現在『イブニング』で連載中の『金田一37歳の事件簿』
第3の事件は、『京都美人華道家殺人事件』でその名の通り事件の舞台は京都。

 音羽ブラックPR社で働く主人公・金田一一と部下の葉山まりんが、茶道と華道の家元とのコラボ企画の仕事のため京都に向かい赤池流家元・京極雁流(きょうごくがんりゅう)と双子姉妹・京極薫子(かおるこ)・桜子(さくらこ)と出会うがそこで殺人事件に巻き込まれるというもの。

 特に第2話のラストでは、帰宅したフラワーアーティスト・京極桜子の口を何者かが背後から襲い、ふさごうとしていた…。


 【葉山まりん・MG5】

 『京都美人華道家殺人事件』第2話の最初は薫子による古典生け花の説明から始まった。
 真(しん)と副(そえ)体(たい)の説明だった。ちなみに

 「真」
 一番強く背の高い枝。自然の遠景のように後ろに生ける。

 「副」
 真の3分の2ほどの枝。

 「体」
 真の半分ほどの長さの枝。

 真・副・体は不等辺三角形になるように配置。
 体は作品の中心。
 真が永遠を表すとするなら、副は瞬間を表現するものと言える。

 とのこと。

 雁流の説明によると
 「この世の理である『天・地・人』を意味するものといえその理は向こうにある枯山水の庭園に表現されている」
とのこと。

 なお説明が終わった後で雁流は機嫌が悪く、はじめが
「さすが赤池流の家元は奥が深いですなぁ」と言ったら
「お前ら…何しにここへ来とる?
 仕事だろうが!仕事!
 東京からわざわざお世辞言いに来たんかい?
 こっちは忙しいんだぞ!?
 おい!錦!左京!後はお前らに任す。
 薫子と一緒にこいつらの話聞いといてくれ。」
と言って、去ってしまった。

 …雁流と入れ替わりに現れたのは
 兄弟子・一乗寺錦と弟弟子・黒樹左京だった。

 去る雁流を見てはじめは思った。

 「すげーぞ!?この毒オヤジの感じ悪さ!
あ~こりゃ先が思いやられるわ~!!」

 そして後ろを振り返ると、
マジギレ5秒前のまりんがいた…((((;゚Д゚))))

 これを見たはじめは、
「いやぁしかし素晴らしいお庭ですねぇ、
枯山水というんでしょうか、なあ葉山くん」
と言った。
 するとまりん
「そ、そうですわね主任」と返していた…。

 ちなみに枯山水は一乗寺と黒木で2週間毎に交代で手入れしている。
 枯れ葉や猫の足跡がつくこともあるというので…。


 【はじめとまりん、宿に困る…】

 はじめとまりんは薫子と改めて挨拶した。
 打ち合わせをするために。
 はじめは薫子がお茶を点てに部屋を出た後で後ろを振り返ると花器と花を見つけた
 その時、後ろから
「それ触ると殺されますよ?」という声が。
 洋服に着替えて現れた薫子だと思ったら、双子の妹・桜子だった。
 ヘアスタイルが変わっていると思ったら、ウィッグだった。
 桜子はフラワーアーティストでもう赤池流と関係ないが、一応叔父に同席しろと言われていた。

 …桜子は留学経験もあり、英語が堪能であるので外国のお客様を受け入れる際のアドバイスが必要だった
 また赤池流から距離を置かれたといっても桜子の生け花のセンスは赤池流でも群を抜いている

 …弟子の一乗寺と黒木がこう説明していた。

 ・・・薫子が部屋に戻ってきたのではじめとまりんは打ち合わせを始めた。
 ところがはじめは、慣れない正座をしていたので足がしびれてしまった。
 一方桜子は遊びに出かけて行った…。

 
 【仲居・波風千紘との出会い】

 打ち合わせが終わった時、はじめとまりんは重大なミスを犯していた。
 それは、宿を取っていなかったこと。
 二人は、相手が互いに取っていたものと思いこんでいたのだ。

 慌てて宿を探したがオール満室で
二人は京都のインバウンドパワーの前に敗北を喫したのだった…
 
 ―― (;8;)<ハジメチャン…
(;8;)<マリンチャン… ――

 そこに現れたのが、薫子と桜子の母・京極鶴羽(つるは)と番頭の六波羅護(ろくはらまもる)。
 鶴羽は離れに泊まるようにはじめとまりんに提案し、六波羅にも離れの準備をさせた。
 そして離れに案内させたのは仲居の波風千紘(なみかぜちひろ)だった。

 (※ちなみに波風千紘は単行本の"容疑者になれる権"の当選者の実名とのこと)

 千紘からはじめとまりんはこんなことを聞いていた。

 「先代・京極青流…つまり薫子と桜子の父の時代は、もっとたくさんの弟子が住み込みで勉強していた」
 「青流が亡くなってからは住み込みの弟子は一乗寺と黒樹の二人だけになってしまった」


 ・・・離れに行くと布団が2つ用意されていて、しかも隣同士になっていた!
 これはちょっとマズイ配置、とはじめが言ったので千紘は布団を直した。

 またはじめは代わりばんこで風呂を使ってと言われたのでドキッとしてしまった。
 一方まりんは「いっそ一緒に入っちゃいます?」と冗談をはじめに言っていた…( ゚д゚)


 【復讐(リベンジ)のはじまり】

 板前の辻森遥(つじもりはるか)が急場で本格懐石料理をこしらえてはじめとまりんがいる離れに持ってきた。
 このとき、千紘が思わぬことを話した。

 「実際この家色々ありますさかい…
今かて姉の薫子はんに大事なお話が進んでる最中によりにもよって…
 妹の桜子はんにも困ったものですわ…!

 リベンジポルノってご存知?」

 辻森は千紘の話を止め、千紘とともに部屋を出ていった。

 まりんは千紘の言葉が気になっていた…

 一方、犯人の『リベンジ』は進められていた。
 帰宅した桜子を後ろから襲おうとしていたのだ…!


 ―― 今回の事件は、
「桜子と薫子が入れ替わっている」というトリックはなさそうだなあ。 ――

 特に今回は『金田一37歳の事件簿』初の男性の犯人が出てきてもよい頃だと思うし。
 怪しいのは、桜子に復讐するために近づいたと思われる雁流の弟子、一乗寺と黒樹のどちらかだと私は思うなあ。
 リベンジポルノとやらで、大切な人を失ったのではないだろうか…。

 また犯人が仕掛けたトリックとそれが暴かれるのは、華道に関わっているであろう犯人のありえないミスだと思うなあ。

 …果たして桜子はどんな形ではじめたちに発見されるのだろうか…
 次回以降が気になるなあ。

 【ソース】
 イブニング 2019.03.12 NO.06
 『金田一37歳の事件簿』
 京都美人華道家殺人事件
 File27 宗家の品格
 講談社 (P175~P197)