―― 額を撃ち抜いたのはボーガンの矢じゃなくて、水中銃なのか… ――
現在週刊少年マガジンで連載中の『金田一少年の事件簿R(リターンズ)』は
『聖恋島殺人事件』が連載中。
そもそもこの事件は剣持警部が「セイレーン・フィッシングマスターズ」という磯釣り大会に金田一一・七瀬美雪とともに参加し大会参加者たちや87歳の老婆で聖恋島唯一の住人・霧声昼子に出会ったが、そこで連続殺人事件に巻き込まれるというもの。
第7話までに犠牲者は二人出ていて、
大会参加者の影尾風彦が背中を銛で刺されて、
また潮小次郎が特注の釣竿で剣持警部とはじめと共に釣り中に海に引きずり込まれて殺されている。
そして最新の第8話ではコテージの部屋の椅子に座り眠っていた寒野美火が外からガラス窓を貫くボーガンのようなもので額を射抜かれ倒れる事件が起きた。
ちなみに伊豆丸険が口走った言葉によるとボーガンのようなものの名前は「水中銃」というらしい…。
…なお寒野は今回の事件の犯人によって事前にビールに睡眠薬でも仕込まれたかして眠らされたらしい。
そして犯人が寒野を騙ってか、次のような手書きの手紙を参加者に残していた。
午後8時ちょうどに私の部屋に来て下さい。話したいことがあります。必ずこの時間に来て下さい。遅れても早くても何も話しません。この時間でなければダメなんです。鍵は開けておきます。寒野
はじめたち事件の関係者全員は手紙どおり午後8時ちょうどを狙って寒野の部屋にやって来たが、
そこで寒野が水中銃で額を撃ち抜かれる光景を目の当たりにしたのだった…。
剣持警部とはじめは誰かが外から狙っているとみて、窓際に隠れて様子をうかがっていた…。
【影尾・潮・寒野… 被害者の共通点!!】
第1の被害者・影尾風彦は帝王大学医学部教授。
第2の被害者・潮小次郎は帝王大学病院の勤務医。
そして第3の被害者・寒野美火も帝王大学病院の勤務医。
…寒野が射抜かれる前、はじめは第8話で影尾と潮が医者であることから次のターゲットは同じ医者である寒野とみていた。
そこで剣持警部とはじめは寒野に「犯人があなたの命を狙っている」ということを伝えた。
けれども寒野が言うには、
「自身に心当たりはなく、手術の失敗もなかった。」
「恨まれる理由なんて100%ない。」
「影尾教授については仕事熱心で病院での地位も高く仕事上嫉妬もあったかもしれないが
自分からからみて殺されるほどの恨みはなかった」
とのこと。
ちなみに今回の事件の被害者3人は腫瘍内科で、抗ガン剤治療の専門医。
・・・事情聴取を終えて夜7時頃に寒野は缶ビールを飲んでいて、
彼女がかつて治療した患者のことを思い出し、こう思っていた。
彼女がかつて治療した患者のことを思い出し、こう思っていた。
「本当に『そっちの恨み』なんかじゃないわよね…!腫瘍内科では人がいっぱい死んでいる(影尾と潮と私が治療した患者は毎年何十人かはあの世に送っている)けど、皆助からない患者ばかりで…そんなのどこの病院だって一緒じゃない!…はっ! その中にもし……」
寒野がビールを飲んで眠くなりそして眠ってしまった時、
犯人は部屋に入ってきてニヤリと笑い行動を起こしていたのだ…。
犯人は部屋に入ってきてニヤリと笑い行動を起こしていたのだ…。
―― 今回寒野の額に刺さったものについて、
磯釣りの知識がほぼゼロに等しいであろうはじめには何に見えたのだろうか… ――
自分は、前回第7話でスマホの画面に写っていた鰐瀬の母の画像から「鰐瀬が怪しいなあ」と思っていたけれども、凶器をピタリと言い当てたゴマすりおじさんの伊豆丸があくまでも「自分の中では」だけど一気に犯人有力候補に上がってきたなあ。
特に今回の伊豆丸の動きから、第4話で潮が死ぬ前に剣持警部に話していた「特注のウキ」を彼に渡すことができそうな人物っぽいなあ。
それに自分が伊豆丸が怪しいと思ったのは第8話の最初にもあった。
ちなみに伊豆丸が寒野・鰐瀬と話していたシーンでこんな会話がなされていた…
寒野「ビールくらいないのかしら?」伊豆丸「あ、あると思いますよ。霧声さん、他の食料は全部ダメでも飲み物は無事でしょ!?」
―― なぜ伊豆丸は飲み物が無事だということを知っていたのだろうか…?
