にぎる。

『にぎる。』にようこそ! このブログは私が見たアニメやマンガの感想を自由気ままに書いています。

カテゴリ: 金田一37歳の事件簿

 現在『イブニング』で連載中の『金田一37歳の事件簿』では、
主人公・金田一一が仕事中にドワンゴのイベント『池袋ハロウィン』に合わせて豊島区のミクサライブで開催されたマスコミ関係者を集めた江戸川乱歩展本番前の内覧会にて『殺人二十面相』を名乗る犯人が起こした連続殺人事件に挑んでいる。

 『殺人二十面相』による一連の事件では江戸川乱歩の作品に見立てた連続殺人事件が起きた。

 『赤い部屋』に見立ててカメラマン・葉狩京士郎
 『D坂の殺人事件』に見立ててインスタグラマー・島咲蘭
 『緑色の鬼』に見立ててドワンゴ担当・船橋良介

 …この3人が犠牲になった

 そもそも一連の事件の背景には
 カルト教団"パノラマ王国"の美人女教祖・御堂光河(みどうこうが)
10数年前に起こした『カルト教団"パノラマ王国"集団殺人事件』があった。
 光河教祖は"除霊"と称して集団リンチで20人以上殺害し、5人きょうだいの末っ子の力也(りきや)を除く4人のきょうだいが実行犯として死刑になるかその前に自殺したという。

 またカメラマン・赤峰志堂御堂力也を追っていたがそれゆえに殺人二十面相に狙われることになった。

 ただ、最終話となる『殺人二十面相』編第14話では、意外な展開を迎えていた…!

 【1億4千分の1の偶然(後編)】

 「御堂力也」がアーティスト「亜良木豪」を名乗っていた頃は平和な日々だったという。
 その平和な日々が『1億4千分の1の偶然』によって壊されたことを語った。

 あるイベントの空間プロデュースの設営現場でちょっとしたミスで薬品をかぶってしまい目に入った薬を洗い流すため慌てて女子トイレに駆け込んだら、後ろから亜良木豪の顔と瓜二つの顔の女性が現れたのだ。

 彼女『殺人二十面相』がカリスマ美容師・藤堂誠也だった頃の元顧客亜良木先生が女性だと聞いてびっくりしていた。

 『殺人二十面相』はその女性に「自分が女性であることは黙っていてね?」と言いその場を取り繕っていた。

 この時その女性は

 「(あたしにそっくりな人がいるなんて!
 案外生き別れの姉妹だったりして…)」


 と思っていた。

 一方『殺人二十面相』

 「(そりゃそうさ…!
 あんたの顔を参考に造った"顔"だからね)」


 と思っていた。

 ―― 「生き別れの姉妹」って…

 「キリタニさんやサワサワさんが実はタネナントカさん」
みたいな話かな…? (※違う)
 その手の話は大人たちに邪念撲滅と◯バン◯トラッシュしてもらおうか(笑) ――

 「生き別れの姉妹」発言を見て、
 大人向けのゲームの声優さんを思い浮かべてしまったのは私だけだろうか…。


 …それはさておき『殺人二十面相』は自分と瓜二つな顔の女性を取り込み黙らせる
 すなわち、亜良木豪の事務所を手伝ってもらい彼女が目指していたウェブデザイナーの仕事を与えながら自分のことを他で喋ったりしないようさりげなく監視していた。

 しかしある日例の女性に洗面所で『K.M』のネックレスを見られてしまった。
 このネックレスは『殺人二十面相』の母・御堂光河のネックレスで
 7,8年前に「亡くなった母の形見のネックレス」として例の女性に見せていたのだ。

 それゆえ、例の女性カリスマ美容師・藤堂誠也(とうどうせいや)の正体が亜良木豪だということに気づかれてしまったのだ…!
 しかも男であることも暴かれてしまった。
 何度も整形して別人になりすまして逃げ回っている死刑になった殺人カルト教祖の息子だと…!

 正体を気づかれた『殺人二十面相』は例の女性を撲殺してしまい、
 母や兄たちと同じ『立派な殺人者の仲間入り』を果たしてしまった…。

 そしてこう思った。

 「こうなったらもう1人殺すも2人殺すも同じだよな。
 僕をしつこく追い詰めた『あの連中』…ついでにまとめて始末しちまうか…!!」



 はじめの部下・葉山まりん
殺人二十面相が『ついで』発言やコンビニに行くみたいな感覚で殺しを行っていたことに驚いていた。


 ―― 本物の『億野冴月』は、既に殺人二十面相に殺されていたのか…?――


 【青鬼蒼作に預けた実弾入り拳銃の行方】

 「そのために君はこの"乱歩展"を企画したっていうのか!?」

 ミステリ作家・青鬼蒼作は『殺人二十面相』に聞いていた。

 
 「ええ!
 いかがでしたか?
 僕が創り上げた殺人ミュージアムは!
 仕上がりはまあ半々ってところかな?
 名探偵のおかげで一人取り逃がしたからねぇ」

 と答えた殺人二十面相。

 「ふざけやがって!」と動こうとする赤峰に

 「おっと!動くなよ!?
 これがなんのリモコンかわかるかい?」
 「この会場には至るところに殺人の仕掛けがしてある。
 僕がこのリモコンのスイッチを押せば、この蔵に毒ガスが充満する…!!」

