの一番に母の鶴羽が呼ばれるはずだが、そういう気配がなかったから。
 
 そしてはじめは言った。

 「もしさっきうちの葉山が言った通り、これが赤池流奥伝のしきたりに見立てた殺人なら、首を花に見立てて庭に埋めた可能性もあるんじゃないですか?」

 …監視カメラには首を持って外に出た人物の姿は映っていないが
中庭…枯山水…もっと言えば今の踏み荒らされたところなら案外わからないかもしれない
 
 はじめは山科警部補にこのことを伝え、彼に明日枯山水を調べてみるようにさせた。

 ちなみにはじめは山科警部補に
「事件慣れしてるようだけど探偵でもしてたの?」と聞かれた時、

「え?いやまさか探偵なんてとんでもない?
もう謎は解きたくないんですから!」

と言っていた…。

 
 ―― まりんが言う通り赤池流奥伝に見立てた殺人なら、最初の犠牲者・桜子もそうすべきだったのでは…。
犯人がそうしなかったのは、もともと計画になかったからでは。 ――

 私は、桜子殺しの犯人は一連の事件の真犯人ではなく、薫子だったと睨んでいる。
薫子が殺人をすればDNAの関係から警察が後で調べても自殺と処理されるのでは。
もし今回の事件が真犯人一人だけだったら、桜子も首なし死体で発見されるはずだから。

 だが犯人は赤池流奥伝の存在を知らず
「憎き赤池流の人々は赤池流奥伝に見立てて殺しをすべきだった」ということを桜子殺しの後で気づいたのでは。

 そして薫子を手にかけた後で、雁流を手にかけていくのでは。

 …今のところ真犯人は誰かわからないが、次回からは雁流の首探しも進めていくことになるのだろうか。
 むしろ、雁流の首のほうが薫子のよりも先に見つかりそうな予感がするなあ。


 【ソース】
 イブニング 2019.05.14 NO.10
 『金田一37歳の事件簿』
 京都美人華道家殺人事件
 File32 京極家の内情
 講談社 (P371~P392)

 現在『イブニング』で連載中の金田一37歳の事件簿』
主人公・金田一一が部下の葉山まりんと挑む事件は、『京都美人華道家殺人事件』
 音羽ブラックPR社の仕事ではじめはまりんと共に京都の華道の赤池流家元・京極家を訪れたが、
双子姉妹の妹・京極桜子喉を掻っ切った状態で枯山水にて倒れた状態で遺体となって見つかった…という事件。

 足跡は桜子のものとみられるものが一つだけしかなく、リベンジポルノ流出を恥じての自殺とみられたが、はじめは「もう謎は解きたくない」と思いながらも桜子は自殺ではないと思う名探偵の血が騒いでいるのをまりんに勘付かれていた…。


 【枯山水の後始末】

 さて、第5話では桜子の遺体が運び出される時、桜子の母・京極鶴羽が書類にサインしていた。
 また京極雁流の弟子・黒樹左京が、昨晩の家の外回りにある監視カメラの映像が入ったUSBメモリーを刑事・山科六郎に渡していた。
 ちなみにこの映像は出入り口のみならず窓に至るまで家のぐるり全体を網羅しており、外部から不審者が出入りすればすべてわかるようにしてあるとのこと。
 掛け軸や茶器やら貴重な美術品が多いから。

 山科刑事が引き上げた後、雁流は左京に家の者を全員広間に集めるように言った。
 そしてもうひとりの弟子・一乗寺錦に口止めの必要があるので東京の客人も念の為集めるよう言った。

 皆を集めた雁流は、
 「警察の調べを待たんでも桜子が自殺なことは間違いあらへん」
 「理由は自業自得でばらまかれたリベンジポルノやろうがこれについては一切口外しないよう」
 と言った。

  はじめとまりんには
 「ここで見たり聞いたりしたことは決して外部には漏らさへんように」

 板前の辻森遥と仲働きの波風千紘にはリベンジポルノについて
 「あんな調子で触れ回るようなマネをしたらクビではすまへんぞ、京都で働けのうしたる!
 波風、お前もや!」

