現在『イブニング』で連載中の『金田一37歳の事件簿』『京都美人華道家殺人事件』のラストで「幸村真之助」という警視が登場し…

 「驚異的連続殺人犯…!
 それが"金田一一"の正体だとしたら…!!
 もしそうだとしたらこれは恐ろしいことです!」


 …と「『歌島リゾート殺人事件』『タワマンマダム殺人事件』『京都美人華道家殺人事件』の3つの事件の黒幕は金田一一」
という迷推理明智健悟警視長に披露していた…。

( ゚д゚)ポカーン

 そんな幸村警視は最近始まった『函館異人館ホテル新たなる殺人』でも迷推理を披露していた…
 …というわけではなかった。


 【自称ミュージシャン・リュウ小野寺殺し ~幸村警視はこう推理した~】

 さて『函館異人館ホテル新たなる殺人』の冒頭は、古いマンションの一室で見つかった
服毒自殺と見られる小野寺隆司の死についてだった。
 
 小野寺は「リュウ小野寺」という名前でアイドルグループに所属していたが
今は"自称ミュージシャン"らしかった。
 ちなみに小野寺は幸村警視と同じ27歳だった。

 刑事は「服毒自殺の線が強い、落ちぶれたアイドルが思いあまって…」と見ていたが、
幸村警視自殺ではなく殺人とみていた
 その根拠は次のとおり。

 ・小野寺は部屋にあるギターから右利き。
 ・ところが小野寺から見てグラスは右側、ボトルは左側に置かれていた。
 ・このことからテーブルの向かい側に座っていたもうひとりの誰かが毒を入れたグラスにワインを注いたと考えられる。
 ・遺体の表情…驚きと恐怖が入り混じった顔から小野寺がよく知る人物が犯人ではないか?

 また密室については、
「ミュージシャンなら誰もが持っている替えの弦と買い物袋とギターケースを利用して"密室製造機"をつくり、鍵を移動した」
幸村警視は推理した。

 …幸村警視は小野寺の遺体が左手のポケットに手を突っ込んでいたので握っていた手を調べてみると
 函館異人館ホテルで開催される舞台『箱館ウォーズ』のチケットがあった…

 「北海道函館…か…
嫌な予感がする…!!」

 幸村警視はそう思っていた…。


 ―― いきなり迷推理披露するかと思ったら
そうではなかったか( ゚д゚)
(´・ω・`)ショボーン ――



 【因縁の場所で、いつき陽介との再会】

 はじめが勤務する音羽ブラックPR社は、はじめと部下の葉山まりんに新たな仕事を与えた。
それは、函館異人館ホテルでの舞台劇の仕事。

 はじめにとって異人館ホテルで思い出されるのが
20年前(『金田一少年の事件簿・異人館ホテル殺人事件』)、佐木竜太が犯人「赤髭のサンタクロース」に殺された過去。

 20年前舞台劇を発端に起きた異人館ホテルの殺人事件から、

 「もう不吉な予感しかしねぇよ!!」と思うはじめだった…。

 ・・・はじめは異人館ホテルにたどり着き建物を見た時、20年前と変わってないなと思った。
 そして中に入ると「強引な人」といきなり出会った。

 それはフリーライターのいつき陽介
 雑誌の依頼で舞台"箱館ウォーズ"をレポートするためにやってきたが、偶然にもはじめと出くわしたのだ。

 ちなみにいつきは『金田一少年の事件簿・金田一少年の殺人』のラストに都築瑞穂を養子として引き取ったが、瑞穂は今は30歳となり結婚して子供がいるとのこと。
 そしてその子供…つまり孫にいつきは「禁煙しろ」と言われたので今は禁煙タバコを持ち歩いている。

 ・・・そしてはじめは、
いつきとの会話から、以前異人館ホテルに来たことがあることをまりんに感づかれてしまった…。

 ―― (;8;)<ハジメチャン… ――


 【『箱館ウォーズ』の出演者は、イケメンアイドル揃い!】

 舞台『箱館ウォーズ』の説明が演出家で監督の海枝博貴によってなされた。

 この舞台は、歴史上の箱館戦争とは関係あるようでないいわゆるパラレルワールドのような創作劇だという。

 他にも
 「軍服はもっとスタイリッシュでかっこよい」
 「男装の麗人も登場」
 「武器は古臭く不細工なライフル銃は出ない(※ちなみに幕府残党チームの拳銃はモデルガン)」

といった特徴がある。

 …さて、以下に舞台『箱館ウォーズ』の出演者とスタッフについて挙げる。

 <岡倉純(おかくらじゅん)>

 土方歳三役。30歳。スカイウォーカー』所属。
土方歳三のことを「トシ」と呼んでいた。
『スカイウォーカー』というのはアイドルグループ…?