 赤峰は青鬼に『殺人二十面相』を撃つように言ったが、
 ためらっているようだったので拳銃を奪って拳銃を撃った


 その時『殺人二十面相』は

 「さぁ!それはどうかな?
 僕はこういうのには慣れているからね…!」

と言っていた。

 ・・・毒ガスこそ発生しなかったが、
 『殺人二十面相』は蔵から姿を消していた。

 キャスターの魚森流菜子床に血痕があるのを見つけた

 血痕を追うと二十面相の人形のところで途切れているのがわかった。
 人形からはマントがなかったので、
「それを奪って殺人二十面相は逃げたのでは」
とはじめは考えた。

 まりんが閉じられていたドアが開いていたのを見つけはじめや関係者たちは会場から脱出することができた。
 ケータイ・スマホの電波も来ていたのではじめ警察に電話し、
捜査一課の真壁誠警部を呼び出したのだ…。

 …殺人二十面相が逃走し、真壁警部がはじめの通報でやってきたときには
その翌日は池袋ハロウィンだった。
 
 ミクサライブの外は街も人も辺り一面ハロウィン一色で
 怪人二十面相の扮装をした御堂力也はお祭り気分に浮かれたコスプレイヤーに紛れ姿を消した…。

 ―― 実弾入りの拳銃を青鬼は撃たなかったか…。
 「青鬼は本物の億野冴月と実は父娘だった」という展開ではなかったか…。 ――

 
 【金田一一が御堂力也に想うこと】


 真壁警部ははじめに

 「またお前か。
 お前ってほんとに事件を呼ぶ男だな」

 と言われていた。

 逃げた殺人二十面相の足取りはさっぱりつかめていなかった
 銃で撃たれて怪我をしているようだったのですぐに指名手配するつもりだ、と真壁警部は言っていた。

 はじめは亜良木豪のオフィスを探し出しそこで殺された「もうひとりの女性(※おそらくは本物の億野冴月?)」も捜索するよう真壁警部に言った。

 
 ・・・まりん御堂力也について

 「なーんかスッキリしませんね!」と言っていた。

 
 「確かにあの人親がヤバ~イカルトな殺人者で本人もアレだったけど
 力也自身は真面目に成功しようとして頑張ってたわけでしょ?
 それがイケメンで才能があるからって寄ってたかってボコられたって感じで、
 なーんかこれじゃ周りが犯罪者に仕立て上げたみたいじゃないですか。」

 このまりんの発言に対してはじめは

 「そーねぇ、
 でも彼と同じ立場になった人が全員犯罪者になるとは俺は思わないよ?
 周りに対するちょっとした気遣いや思いやりがその後の人生を大きく左右することもある。
 やっぱり最後はその人本人の考え方だと俺は想うよ?」

 と言っていた。

 こうして殺人二十面相による恐ろしい殺人事件
 賑やかなハロウィンの煌めきの中静かに幕を閉じたはず……

 
 【赤峰の最期】

 ………と思われたが、続きがあった!

 赤峰は仕事仲間と池袋ハロウィンを取材中。
 殺人二十面相の件を記事にしようと思っていた。

 「もちろん俺は記事にするぞ?
 なんせ当事者だからな。
 リアリティが違うってもんだ!!

 いやー、ほんとあぶねーところだった!
 あの金田一っていう一見サエないPRマンがいてくれなかったら
 ほんとにぶっ殺されてたかもしんね―
な、俺も!」

 こう言っていた赤峰は後ろに仮装した人がいたのでカメラを回そうとしたが他の仲間が気づいたときには
 背中に刃物を一突きにされた状態で息絶えていた…!


 殺人二十面相は黒いフードをかぶっていて心のなかでこう言っていた。

 「(ハッピーハロウィン赤峰志堂…
 そして永遠にサヨナラ…)」

 
 ―― 『殺人二十面相』は『地獄の傀儡師』こと高遠遙一がバックにいたわけではなかったけど
『(おそらくは)本物の億野冴月』を殺したところで道を踏み外してしまったのかな。

 そして高遠の下僕・『十二神』の事件を2,3ほど解決したところでまた現れそうだなあ。 ――

 前回・今回登場した『元顧客の女』『本物の億野冴月』という解釈で良いのかな。
 それと赤峰には、もう少しばかりはじめが必要だったかな…。

 あと私のブログのコメントの中には
『元顧客の女』の遺族ははじめが拳銃を預けた青鬼では?」
というようなものもあったけど、
 関係者の中にはそういう人はいなかったみたいだなあ。 
 
 …さて、『金田一37歳の事件簿』はここで一旦お休み
 次号から『金田一少年の事件簿30th』『八咫烏村殺人事件』が始まるという。
 実写ドラマ『金田一少年の事件簿』の題名もどうなるかも気になるなあ。

 それにしても『金田一37歳の事件簿』では七瀬美雪(37)が現れなかったので
 本当の意味で久々の七瀬美雪
だなあ。


 【ソース】
 『イブニング』2022.01.25 NO.03
 『金田一37歳の事件簿』
 File96 ハロウィンの夜』 
 講談社 (p31~p52)

 現在『イブニング』で連載中の『金田一37歳の事件簿』は主人公・金田一一が仕事中にドワンゴのイベント『池袋ハロウィン』に合わせて豊島区のミクサライブで開催されたマスコミ関係者を集めた江戸川乱歩展本番前の内覧会にて『殺人二十面相』を名乗る犯人が起こした連続殺人事件に挑んでいる。

