新事件『聖恋島殺人事件』を引っさげて連載が再開された
『金田一少年の事件簿R(リターンズ)』。
このエピソードは剣持警部が磯釣り大会「セイレーンフィッシングマスターズ」に金田一一と七瀬美雪とともに出場することになったが、宿泊先の聖恋島で殺人事件に巻き込まれる…、というもの。
第2話のラストでは、決勝戦当日の午前4時頃水上コテージから船着き場に向かうドアを開けようと思ったら向こうから鍵がかかっていたので遠回りして渡り廊下を通り集合場所の船着き場に向かったところ、そちらも鍵がかかっておりそこから中の様子を覗いたら銛で背中を突かれてうつ伏せで倒れているフードの人物をはじめが見つけていた。
第3話では、フードの人物が帝王大学医学部教授・影尾風彦であることが明かされていた。
そして古い錆びた銛を背中から心臓に突き立てられたのが死因と剣持警部はみていた…。
【七瀬美雪、事件について二つの不審な点に気づく!】
影尾教授殺しの時に霧声とはじめは二度影尾教授の遺体を見ているが
霧声とはじめが一度目に遺体を見つけたとき、向こうに『ある不審な動き』を美雪が見ていた。
「向こうの海の上に変な光」…。
水上コテージから船着き場に向かうあたりで光がスーッと流れているのが見えたのだ。
「(犯人が)反対側のドアから出てさっきの渡り廊下を何者かが歩いていっているのかもしれん」
こう思った剣持警部は扉に体当たりしたが壊れなかった。
そこではじめたちは集合場所に戻り小屋の扉を開け、
コテージ管理人にして聖恋島唯一の住人・霧声昼子が明かりをつけ、
そこで初めて影尾教授の遺体だと確認したのだ……。
ちなみに剣持警部が扉に体当りしてしばらくすると、
小屋の中で「ギ…ギ…ギ…ガチャ」という扉を開けるような音がした。
小屋の中で「ギ…ギ…ギ…ガチャ」という扉を開けるような音がした。
そして美雪が『変な光』を見つけていた。
…はじめは剣持警部に頼んで関係者全員の点呼を取った。
現場にいない人が犯人とはじめはみていたが、医者チーム、医療器メーカーチーム、小説家チーム、主催者とテレビ局の関係者、そして霧声の合わせて10人は殺された影尾教授以外誰一人欠けていなかった。
・・・美雪は、コテージに戻った時に聞いた霧声の「無線機も調子が悪くて通じなくて…」という言葉に疑問を持っていた。
これは音羽アイランド広告の鬼島高彦が剣持警部に「警察はまだ来ないのか」と聞いていた時のことだが、
「このタイミングで無線機が壊れるってちょっと変よね」とはじめに聞いていた。
はじめもスマホを確認し
「着いた時には通じてた携帯が今は圏外になってるのも引っかかる…」と思っていた。
【影尾教授のかたき討ちのために犯人を捕まえようとする人、推理を展開する人…】
「刑事さん、僕も協力できませんか?