 と言っていた。

 六波羅護には桜子の密葬の手配をするように、
 そして黒樹と一乗寺には枯山水の手入れをするように言ったが、
 桜子の姉・薫子

 「あの庭の手入れは私に任せてもらえまへんやろか?
 あの子も私もお互い生きる道は違っても
 あの枯山水が大好きでそれは同じでした。
 だからあそこで命を経ったんだと…
 子供の頃あの枯山水を二人で整えてた思い出と一緒に弔いの気持ちを込めて私が手入れしたいんです…」

 と言っていたので、雁流が薫子の枯山水の手入れを許可した。

 
 【不幸中の幸い】

 ところで雁流はこう話していた。

 「まあ不幸中の幸いは桜子が赤池流と縁を切っていたことやな!
 妹の桜子の不始末は隠してもいずれ伝わるやろうが、
 それ自体は薫子にはなんの責任もあらへん。
 薫子にきとる縁談の相手は鷹揚なお方やからまずまず許していただけるやろ」

 けれども薫子は、縁談相手にすでに伝えてあるという。
 赤池流とは関係ないにしても、薫子の口からお詫びしておこうと思ったから。
 「それでまさか自殺するなんて…」と薫子は言っていた…。

 
 ここではじめ
 「差し出がましいようですが、薫子さんひとつだけ…よろしいですか?」と言い、こう聞いた。

 「今仰られたこと…桜子さんに話されたんですか?」

 
 ・・・薫子はリベンジポルノの流失の件を正直に桜子に話すと、桜子は自分のが消失していることには気づいていたようだった。
 縁談相手はなんとかわかってくれた事、そして流出した画像は消せないものなのかを聞いたところ

 「無理やろね、そのうち目線のないのも出てくるやろし、もうウチの人生終了や」
と桜子は言い
「バイバイ お姉ちゃん」と寂しそうな顔で家を出ていったという。

 ちなみに、「それは何日前のお話なのか」をはじめが薫子に聞いたところ、3日前のことだったという。


 【雁流とハエ】

 はじめのと薫子の会話を聞いていた雁流はこう言った。

 「なんや音羽ブラックPRはん、まるで刑事みたいな物言いやな…!」

 「あんた…赤池流を甘く見ないことやな…!
 うちは京都政財界にも顔が利くんだってこと…!」

 このとき、ハエがビタッと雁流の顔についた。
 はじめとまりんは思わず吹き出しそうになり笑いをこらえていた…

 ( ゚д゚)ポカーン

 
 結局黒樹の手でハエたたきでハエは殺された…。


 【実は冷え切っていた姉妹関係】

 結局その日は朝御飯抜きになってしまった。
 そして警察からはじめが第一発見者ゆえに京極家に留まるように言われた。

 そんなはじめは、波風から薫子の話について聞かれた。

 桜子が家を出ていったのは3日前と薫子は言っていたが、いつそんな話をしていたのか波風は疑問に思っていた。
 3日前は桜子はフラワーアレンジメントの仕事でずっと家におらず、薫子は逆にずっと家にいた記憶があったのだ。

 はじめはこれにくだんの問題の話について、薫子が「出かける前」と記憶していた。

 薫子は鶴羽に
「『バイバイ お姉ちゃん』と言って寂しそうな顔であの子…
 桜子が出かける前にどうしてひきとめてもっと話聞いてあげなかったの!?」
と言っていたのを薫子の話から知ったから。

 そして波風は薫子と桜子についてこうも言っていた。

 「ウチは先代の青流先生の時代からずっと働いてましたからわかるんやけど、
 あのご姉妹、そんな仲いい方ではなかったんですよ?
 むしろ冷え切ってるっていうか…」

 これを聞いたはじめとまりんは意外だと思った…。

 波風は薫子と桜子についてこう続けた。

 「京極家の双子の美人姉妹といやあこの辺りでは有名人でしてな、
幼い頃からお祭りやらイベントやらひっぱりだこできれいな着物着て二人並ぶとお人形さんみたいとみな口を揃えてほめてましたわ」
 
 「でも当の本人たちは反りが合わないっていうか…
物心つく頃にはすでにお互い無関心で
お客様の手前あたりさわりない会話はしますけど
あの姉妹が二人きりで親密な話なんてうちからするとちょーっと考えにくいんですわー」

 
 これを聞いたまりん
 「金田一さんひょっとしてあれ作り話なんじゃ!」と言ったが、はじめ
 「クライアント様をそう言っちゃダメ!」と注意されてしまった…

 (´・ω・`)ショボーン

 「・・・でも、なんでそんな"作り話"せなあかんのやろな…」
と、波風は言っていた…。



 【第二の殺人・華道家も犠牲に…】

 薫子の話は作り話なのか…?