『殺人二十面相』による一連の事件では、次の3件の殺人事件と2件の殺人未遂事件が起きた。

 <殺人事件・1>
 カメラマン・葉狩京士郎が『赤い部屋』を再現した部屋の中で刺殺。
 <殺人事件・2>
 インスタグラマー・島咲蘭が『D坂の殺人事件』に見立てられ絞殺……ではなく、盆の窪をアイスピックのようなもので刺殺され絞殺に見せかけられていた。
 ちなみに葉狩と島咲の遺体には、殺人二十面相のメッセージカードが遺体の口に咥えられているという共通点があった。
 <殺人事件・3>
 ドワンゴ担当・船橋良介が犠牲になった。
 隠れていた『怪人の間』で後ろから鉄パイプで滅多打ちにされ殺され『緑色の鬼』に見立てられたが、
これは『殺人二十面相』にとっては予定外の殺人(イレギュラー)だったとはじめは推理していた。

 <殺人未遂事件・1>
 長身の週刊マンデー記者・赤峰志堂が狙われたが、
 『鏡地獄の間』にあるハシゴを登る赤峰を殺害する罠をはじめが気がついて罠を解除した。
 <殺人未遂事件・2>
 今度ははじめが狙われることに。
 葉狩殺害現場を調べるはじめを殺すべく『殺人二十面相』は人形に本物の銃を仕掛け、はじめを射殺しようとしていた。
 だがはじめはこの罠は赤峰に仕掛けられた「殺人装置」であると推理した。

 またこの事件の背景には
 カルト教団"パノラマ王国"の美人女教祖・御堂光河(みどうこうが)
10数年前に起こした『カルト教団"パノラマ王国"集団殺人事件』があった。
 光河教祖は"除霊"と称して集団リンチで20人以上殺害し、のちに5人きょうだいの末っ子の力也(りきや)を除く4人のきょうだいが実行犯として死刑になるかその前に自殺したという。

 
 ・・・赤峰は御堂力也を追っていたが、彼がカリスマ美容師だった頃はその名前ではなく
 『藤堂誠也(とうどうせいや)』という名前だったことが直近の『金田一37歳の事件簿』において、赤峰と『殺人二十面相』の会話から明かされた。

 また『殺人二十面相』は、はじめがすべての謎を解き明かした時

 「僕は天才アーティスト亜良木豪であり他にいくつも『顔』を持ち今回の事件を仕組んだ男…
殺人二十面相はこの僕さ!!」


 と言っていた…。

 【カリスマ美容師・藤堂誠也】

 殺人二十面相
 「赤峰と島咲と葉狩のおかげで自分の人生をメチャメチャにされた」
 と語っていた。

 特に、カリスマ美容師・藤堂誠也だった頃は
 島咲のパーソナルトレーナーを努めていたがしつこく言い寄ってきて
 交際を断ると島咲はスマホを片手にこう言ったという。
 
 「元カリスマ美容師の"藤堂誠也"さん。
 あたしSNSで幅広いから"親切"な知り合いも多くて!
 …わりとカンタンに調べついたよ?

 しかも"元カリスマ美容師"の正体はもっとすごいの。
 ククク…!
 あたしのフォロワーすでに大騒ぎだよ?」

 殺人二十面相はこう振り返った。
 
 「(…まったく!
 タチの悪い女につかまるとロクなことがない!
 似たようなことはこれまでもあったけどあの女のやり方はヒドかった」



 【インテリアデザイナー・水樹玲奈】

 「美しすぎる男はロクな目に合わない」
 と反省した殺人二十面相はインテリアデザイナー・水樹玲奈としてデビューした。

 今度は結構いい感じに成功しかけたが、葉狩が何かの取材で事務所に現れた

 何と葉狩は殺人二十面相がうっかり便座を上げたままにしたのを目ざとく気づき、裸の写真を隠し撮り
 雑誌にリークさせてしまったので殺人二十面相のキャリアはまたパーになり、
それどころか"大元の素性"までバレそうだったので海外に脱出せざるを得なかった
という…。


 ―― それにしても便座のくだりは、
 『金田一少年の事件簿・秘宝島殺人事件』を彷彿とさせるなあ。 ――


 
 【覆面アーティスト・亜良木豪】

 『殺人二十面相』の話は続く。

 「今度という今度は…
 僕は自分の美貌がトラブルを引き起こしてることに嫌気がさしてね。
 美容師だったころ撮りためた顧客の整形写真の中から地味で目立たない女の顔を選んで整形してもらい帰国したんだ。
 
 それからまたいろんな職業を転々とする中で僕は自分の美的センスとカリスマ性を確信するようになった。
 そこで今度はそもそも最初から顔のないアーティストとして
 様々なゲリラ的パフォーマンスを駆使して
 覆面アーティスト・亜良木豪の名前を売っていたんだ。」
 
 「仕事は順調だった。
 完全に匿名でどうしても現場に行ったり人に会うときは
 カツラやマスク、サングラス。時には覆面をかぶったりして
 絶対素顔はさらさない。
 ギャラの支払いは匿名性の高い仮想通貨を使った。」
 
 そこまで徹底的に正体を隠しながら僕は数々の賞を手にし、多くの美術や芸能ジャンル、
そして空間プロデューサーとしても評価されていった
んだ」

 
 【乱歩の蔵…殺人二十面相が隠れたトリック!】

 ・・・ここで金田一一の『殺人二十面相』による一連の殺人事件についての推理の続き
 
 はじめ『乱歩の蔵』での島咲殺しに関する推理を展開した。
そこで行われた密室トリックを部下の葉山まりんに再現してもらっていた。

 また見張り役には青鬼蒼作を指名していた。

 青鬼は『殺人二十面相』に

 「すみませんね億野さん。
 私だってこんなことはしたくないが…
 怪しい動きをするなら足を撃つくらい私はためらいませんよ。
 彼の推理には一定の説得力がありました。
 ここまで聞いたら私もあなたを疑わざるを得ない!