影尾先生の仇を討つために犯人を捕まえたいんです」
こう名乗り出たのは勤務医の潮小次郎。
ちなみに影尾教授が殺され泣いていた女医の寒野美火をなぐさめていた時、彼は
「影尾教授は敵も多かった。
この島に集まっている釣り関係のメンバーに犯人がいないなら、
そういう先生の敵がこの島に潜り込んでいる可能性もあると思います」と言っていた。
…潮が刑事に協力しようと思ったのは、「チョンマゲの彼」…はじめが剣持警部にやたら口を出していたから。
剣持警部は、はじめが金田一耕助の孫であり警察の手に負えない難事件をいくつも解決しているということを潮に伝えていた。
・・・「ちょっと聞かせてよ、この殺人事件一体どんなヤツが犯人だと思う?」
一方、小説家の右竜あかねが、はじめが金田一耕助の孫であり難事件を解決してきたことを知りはじめに聞いてきた。
「今までの事実からだけだと何とも言えない」と言ったはじめに
「このコテージの地図とか見て何か感じない?」と聞いていた。
ちなみに右竜はコテージに戻ってきた時に編集の奥ノ木武蔵に
「『釣女』右竜あかねの釣りエッセイ本はひとまず置いといて、
孤島で起きた殺人事件をルポ風小説で書くわ!」と言っていた。
奥ノ木は
「それ絶対売れますよ!」と言っていた。
「今わかってることって言ったら、この鍵の掛かった桟橋小屋の中で殺人が起き、そのあと明かりが一旦消え、真っ暗闇の海の上、おそらくはこの渡り廊下を何者かが死体を背負って集合場所のここまで運んできた。それだけかな。」
はじめの言葉を聞いた右竜はこう言った。
「これだけは言えるんじゃないかな。あなたが言い出してこの集合場所で点呼した時、
亡くなった影尾さん以外は全員その場に揃ってた。ということは、犯人は外部の人間ってことになるんじゃないかな?」
それを受け奥ノ木が
「それはそうですね。だって今ここにいる13人は確か桟橋小屋のこっちの扉辺り(※地図によると桟橋小屋の西側)にいた時、反対の扉から死体を犯人が運んでいるのを見ていたわけなんだから、ミステリー風に言うならアリバイがあるってことになりますよ!」
と言っていた。
・・・右竜と奥ノ木の話から、確かに全員にアリバイがある。
しかも霧声にはじめが聖恋島に他に誰かが住んでたりこっそり侵入した可能性があるかを聞いたところ、
「それはないと思いますよ。この島で真水が出るのはこの辺りだけですし、この入江ともう一つの船着き場以外はどこも断崖で船を着けて島に上陸することはできません。ただ…海の魔女『セイレーン』はずっとこの島に棲み続けておりますがね…!」
と言われていた…。
…そして次回で第二の殺人が起きることがほのめかされていた。
・・・ちなみに影尾教授の遺体が発見されたあとで他の関係者たちはというと…
医療メーカー関係者である伊豆丸険は鰐瀬たかしに
「自分がどれだけ影尾教授と信頼関係を築いたと思っているのか」
「キミだって僕が紹介してあげたんだよ」と、くどくどと話していた。
TVプロデューサーの凪田風也はカメラマンの海星終吾に
「釣り大会はポシャッたけど、これはこれで絵になるぞ!
殺人事件だからな!本物の!
ケーブルTVなんかじゃもったいない、しっかり撮っておいて地上波に売り込もうぜ!」
と言っていた。
…関係者の多くは、影尾教授が亡くなったことよりも仕事のことばかり気にしていた…。
―― 美雪が謎の変な光を見てみんなが集合場所に走って戻る時、
明らかに一人遅れていた人がいたなあ。 ――
その人物はみんなが集合場所に戻るため姿を消したのを見計らって
小屋の中の電気を外側からリモコンか何かで消してドアの音もテープレコーダーか何かで流して
小屋の中の電気を外側からリモコンか何かで消してドアの音もテープレコーダーか何かで流して
美雪が変な光を見て集合場所に戻る時は
みんなを追いかけると見せかけて小屋の鍵を開けて開けた扉に鍵をかけて部屋に潜み
みんなを追いかけると見せかけて小屋の鍵を開けて開けた扉に鍵をかけて部屋に潜み
霧声が明かりをつけるタイミングを見計らった、あるいは自ら部屋の明かりをつけたのでは…?
…こう考えると一番怪しいのは自分が思うに、霧声。
するとどうやって変な光を飛ばしたのかという謎が残るが、
第二の殺人以降で起こる事がその謎を解くヒントになりそうな予感がするなあ。
それにしても『聖恋島殺人事件』の導入にあった「人間魚雷回天」はどこで回収されるのだろうか?
もしかすると大会は鬼島や凪田が決行し、医療関係者たちが船の事故で全滅させられるのだろうか…?
かつての『墓場島殺人事件』の爆死事件みたいに…。
次回どんな事件が待っているか、気になるなあ…。
(※ソース
週刊少年マガジン2017年第1号~第4・5合併号
『金田一少年の事件簿 聖恋島殺人事件』
CASEFILE of Kindaichi Hajime: 聖恋島殺人事件 #3
講談社(2016) (第3話)p495~p514)