 <中神聖也(なかがみせいや)>

 榎本武揚役。28歳。スカイウォーカー』所属。
榎本武揚のことを「エノタケ」と呼んでいた。
史実では榎本武揚は箱館戦争のリーダーで蝦夷共和国総裁だが、
『箱館ウォーズ』では土方の下でお笑いキャラになっているという。

 <水島颯太(みずしまそうた)>

 伊庭八郎役。26歳。ちなみに伊庭八郎は隻腕の剣豪。
人気上昇中のアイドルグループ『デスペラード』リーダー

 <赤座光輝(あかざこうき)>

 黒沢正隆(くろさわまさたか)役。26歳。「コーキィ」と呼ばれているようだ。
『デスペラード』のメンバー。

 ちなみに「黒沢正隆」は舞台オリジナルのキャラ。
(※史実には似たような名前の人がいるが、架空のキャラ。(by海枝監督))

 <彩野木ルカ(あやのぎルカ)>

 加賀谷葵役。25歳。加賀谷は、男装の麗人剣士。
顔のほくろがトレードマーク。

 <五代玄一郎(ごだいげんいちろう)>

 大島圭介役。24歳。
 舞台ではエノタケ…榎本武揚の相方のお笑い担当とのこと。
 『デスペラード』のメンバーで「ゲンちゃん」と呼ばれているようだ。

 <最上翔太(もがみしょうた)>

 山田顕義役。俳優。32歳。
「出演者の中で上から2番めのジジイ」とのこと。

 <刈谷ユダ(かりやユダ)>

 ジュール・ブリュネ役。俳優。40歳。
 「翔太がジジイなら上から1番目のオレはどーなんの!」と最上にツッコんでいた。

 <壇はるみ>

 『デスペラード』マネージャー。32歳。

 <海枝博貴>

 『箱館ウォーズ』演出家兼監督。52歳。


 …まりんは『箱館ウォーズ』について
「重い史実ものというよりファンタジー」と思い、はじめもそう思っていた。



 【幸村警視、金田一一と対面】

 はじめが壇マネージャーに名刺を渡しているところ、
 幸村警視

 「はじめまして金田一さん。
 私は警視庁捜査一課所属幸村真之助。
 明智警視長の部下の一人です。」


と現れた。

 はじめは「明智サンの?」と
きょとんとしていた…(・8・)


 ―― 『箱館ウォーズ』
『ハコダテうぉーず』…

『ハコダテうぉーず
~37歳のキンダニは殺人事件に遭遇しがちな人~ 』(←違う)

(※元ネタ:『アイドルうぉーず ~100人のディーバと夢見がちな僕~ 』)

 …どう考えても、舞台『箱館ウォーズ』の原作は女性向けのソーシャルゲームが原作に思えてならないなあ。
 特に、ゲームがサービス終了間近なので舞台で一発当てよう的な…。
 最近は有名声優を起用したスマホのいわゆる「乙女ゲー」が短命でサービス終了に少なからず追い込まれているケースが多くあると聞くし…
(※『箱館ウォーズ』の場合は、
岡倉や水島は有名アイドルというが有名声優の可能性も…?)  ――

 殺人の動機は推しキャラを演じていたメンバーに対する逆恨みではなく、
被害者が過去に声優として出演していたソーシャルゲームに何らかの恨みがあったのでは。
例えばゲームのガチャで大爆死した、何らかのゲームがサービス終了して無に還ったなど…

 出演していた『スカイウォーカー』あるいは『デスペラード』のメンバーに強い恨みを持っていたのでは。

 それにしても雪村剛三オーナーの後継者である今の異人館ホテルのオーナーは誰だろうか…。
そしてこの事件では北見蓮子・花江姉妹のように双子も登場するだろうか…?

そして箱館ウォーズはもしソシャゲなら、どんなゲームだろうか。
 自分の予想としては、アイドル応援ゲームではなく多分ベタなリズムゲーだと思う。


 【追記】

 今回の『金田一37歳の事件簿』の終わりには

 「はじめを狙うイケメン刑事。
 20年前逮捕された異人館ホテル。
 主任、フラグが立ってます!!」


 とあったが、幸村警視はまさかの犯人じゃないよね…( ゚д゚)

 そしていつき
20年前の佐木竜太のように殺されてしまう展開がないことを祈りたい。


 【ソース】
 イブニング 2019.09.24 NO.19
 『金田一37歳の事件簿』
 『函館異人館ホテル新たなる殺人』

 File40 異人館ホテル、再び
 講談社 (P297~P322)