と言っていた。

 はじめは、
鹿倉美波と赤峰に蔵の中を確認…特にまりんの姿がないことを確認させた。

 次に魚森流菜子に入ってもらうと、まりんが扉のところに現れた


 …まりんは、2枚の扉の間にあるわずか50~60センチのくぼみに隠れていた

 特に、隠れていることをわからなくするためにタペストリーを使っていた

 実は、床に落ちていたタペストリーは裏は一面真っ黒だったのだ。

 「暗いところに黒い布でふさがれると
 ここに人が隠れてるなんてまず気づかないだろう


 殺人二十面相はそれを利用したのだ。

 …はじめの推理によると
 『殺人二十面相』こと億野冴月は島咲を次のような流れで島咲を手にかけた。

 1.葉狩殺害後ホールのひとつ下の脱出口を求めて階段を降りる前、
 島咲を何かしら言いくるめて島咲1人で乱歩の蔵に向かわせた。

 はじめが推理するに億野は島咲に

 「今までのことは全部"お芝居"で葉狩さんもちゃんと生きてる。
 次はあなたがいなくなってみんなを"驚かす番"」

 と言いくるめたとのこと。

 2.毒ガス騒ぎにどさくさにまぎれ島咲が待つ蔵に向かって彼女をアイスピックのようなもので殺害し、
 乱歩の『D坂』に見立てるために死体の首にロープを巻き付けて口にメッセージカードを咥えさせた。
 そして裏面真っ黒のタペストリーを用いて前述の隠れ場所に隠れた。

 3.関係者全員をやり過ごした後、タペストリーを床に放り投げて関係者たちのところに現れた。

 
 このトリックで億野が怪しいとはじめが気づいたのは黄金仮面の前を通った時の億野の発言だった。

 「あたしさっき合流する前にここを通ったけど…
 その時この仮面何もくわえてなんかいなかった!!」


 黄金仮面は合流するときに廊下の反対側から歩いて行ったのではニッチの奥に隠れて見えなかったのだ。

 「殺人二十面相に行動を監視されている」と思わせるための発言だったが、
 はじめに
 「億野こそ黄金仮面にメッセージカードをくわえさせた張本人で、
 集合する前に仮面が何もくわえてなかったことを誰よりも知っていた」

 と気付かされてしまったのだ…。


 はじめ
 「これでもまだだとおっしゃるなら、
 僕は警察にあなたの身体検査を依頼します!
 どんなに姿形を変えたって遺伝子までは変えられない…!
 あなたの性別はもちろん、あなたの親類に重大な犯罪歴があることなど一発でわかりますよ?」
 と言うと億野

 「ハハハハ やられたよ!
 僕は自分が天才だって自覚あるけど!
 あんたもなかなかのもんだぜ?金田一サン」


 と観念した…。 


 【1億4千分の1の偶然(前編)】

 『殺人二十面相』の過去に話は戻る。

 覆面アーティスト・亜良木豪として生きてきた『殺人二十面相』
 その平和な日々が『1億4千分の1の偶然』によって壊されたことを語った。

 あるイベントの空間プロデュースの設営現場で
ちょっとしたミスで薬品をかぶってしまい目に入った薬を洗い流すため慌てて女子トイレに駆け込んだら
 後ろから亜良木豪の顔と瓜二つの顔の女性が現れた
のだ…!



 ―― 整形した顔の元ネタの人物と鉢合わせ…!
 おそらくは亜良木豪の『殺人二十面相』としての最初の殺人フラグ…! ――


 『殺人二十面相』は整形こそしていたけれど性転換はしていなかったか。
 
 それにしても『殺人二十面相』の生き様は『地獄の傀儡師』こと高遠遙一を彷彿とさせるなあ。

 高遠も『殺人二十面相』に近づいていたりして…
 …でもその可能性はなさそうな気がするなあ。

 それにしても拳銃を持っている青鬼先生が暴走しないかが気がかりだなあ…。


 【スピンオフと、『金田一少年の事件簿』の復活】

 2022年は『金田一』30周年ということで

 新連載『きんにゃいち少年の事件簿』が『イブニング』で始まった。

 原作は天樹征丸・さとうふみや、漫画は佐藤友生 とのこと。

 鬼奴島(きやつとう)無人島ツアーで連続殺人事件を解決後帰路に着いたら猫になってしまった金田一一七瀬美雪、そして明智健悟警視の話。
 ちなみに明智警視はペルシャ猫になったらしく何とどんなモデルよりも美しい二足歩行を披露していた。

 また、2022年1月11日発売の『イブニング』では『金田一少年の事件簿』が再開。
『金田一37歳の事件簿』では姿が未登場の七瀬美雪が登場するという。

 新事件は『八咫烏村殺人事件』
 2週間後にダム湖の底に沈む秘境の地・八咫烏村で
 6年前の迷宮入り事件の謎を解くストーリーらしい。

 『金田一37歳の事件簿・殺人二十面相』は次回で完結するが『少年』と『37歳』を同時進行で進めるのか
 「37歳』をお休みして『少年』を進めていくのか今後の展開が気になるところだ。


 ―― 私としては、流石に掛け持ちは大変かな…( ゚д゚)  ――


 【ソース】
 『イブニング』2022.01.11 NO.02

 『金田一37歳の事件簿』
 File95 仮面の告白 
 講談社 (p297~p318)