 この頃薫子は、物置で何者かに呼び出されて襲われた。
 近くにあった刃物で反撃しようとしたが、もみ合いになった結果、後ろから紐で首を絞められて絞殺された
 
 そしてその遺体は、犯人によってどこかに運ばれた…


 ―― 作り話をした理由…
それは、リベンジポルノに薫子自身が加担していたからでは。 ――

 薫子を犯人が始末したのは桜子と薫子だけではなく京極家に復讐するためでは。
 すると雁流も狙われる流れになりそう。

 今回の事件のキーワードはまりんと波風が話した「作り話」。
 リベンジポルノもまた、薫子が桜子に見せかけた「作り話」だと思うなあ。

 特に薫子殺しは、薫子と親密な関係にある関係者が犯人だと思うなあ。
 そして最初の事件の被害者である桜子を殺害したのは、実は薫子、ってこともあるかもしれないなあ。
 
 もし薫子が桜子殺しに関わっているとしたら遺伝子も同じだから、殺人でも自殺に見せかけることができるのでは
 特にこれは『金田一少年の事件簿』の『異人館ホテル殺人事件』にあった双子のトリックとよく似ているのでは。
 『異人館ホテル』では双子の一人である真犯人が無実の双子に罪を着せるものだったが、
今回の事件の場合は真犯人と共犯関係にある薫子が双子の桜子を普通に殺害し、
一卵性の双子ゆえ違和感もなく自殺に見せかける事ができた、というものでは。

 今のところ、桜子と薫子を殺害した今回の事件の真犯人を特定する決定的な証拠は出てきてないなあ。
 ただ、双子が事件に関わる『異人館ホテル殺人事件』について、はじめは今回の事件のどこかのシーンで思い出すかもしれないなあ。
それを思い出すに至る人物が偶然にも登場しないかなあ…。
 
 かつてのこの事件の関係者の親族が偶然登場…、というような展開ないかなあ。

 それにしても、今回薫子が殺されたことで、
『京都美人華道家殺人事件』というサブタイトルが回収されてしまったなあ…。


 【ソース】
 イブニング 2019.04.23 NO.09
 『金田一37歳の事件簿』
 京都美人華道家殺人事件
 File30 第二の事件
 講談社 (P137~P158)

 ―― 殺された京極桜子のリベンジなんちゃらの画像、
実は姉の京極薫子の画像なのでは…? ――

 現在『イブニング』で連載中の『金田一37歳の事件簿』
『京都美人華道家殺人事件』が連載中であり、
前回第3話では、京極姉妹の妹でフラワーアーティストの京極桜子が喉を掻っ切られた状態で右手に刃物を持ち枯山水の庭の真ん中で倒れた状態で遺体となって見つかった。
 なお遺体の第一発見者は金田一一で、枯山水が見える風呂から入浴中窓を覗いたら桜子が倒れているのを見つけた。
 ちなみにはじめが風呂に入ったのは、午前3時40分に目を覚ました後

 …足跡は桜子のものしか残っておらず流れ文様は簡単に修正できるものでもない。
 薫子は自殺したのか…とはじめは最初に思ったが、現場の状況から違和感しか感じなかったので

 「でも自殺じゃなかったらこれは……
 足跡なき殺人…!」

 と思った。

 …第4話は、その続きである…。


 【桜子の死に、動揺する関係者たち…】

 はじめは桜子の遺体を発見後、「誰か起きてませんか~!」と呼びかけた。

 …最初にやってきたのは、京極雁流の弟子・一乗寺錦
 はじめに連れられ、遺体の状況を説明された。そして警察に連絡し、関係者たちを起こすように頼まれた。

 …桜子の遺体を見た薫子

 「信じられない…!だって昼間はあんなに明るく振るまってたのに…
桜子…!」と言っていた。
 雁流のもうひとりの弟子・黒樹左京
 「薫子さん…!お気を確かに」と言っていた。

