―― 乃木坂46のキャプテン・桜井玲香、卒業か…。
でも『金田一少年の事件簿』の「玲香」といえば、アイドルの速水玲香。
『金田一37歳の事件簿』ではどうなっているか気になるなあ。 ――
それはさておき、現在『イブニング』で連載中の『金田一37歳の事件簿』は
『京都美人華道家殺人事件』が解答編に入った。
この事件では京極桜子・京極薫子・京極雁流の3人が殺された。
ちなみに桜子は双子の妹、薫子は双子の姉で、特に薫子は首を切断され殺された。
そして前回、真犯人が真夜中に警察が調べた後の枯山水に薫子の首を埋めようとしたところを金田一一に見つかった。
「真犯人は『警察が一度掘り返した枯山水を調べることはない』と踏んで
枯山水に首を埋めようとするのでは…?」
枯山水に首を埋めようとするのでは…?」
…謎がすべて解けてしまったはじめは、その動きを読んでいたのだ…!
【桜子殺しの真犯人】
真犯人は
「庭があまりにも荒れて見ていられなかったのでちょっと見栄え良くしようと思った」
と苦しい言い訳をした。
はじめは真犯人がそういう言い訳をするのは無理もないと思っていた。
なぜなら、真犯人自身もこの事件の全容を理解しているわけではないから。
実は、桜子を殺したのは、姉の薫子だったのだ…!
・・・はじめは、薫子が桜子との最後の会話をでっち上げた時点で、桜子殺しの犯人が薫子だと疑っていた。
また事件の発端はネット上に流されたリベンジポルノ。
今となってはリベンジポルノが流された理由は藪の中だが、
「薫子はおしとやかな華道家の顔の裏に、淫らな夜の顔を持っていた」とはじめはみていた。
そして、薫子についてあくまではじめの想像に過ぎないが
当時薫子には常にものすごい重圧がかかっていたとみていた。
当時薫子には常にものすごい重圧がかかっていたとみていた。
「華道の"か"の字も分からない雁流先生を家元として立てつつ赤池流をほとんど一人で背負っていたのでは。"淫らな行為"もその反動かもしれない」
と…。
…またはじめはこう見ていた。
「資産家の息子との縁談が舞い込んだとき、薫赤池流は弟子が減った上雁流のムダ使いで相当カツカツの台所事情になっていたので薫子としては赤池流のためになんとしてもこの縁談をまとめたいと思ったはず。これをきっかけに乱れた関係をすべて捨て去り、出直そうと考えたのでは。」「もしかしたら何人いたのかもしれない肉体関係の相手に別れ話を切り出したところ例のリベンジポルノをネットに流されてしまい、その犯人から事実を伝えられたのでは。」
【悪魔のささやき】
はじめは、「リベンジポルノを流した犯人」から話を聞いた薫子に、悪魔のささやきが聞こえたとみていた。
「(これが縁談相手の目に触れれば確実に破綻。それどころか赤池流も華道家としてのあたしの人生ももうなにもかもお終いや…)」
と思う薫子に、
「ちょいと待ちいや!まだ諦めるのは早いわ。あんたには同じカオしたあの無責任な妹がおるやろ。あいつに全部擦り付けたりゃええ!おお…!可哀想な薫子…そもそもあんたの"苦しみ"の原因はすべてあの子から来てるんやないか!!幼い頃からお華の才能あるゆうていつもおいしい所全部あの子が持っていきよった!お父はんも赤池流の跡取りは桜子やとずっと言いはってコトある毎に差別され続けたんやろ!?しかも最後は苦労の多い赤池流を嫌って全部あんたに押し付けたんよ!!」
薫子を桜子殺害に駆り立てたのは、真犯人ではなく、薫子の心の中にある悪魔の囁きだったのだ…。
そして悪魔はさらに囁いた。
「死ねばいいの! 桜子が…!!
あの子はいつもあんたの不幸の元凶…
あんな女…殺されて当然なんや!!」
そして薫子は思った。
「そうや…桜子を殺す…
赤池流のためにも…」
―― 桜子を殺したのは真犯人ではなく、
しかも真犯人が薫子を操っていたわけではないのか。
しかも真犯人が薫子を操っていたわけではないのか。
でもリベンジポルノを流したのは…真犯人かな? ――
【夜に輝く、見えない飛石】
桜子を自殺に見せかけて殺す決意をした薫子は、「見えない飛石」を使って犯行を行っていた。
その飛石は昼は全く見えないが、夜になると自然に浮かび上がってくるという。
それは、枯山水の壁から差してくる光が地面に当たったもの。
殺害現場となった枯山水は夜になるとまるで飛び石のように光が射すところがあり、桜子の遺体があった島までたどり着くことができたのだ。
光が射すところの地面は特殊な接着剤で砂をブロック状に固めていた。
はじめがそれに気がついたのは町屋バー「みわ」にあった坪庭。
はじめの部下・葉山まりんが砂の手入れについてバーの女将に聞いたところ、
「砂は固めてあるので手入れしなくてよい」と話していたことをまりんに聞き、また、「みわ」をあとにしたまりんの歩きかたから、トリックに気づいたようだ。
ちなみに「みわ」の場合スプレー状の接着剤を使っていた。
「京極家の枯山水は文化財級の庭で、たとえ警察の捜査と言えど庭をすべてひっくり返すようなマネはできない…
そんな京都らしい気遣いが、"見えない飛石"の存在を隠してしまった」
と、はじめはみていた。
【桜子と一緒に旅行に行っていた犯人!】
薫子は、桜子を殺した後、家族会議で真っ先に庭の手入れを自らかって出ていたが、
「それは庭に残された飛石のトリックをこっそり始末するつもりだった」とはじめは見ていた。
だが、それはできなかった。
…薫子は、真犯人によって殺されたから。
その真犯人は…
京極雁流の弟子の一人・黒樹左京だった…!
はじめは、
「左京は問題のリベンジポルノを見た時にすぐに桜子ではなく薫子だとすぐに気づいた」
とみていた。
また番頭の六波羅護から勤務表を見せてもらった時、黒樹は桜子が北海道に出張中のときちょうど休暇をとって実家に帰っているという記録が残されていたが、黒樹の実家は京都の北端・丹後町で、一泊で十分な距離なのに三泊もしていることから
「黒樹は実家ではなく、桜子と一緒に北海道旅行していたのでは」
と考えていたのだ…。
―― 桜子を殺したのは薫子なのはわかっていたが、飛石はもう一種類あったのか…!
しかも、真犯人は直接薫子と手を組んだわけではないのか。
そしてもしも見えない飛石を薫子に無事始末されていたら、
桜子殺しは完全犯罪になっていたかも。
さて次回は、雁流の「サイコ」発言の謎解きかな。
そして薫子の一時的な首の隠し場所の謎解き…。
サイコについては「柴胡」「西湖」の二つがあるが、どちらも正解かな。
雁流は前者の意味での発言、真犯人・黒樹にとっては後者の意味での解釈かな。
これが、第3の殺人(黒樹にとっては第2の)殺人を生んだのかな…。
『イブニング』で実施中の『推しマンガ応援キャンペーン』の最新版と合わせて気になるなあ。
【ソース】
イブニング 2019.07.23 NO.15
『金田一37歳の事件簿』
京都美人華道家殺人事件
File36 見えない飛石
講談社 (P333~P355)