 『きんにゃいち少年の事件簿』
 (p3~p14)

 現在『イブニング』で連載中の『金田一37歳の事件簿』は主人公・金田一一が仕事中にドワンゴのイベント『池袋ハロウィン』に合わせて豊島区のミクサライブで開催されたマスコミ関係者を集めた江戸川乱歩展本番前の内覧会にて『殺人二十面相』を名乗る犯人が起こした連続殺人事件に挑んでいる。

『殺人二十面相』による一連の事件では、次の3件の殺人事件と2件の殺人未遂事件が起きた。

 
 <殺人事件・1>

 カメラマン・葉狩京士郎が『赤い部屋』を再現した部屋の中で刺殺。
 
 <殺人事件・2>

 インスタグラマー・島咲蘭が『D坂の殺人事件』に見立てられ絞殺……ではなく、盆の窪をアイスピックのようなもので刺殺され絞殺に見せかけられていた。
 ちなみに葉狩と島咲の遺体には、殺人二十面相のメッセージカードが遺体の口に咥えられているという共通点があった。


 <殺人事件・3>

 ドワンゴ担当・船橋良介が犠牲になった。
 隠れていた『怪人の間』で後ろから鉄パイプで滅多打ちにされ殺され『緑色の鬼』に見立てられたが、
これは『殺人二十面相』にとっては予定外の殺人(イレギュラー)だったとはじめは推理していた。


 <殺人未遂事件・1>

 長身の週刊マンデー記者・赤峰志堂が狙われたが、
 『鏡地獄の間』にあるハシゴを登る赤峰を殺害する罠をはじめが気がついて罠を解除した。
 

 <殺人未遂事件・2>

 今度ははじめが狙われることに。
 葉狩殺害現場を調べるはじめを殺すべく『殺人二十面相』は人形に本物の銃を仕掛け、はじめを射殺しようとしていた。
 だがはじめはこの罠は赤峰に仕掛けられた「殺人装置」であると推理した。


 またこの事件では、
 赤峰カルト教団"パノラマ王国"の美人女教祖・御堂光河(みどうこうが)の息子・御堂力也(みどうりきや)を追っていたことが判明。
 はじめは御堂力也が芸術家・亜良木豪(あらきごう)の正体であり
『殺人二十面相』であると考えた。
 
 ちなみに光河教祖には5人の子供がいてその末っ子が力也だったという。
 光河教祖は今から十数年前に"除霊"と称して集団リンチで20人以上殺害したという。
 『カルト教団"パノラマ王国"集団殺人事件』と当時のマスコミで報じられたという。
 
 光河教祖はだいぶ前に死刑になったらしい。
 実は光河教祖には5人の子供がいてその末っ子が力也だった。
 上のきょうだいは自殺あるいは実行犯として死刑になったとのこと。

 赤峰は集団リンチ事件発覚後当時未成年であった力也のその後を追っていた
 力也を追うきっかけは週刊マンデーに
 「あるイケメンカリスマ美容師が無免許だった」というタレコミが来たこと。
 赤峰が調べるとそのイケメンカリスマ美容師が行方をくらました御堂力也であったことが判明
 これに関する記事を書いたら大スクープになって世間が大騒ぎだったが、後に力也が赤峰の前に現れて
 「あんたのことは一生忘れない。必ず復讐するよ?何年経っても…!」
 と言い残して去っていったという…。


 …はじめは前回第11話で関係者たちに葉狩殺しのトリックについて説明し、
これを実行できた犯人『殺人二十面相』を指差した…

 
 【御堂力也は『男の娘』!?】

 はじめが指したのは、ウェブデザイナー・億野冴月だった。

 『いくつもの顔を持つ犯罪者』とはじめは言った。

 億野ははじめの発言に対し、
 
 「いくら正体不明と言ったって亜良木豪って男の人でしょ?
 あたしも以前仕事で紹介されてあったことあるけど、手袋にサングラス大きなマスクで顔を隠していたけど声はフツーに男の人だった。
 その時他の人もいたから聞いてみるといいわ!」


 と反論したが、はじめ

 「確かに、亜良木氏が人と会うときはいつもそうしていると聞きますし、そのときはちゃんと"男"の声でしゃべってるんでしょう。
 でもその程度の演技はあなたにとってどうってことないんじゃないですか?
 乱歩の描く二十面相のように男にも女にも化けられるあなたならね…!


 と言った。

 「そんな昔の探偵小説と一緒にしないでよ!
 それに第一私が犯人だっていう根拠とやらまだ聞いてもないけど?」
 
 と億野は更に反論。

 キャスターの魚森流菜子
 「そうですよ!さっきの赤い部屋のトリックが犯人に仕組まれたものだとしてもそれがなんで億野さんにしかできないんですか?