それは、第4話で発覚した食料が荒らされた件についての犯人だからではないか!!?? ――
このシーンでは美雪は伊豆丸のゴマをすり続ける行動に注目していたが、
ここで注目するのは『犯人しか知り得ない情報』なのではと自分は思う。
…ちなみに食料がどんな状態で荒らされていたのかを知っていたのはコテージ管理人の霧声。
第4話ではこんなことを言っていた。
「保存していた缶詰から何から全部なくなっていて乾物やお米も全く残っていません。昨晩まではちゃんとあったのですが…」
ちなみに音羽アイランド広告の鬼島高彦は
「大量にあった備蓄食料がすべてなくなってしまったそうで…」
と話していたが、伊豆丸は備蓄食料を何らかの理由でいじったからか
第8話で飲み物が無事だったことをつい口走ったのでは。
…ただ、寒野が射抜かれる前に(犯人が?)残していた女性が書いた文字の手紙は
誰が書いたのか気になるなあ。
午後8時ちょうどに水中銃が寒野の額めがけて放たれる仕掛けは、リモコンか何かで犯人は関係者みんなと一緒にいながら発射できるものだというのは想像がつくけど…。
【追記】
最近ブログに来たコメントについて…
「第3の被害者が寒野以外ではないか」という見方がありましたが、第8話では寒野でしたね…。
確かに第7話まではターゲットが絞り込めなかったかもしれませんが、寒野は剣持警部の忠告があったにも関わらず犯人にやられてしまいましたね…。
寒野はやられる1時間前になってはじめて「次は自分かも…!」というのを自覚しましたが…。
今回の事件の被害者になった寒野・影尾・潮には寒野が言うように医療ミスがあったわけではなく、真犯人の動機は逆恨みの可能性がありますが、
「今回の事件の真犯人にとって大切な人が、彼らが投与した薬により長年苦しんで死んでいった」
という可能性も考えられなくもないと自分は思います。
という可能性も考えられなくもないと自分は思います。
ただ、伊豆丸に関しては
1. 8話冒頭で、備蓄食料のうち飲み物は無事だったことを知っていたかのような発言(※第4話で備蓄食料が荒らされた時、飲み物について霧声でさえも言及していなかったが…)2. 寒野の額に刺さったのを「水中銃」とズバリ言い当てたこと
という犯人しか知り得ないだろうことを言っていたことから、今回の事件の真犯人・セイレーンである可能性が一気に高くなったように感じます。
また、第3話の影尾教授殺しの時に「聖恋島に着いた時は携帯が通じていたのに、事件後はなぜか圏外になってしまった」という現象は、今回の事件のトリックでケータイ(スマホ)を使って今回の事件のトリックに関わる「何か」を操作するために通じなくする必要があったように自分は思います。
【追記2】
【追記2】
第2の殺人である潮殺しのトリックを解く手がかりになりそうな特注のウキについて、
最近自分がふと思ったことがある。
それは「潮の特注のウキにはインターネットを通して操れる仕掛けがあったのでは?」ということ。
1 まずウキを磯釣り大会前に、潮にネットオークションなど何かしらの方法で買わせる。(※もちろん真犯人が売り手。)(※おそらく、はじめが第7話で言ってた瞬間接着剤が飛び出す仕掛け付き手袋も買わせているかも…)2 備蓄食料が荒らされたことをみんなが騒ぎ出した時釣りに行くことを名乗り出て鰐瀬と一緒に釣りに行き、釣れなかったことをみんなの前に見せつけて潮の「寒野にいいところを見せよう」という射幸心を煽り釣りに行かせるように仕向ける。
(※もしかすると最近手に入れた釣具を試したいと思ったからかも…?)3 犯人自身はスマホか何かでウキを操って遠くにいながら潮を海に突き落とした。
もしや、寒野殺しについても
水中銃を遠くにいながら発射できるトリックが仕掛けられているのでは…?
水中銃を遠くにいながら発射できるトリックが仕掛けられているのでは…?
・・・そして、第7話で鰐瀬のスマホが出てきた理由について。
今回の事件の動機が母親を殺されたことに対する復讐と見せかけるためのミスリードで
「潮殺しのトリックについて、
ウキをスマホで(インターネットで)操れる仕掛けがあるのでは…?」
ウキをスマホで(インターネットで)操れる仕掛けがあるのでは…?」
と考えるためのヒントでは?
(※ソース
週刊少年マガジン 2017年第1号~第11号
『金田一少年の事件簿 聖恋島殺人事件』
CASEFILE of Kindaichi Hajime: 聖恋島殺人事件 #8
講談社(2017)(第8話)p411~p430)