 はじめの部下・葉山まりん
「これって…殺人じゃないですよね」と言い、はじめが「さあな」と答えたところに、
京都府警の山科六郎が現れた。

 山科刑事
 「昔の名探偵にそういう人がいましたな。下駄にハカマがトレードマークだったとか…」と、
はじめのジッチャン金田一耕助のことを話していた。
 また午前3時過ぎのはじめの入浴について

 「不自然にも午前3時過ぎに風呂に入ろうとしはって、
たまたま窓から庭を見て桜子さんの死体を発見したと。
そういうわけやな。」
と言っていた。
 そう言われたはじめ
 「(不自然じゃねーし!)」と思った…。

 さらに山科刑事は、はじめにこんな事を言っていた。

 「しかしやけに落ち着いてはるねあんた!
 フツーあんな血まみれ死体見たら気が動転して
 そない冷静に周り見れんもんやがな」

 これにはじめは、

 「なんつーか…昔とった杵柄っていうか…」と照れていた…。

 ( ゚д゚)ポカーン


 ・・・「まったく!なんてことしてくれたんや!!桜子のあほうめが!!
 さんざん遊び倒して最後にはこれ見よがしに枯山水で自殺やと…!?」

 こう言いながら現れたのは、京極雁流

 泣きながらやってきたのは桜子と薫子の母・京極鶴羽
 「そ、そんな…!!あの子は自殺なんて絶対にしません!!」
と言っていた。

 鶴羽に対して雁流
 「自殺やないなら何やって言うんや鶴羽はん。
見てみい!砂紋に残っている足跡は桜子のものだけや。自殺以外に考えられんやろが!
のう、刑事はん!」

 山科刑事
 「まあ常識的に考えればそないでっしゃろな」
と言っていた。

 また山科刑事は鑑識に他の足跡のチェックをさせたが、

 「周囲に歩き回った跡はまったくない」
 「足跡を消した形跡もない」
 「遺体周辺の砂は、被害者のものと思われる足跡以外全くの手付かず」

 とのこと。

 ちなみに枯山水の模様の担当は今回は黒樹で、庭を整えるのに慣れたものでも急いで5~6時間はかかるだろう、とのこと。
 一乗寺「一ヶ所でも荒らされると全体をやり直すことになる」と言っていた。
 さらに見たところ部分的に枯山水を直したような形跡もないとのこと。

 また枯山水を最後に見回ったのは六波羅護で、
戸締まり確認を午前0時にしたところ枯山水に何もなかったという。

 さらに鑑識によれば石の周囲の他の足跡も消した形跡はなかったという。


 【問題のリベンジポルノは合成か?】

 ところで屋敷の仲働きをしている波風千紘は、半月ほど前にたまたま見つけた桜子と見られるリベンジポルノの画像を山科刑事に見せた。
 一乗寺「桜子さんは自分の仕事はとてもうまくいっていたので自殺する動機はない」と言っていたが、雁流が
「あれやないのか?薫子!!」と言っていた。
 
 薫子は波風をチラッと見たので、波風は問題の画像を見せたのだ。

 一乗寺と黒樹はその画像を見るとぎょっとして

 「これは桜子さんですか!?」と聞いていた。
 雁流
 「あいつ以外おらんやろが!!…まったく!!
 薫子にワシがええ縁談持ってきた矢先にこんな恥知らずな画像ネットにばら撒かれおって!
 まあ金持ちなだけやなく心の広いお相手やから姉妹の不始末で破断にはならん思うがそれでもええ気持ちはせんやろうな」
と言っていた。