 と付け加えた。


 その時、ブロガー・鹿倉美波が口を開いた……。


 ―― それにしても力也がいわゆる男の娘なのか
あるいは性転換なのかがわかるのは
 まだ少し先の話か…。 ――


 【思い起こされる『高遠少年の事件簿』のワンシーン (※修正・追記含む)】

 「億野さんにしかできないかも…」

 鹿倉は言った。

 「だってあたし覚えてるもの!
 あのときひとつ目の双眼鏡を覗いてみんなで移動したときに、億野さんが最後まで双眼鏡の前でもたもたして…
 あたしてっきり落とし物でもしたのかと思ったけど…」

 億野はこれについて

 「そうよ?鹿倉さんだってみんな先行っちゃうから
 あたし慌てちゃってうっかり落とし物しちゃったのよ!」

 と言った。

 
 この時はじめが言った。

 「落とし物?丈夫なテグスとかですか?」

 このとき億野はハッとしたような素振りを見せた。

 「そしてテグスと布を回収する時間稼ぎのために出てきたのが黄金仮面のメッセージだ。
 ああでもしてバラバラ行動にさせないと回収するチャンスはなかったですからね」

 はじめはこう続けた。


 ―― それにしても億野がもたついていたシーンは
 『高遠少年の事件簿』で最初の殺人が起きたときにヘナヘナと座り込んでいたある人物を彷彿とさせるなあ…。 ――


 【ついに明らかになる、船橋が見つけたもの!】

 はじめの話は続く。

 「テグスと布を回収する億野だったが、中庭には先客として船橋が来ていて赤い布を見つけたので彼を後から鉄パイプで殴って殺した
 「その時遺体の下にあった芝に貼り付いたまま残った両面テープには気がつかなかった

 …というようなことを話した。

 ちなみにその時の億野は

 「(なんでお前がこんなとこにいるんだよっ!?
 おかげでいらん仕事が増えちまったじゃないか!!)」
 と思っていた…。
 
 【船橋が見つけたものの隠し場所と、銃の撃鉄の目的】


 はじめの話はさらに続く。

 「赤い部屋に吊るされたあの布は天井から降りてきた人形の着物の中に隠してありましたよ。
 警察が調べるときは人形は天井に収納されているだろうし、着物を脱がせてまで調べないからわかりっこない。」

 はじめは人形を見た瞬間にここに例の布が隠されていることに気がついた
 それについてミステリー作家・青鬼蒼作になぜそう思ったかを聞かれた時はじめはこう答えた。

 「あの人形の銃に撃たれたことによって俺は犯人の"奇妙な行動"に気づいたんです。
 赤い部屋で殺人事件が起きたときには人形が降りてきてもピストルが発射されることはなかった。
 ってことは、犯人が撃鉄を起こしたのはその後
ですよね?
 だとするとそれが起きたタイミングは全員がパラバラで行動した時…つまり船橋さん殺しが起きたあたりしか考えられません
 中庭で予定外の殺人をやって時間に余裕のないはずの殺人が
成功率の低い銃の殺人装置を仕込むためだけにわざわざ人形の上げ下げという時間のかかる作業をやるだろうか?
 何か『他にも目的があったんじゃないか』と考えたんですよ。

 赤い部屋のトリックに使った仕掛けの布を隠すことです!
 銃の撃鉄はあくまでそのついでだったんじゃないでしょうか。」

 またはじめ犯人側から思考を追っていった

 「船橋を殺した犯人はまず布を隠した部屋に来て人形のピストルの撃鉄を起こしておいた
 それはハシゴのトリックが失敗した時の保険として…」

 はじめは保険のために仕掛けられた殺人装置に撃たれなければ隠し場所に気づくことはなかったので
 犯人に対して「墓穴を掘りましたね」と言っていた。

 だが億野は反論した。

 「その布が証拠とか言うわけ?指紋でもついてるって言うの?
 私はやっぱりこの中に犯人なんていなくてどこかに隠れ潜んでると思うな。
 いえ、もう逃げちゃったかもしれないけど…!」

 【蔵に入ったタイミング】

 億野は

 「それに2人目の島咲さんが殺された密室殺人事件はどうなの?
 あの時犯人すら外に出ることができない完全な密室状態の蔵を
 金田一さんたちが自ら鍵を開けて死体を発見した…
  でもあたしが蔵に来たときは金田一さんが扉を開けた後よ。そうでしょ?」

 これについて魚森は
 「あ…!そうみたいですね、その後私が来て…」
 と言ったので億野は

 「密室の蔵に私は金田一さんより後に来たの…!
 わかる?
 これってつまり "二重の不可能"じゃないかしら?」

 と言った。

 はじめは関係者たちと一緒に現場となった乱歩の蔵に移動した。


 ・・・はじめは、まりんと船橋と蔵前で合流した赤峰と蔵に入ろうとした時のことを振り返った。
 開けっ放しのはずの扉の蔵には鍵がかかっていて船橋が持っていた鍵で扉を開け、
 さらに奥のスライド式の鍵のない扉も開けて中に入った時
を。

 …このときは後から億野が現れ、すぐ後に魚森が入ってきた
 魚森ははじめの部下・葉山まりんに

 「葉山さんたち5人はずっと一緒だったんですか?」と尋ねていた。

 魚森の問いにまりんは
 
 「いえ、あたしたちも最初はバラバラだったんですよ」
 
 と答え、魚森は

 「あたし一人だったから生きた心地しなかった。
 本当よかった!」

 と答えていたが、この一連の会話を聞いた時はじめ小さな違和感を覚えていた。

 蔵の前はほぼ視界を遮るものはなく、あのタイミングならば蔵の中に入っていく億野の姿を必ず見ていたはず。
 魚森が「5人ずっと一緒だった」と言ったのは、
億野を『見てなかったからこそ』言ったのでは
とはじめは思っていた。

 「でもなんでだろう!?ちょっと暗かったけど見えないほどでは…」
 と思う魚森に対してはじめは言った。


 「億野さんが蔵に入ったのはあの時ではなかったんです。
 むしろ我々より先に蔵の中に入ったんですよ、島咲さんを殺すためにね!」



 【実弾入りのピストル】

 はじめは乱歩の蔵のトリックを再現しようとした
 はじめが先に蔵に入り、ネタバレしかねない億野を除いて後で皆が先に入るように言った。

 また、億野の見張り役として青鬼を指名
 「1人にしたらこの場からまんまと逃げ出しまた別の顔で姿をくらますかもしれない」とはじめは考えていた。
 
 赤い部屋から持ち出した実弾入りのピストルで億野を見張るように言った

 この時億野はこう思っていた。
 「(金田一…!こいつ思ったより手強い!!
 だがこのままでは絶対に済まさないぞ。
 そもそもこの僕の仕組んだトリックをお前がすべて解き明かしたなんてハッタリにすぎない!
 そして僕が犯人だという証拠なんかどこにもない!!
 まだ勝負は終わってないぞ金田一耕助の孫とやら…!!
)」


 ―― 億野よりは実弾入りのピストルを持った青鬼が
犯人の独白後に暴発しそうな予感がする…
 そこが心配するところだなあ。 ――


 『金田一少年の事件簿』の『秘宝島殺人事件』と『学園七不思議殺人事件』では
 前者は犯人とは全く関係ない人が、後者は犯人が殺した過去の事件の犠牲者と実は関係のある人が暴発していたので…。
 
 今回の事件の関係者の中に億野を除いて「パノラマ王国」の関係者がいそうな気しかしないなあ…。
あるいはその遺族か…?
 
 それにしても、先に蔵に入った億野の隠れ場所。これもトリックアートによるものかな。

 でも、自分は億野よりは青鬼の動きが次回以降は気になる…!

 
 【追記】
 2021年最後の『イブニング』には
 『きんにゃいち少年の事件簿』が登場するらしい。
 来年は『金田一』シリーズ30周年とのことだが
 はじめたちが猫化とは…!(ΦωΦ) 
 …あ、寅年だから猫か。

 【ソース】
『イブニング』 2022.01.01 NO.01
『金田一37歳の事件簿』
 File94 二重の不可能 
 講談社 (p269~p290)

 現在『イブニング』で連載中の『金田一37歳の事件簿』は主人公・金田一一が仕事中にドワンゴのイベント『池袋ハロウィン』に合わせて豊島区のミクサライブで開催されたマスコミ関係者を集めた江戸川乱歩展本番前の内覧会にて『殺人二十面相』を名乗る謎の人物が起こした連続殺人事件に挑む……そんな事件が展開されている。

 『殺人二十面相』
 この事件では3件の殺人事件が起きている。

 1件目はカメラマン・葉狩京士郎が『赤い部屋』を再現した部屋の中で刺殺。
 2件目はインスタグラマー・島咲蘭が『D坂の殺人事件』に見立てられ絞殺……ではなく、盆の窪をアイスピックのようなもので刺殺され絞殺に見せかけられていた。
 この2件には殺人二十面相のメッセージカードが遺体の口に咥えられているという共通点があった。

 3件目はドワンゴ担当・船橋良介が犠牲になった。
 隠れていた『怪人の間』で後ろから鉄パイプで滅多打ちにされ殺され『緑色の鬼』に見立てられたが、これは『殺人二十面相』にとっては予定外の殺人(イレギュラー)だったとはじめは推理していた。


 次に狙われたのは長身の週刊マンデー記者・赤峰志堂
 『鏡地獄の間』にあるハシゴを登る赤峰を殺害する罠をはじめが気がついて罠を解除した。
  そのためか、今度ははじめが狙われることに。
 葉狩殺害現場を調べるはじめを殺すべく『殺人二十面相』は人形に本物の銃を仕掛け、はじめを射殺しようとしていた。
 だがはじめは罠を何とか避けて、この罠は赤峰に仕掛けられた「殺人装置」であると推理した。

 【『殺人二十面相』の最重要人物】

 前回第10話では、はじめが赤峰に心当たりがないかを思い出させていた
 すると2人の人物が浮上。

 ・御堂光河(みどうこうが)
 ・御堂力也(みどうりきや)

 
 御堂光河はカルト教団"パノラマ王国の美人女教祖で、今から十数年前に"除霊"と称して集団リンチで20人以上殺害したという。
 『カルト教団"パノラマ王国"集団殺人事件』と当時のマスコミで報じられたという。
 
 光河教祖はだいぶ前に死刑になったらしい。
 実は光河教祖には5人の子供がいてその末っ子が力也だった。
 上のきょうだいは自殺あるいは実行犯として死刑になったとのこと。

 赤峰は集団リンチ事件発覚後当時未成年であった力也のその後を追っていた
 きっかけは週刊マンデーに
 「あるイケメンカリスマ美容師が無免許だった」というタレコミが来たこと。

 赤峰が調べるとそのイケメンカリスマ美容師が行方をくらました御堂力也であったことが判明
 これに関する記事を書いたら大スクープになって世間が大騒ぎだったという。
 
 その後力也が、赤峰のところを訪れてこんなことを言っていた。

 「僕の人生を台無しにしたね?
 あんたのことは一生忘れない。
 必ず復讐するよ?何年経っても…!!」

 力也の発言に対し、
 「まぁ20歳を超えたくらいの若造の戯言なんざ当時イケイケの俺はすぐに忘れちまったけどね。
 でもその後力也はどうなったかって思うことはあったよ?」

 と赤峰は振り返っていた…。


 【『殺人二十面相』は
 天才アーティスト・亜良木豪(あらきごう)の別の顔】


 「『殺人二十面相』はこの中にいる!」

 はじめが関係者たちに言うと、次のように関係者たちは反応していた。

 <週刊マンデー記者・赤峰志堂>
 お、おいちょっと待てよ!
 あんた本気で言ってるのか金田一さん!!
 