 すると一乗寺は言った。
 「しかしこれは…
 今どき合成ということもあるんやないですか?目線も入ってますし、桜子はんとよく似た女性ということも…」

 それを受けて黒樹が言った。

 「日付が分かりますね。
 後ろのテレビにニュースが写ってます。
 これは先月の三連休の様子や。」

 さらに雁流
 「そうや、この三連休桜子は北海道に出張いうとったがはたしてなんの出張やら…!」と言い、
六波羅
 「薫子はんがここで忙しくお花の稽古をされとった連休ですか…!
 そんなときになんてはしたない」と言うと、
 鶴羽
 「やめてください六波羅さん!! 亡くなったうちの子にもうそんなこと…!!」と言った。
 そして運ばれる桜子の遺体にすすり泣いた。

 「なんでや……桜子…
 そんなん気にせんでええのに…!
 うちは縁談なんかより妹のあんたのほうがずっとずっと大事やったのに…!
 桜子~!!」

 
 【はじめ、まりんに名探偵の孫の血を勘付かれる!】

 その様子を見たはじめは胸の鼓動を感じていた。

 「(なんだよ…! この感じ…!
 状況からすりゃこれは"自殺"だろ?
 だのに…どうしてだよ…!
 この胸の奥のザワつきは…!
 あ゛~!いい加減にしろ金田一一37歳!
 お前はもう謎は解きたくないんだろ!?)」

 まりんははじめの様子を見てこう言った。

 「金田一主任…?
 納得してないんでしょ?
 桜子さんの"自殺"ですよ!
 絶対納得してない!そんな顔してる!」

 「本当は騒いでるんじゃないですか?
 名探偵の孫の血が!!!」

 「これが自殺じゃなかったらミステリーでいう
 "足跡なき不可能殺人"ってやつですよ!?
 こんな大きな謎を目の前にして主任は…」

 けれどもはじめ

 「もうやめてくれ!俺はもう謎は解きたくないんだ!」と言っていた…。

 まりん
 「(…主任…ひょっとして昔事件がらみでよっぽど辛いことあったのかな?)」

 と思っていた…

  ―― (;8;)<ハジメチャン…
 果たして「金田一一さんじゅうななさい☆」(※違う)にどんな過去があったのか…? ――

 
 ・・・一方、桜子を殺した犯人も動き出そうとしていた。

 「(これで終わりじゃない…
 終わらせるわけにはいかない……!)」
と…


 ―― 問題の桜子のリベンジポルノには、協力者がいるのだろうか?
 犯人が次に狙うのは、京極薫子なのでは?
 こうでないと、『華道家』のサブタイトルが回収できないし。 ――

 私が思うに、桜子と思われた問題の画像は、実は薫子なのではないか。
 その根拠は、『京都美人華道家殺人事件』第2話はじめが洋服姿の桜子を薫子と間違えたこと
 このシーンから桜子と薫子の胸の大きさはほぼ同じと思われるので、一乗寺も黒樹も雁流も鶴羽も薫子を桜子と見間違えてしまったのでは
 特に薫子は、桜子を自殺に見せかける下準備としてリベンジポルノを真犯人と仕組んだ(あるいは仕組むよう頼まれた)のではないだろうか。
 薫子は客観的におしとやかなイメージがあるので、問題の桜子らしき女性の画像を「本当は薫子だ」とは思わないのでは

 要するに、画像は合成ではないけれども、姿がよく似ている双子だからこそできたトリックなのでは、と私は思う。
 仮に姉妹で薫子・桜子姉妹の胸の大きさに差があったら、リベンジポルノは仕掛けられなかったかもしれないなあ。

 そして枯山水の足跡なき殺人は、共犯者がいないと成立しないように思うなあ。
 どんなふうにやったかは、ヒントとなるものが今のところ出ていないのでわからないが…。

 
 ・・・果たして京極桜子を殺した真犯人が次に狙うのは誰か?
 桜子の姉・薫子で『美人華道家』のサブタイトル回収に向かうのか。
 それとも計画とは予定外の関係者か…
 次回以降が気になるなあ。

 【追記】
 そういえば今回は、板前の辻森遥のセリフがなかったなあ。

 辻森「……。」


 【ソース】
 イブニング 2019.04.09 NO.08
 『金田一37歳の事件簿』
 京都美人華道家殺人事件
 File29 足跡
 講談社 (P343~P364)

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