 <キャスター・魚森流菜子
 そんな!あたし…
 たまたまキャストに選ばれただけですよ!?

 <ミステリー作家・青鬼蒼作
 私だってそうだよ!
 むしろ巻き込まれて迷惑してるんだ。

 <ウェブデザイナー・億野冴月
 あたしもここのサイトデザインを任されて
 その確認でここに来ただけなのに…!

 <ブロガー・鹿倉美波
 あ、あたしだって!!
 亡くなった船橋さんと以前仕事した縁で呼ばれただけよ!!

  はじめは今回の事件について

 「本当にたまたま呼ばれた方も混ざっているのがこの犯人の計画の巧妙なところ
 それによって本当の動機が見えにくくなっているわけですから…」

 「だがもしこの事件の犯人『殺人二十面相』の正体が
この展示を企画し作り上げた天才プロデューサー亜良木豪氏
だとしたら、
 ターゲットだった赤峰さん、殺された島咲さんそしてトップ屋カメラマン葉狩さんのように
 マスコミやSNSに関わる人間をPR目的でここに集めることは難しくなかったはずだ!」

 と言っていた。

 それを受けて赤峰が

 「確かに!
 俺は主催者からギャラが出るってんで飛びつくようにここに来たんだ。
 カメラマンの葉狩さんやインスタグラマー島咲さんも同じだったかも
…」

 と言った。

 はじめは

 「恐らくそうでしょう。企画トップに君臨する亜良木氏がターゲットを指定して招待させたんです。」

 と言い、鹿倉の「なんで亜良木豪が殺人二十面相であることが言えるのか」という質問に対しては

 「赤峰殺人未遂で、鉄ハシゴを背の高い赤峰専用にしつらえて登り切る直前で鉄棒が抜け落ちる仕掛けは会場を作らせた人間以外にできるはずがない

 と返していた。


 はじめは、「関係者たちのうちの誰かが天才アーティスト亜良木豪の"別の顔"」と見ていたのだ…。

 
 また葉山まりんは亜良木氏について

 「この何年かは活動を停止していたが今回急にまた仕事を再開してその初仕事江戸川乱歩展のプロデュースだった」

 と付け加え、はじめが

 「恐らく活動停止の間に別の顔を作ったんだろうね」

 と言っていた…。


 【両面テープとホチキスと壁の絵】

 「最初にあの赤い部屋で事件が起きたときのことを思い出してみてよ」

 億野が言った。
 
 「あの時は全員が一緒になって廊下を歩いていたのよ?
 そして最初の双眼鏡で覗いた時は確かに部屋にはなにもなくて
 少し先の2番目の双眼鏡を覗いたら人形と一緒に葉狩さんの死体が現れた。
 その間ほんの3~4分だったし、それってここにいる全員にアリバイがあるってことにならない?」

 それを受けて魚森も

 「そうですよ!死体を運び込むチャンスはあの場にいた私たちにはなかったわけですし…」

 と付け加えた。

 それに対してはじめは

 「それこそが犯人が仕組んだ巧妙なアリバイトリックだった」

 と言っていた。


 ・・・はじめは船橋の死でトリックに気がついた

 船橋の身体に付着していた人工芝の破片を見て、それが敷き詰められている中庭が本当の殺害現場ではないかと考えていた。
 全員でその場に向かってみた時はひとつ目の双眼鏡のある窓の下辺りに両面テープの切れ端が落ちていたのを見つけた。
 その両面テープにはホチキスを留めた穴があり、
 「(両面テープには本来は両面に粘着力があるのになぜホチキスで留める必要があったのか)」と考えた。
 そして関係者たちにはこれについて

 「ホチキスは"ある物"を"ある場所"にくっつけるために使われた」
 「犯人は両面テープがくっつけた"ある場所"に残らないようホチキスで留めた」


 と説明していた。

 はじめは、赤い部屋の壁のところに壁の塗料がほんのわずか剥がれている部分があったのと、
 天井に何かを貼り付けて剥がしたような跡、
 そして隅の方に鋲を指したような穴があったのを見つけていた。

 そして

 「犯人は"ある物"を貼り、死体を一時的に消してみせた後、仕掛けを回収した。
 これは仕掛けが剥がされた痕跡なんです。」

 と言っていた。
 
 
 【『赤い部屋』を見ていたのではなく…】

 「ヒントはあの壁の絵です」

 はじめは壁の絵を見せていた。

 壁の絵には額があったけれども、実は額も描かれたポスター。
 
 つまり壁の絵は一枚の壁に貼り付けたポスターでありいわゆるトリックアートだったのだ。

 そしてはじめは赤い部屋の人形のトリックであわや殺されかけたことを伝え、

 「そのおかげで一つ見つけたものがあった。それを使って今からこの事件のトリックを再現してみせる」

 と言った。

 …はじめは関係者たちを最初の事件を目撃した暗い廊下に待たせて
 10分後に1つ目の双眼鏡を順番に覗かせた。

 すると人形と葉狩の死体が片付いていたことに皆気がついた

 赤い部屋の前に来るようにまりんが皆を誘導した。
 はじめは関係者たちに部屋を覗いた感想を聞いていた。

 青鬼が
 「葉狩さんの死体は君がどこかに運んだのかね?」と聞くと、はじめは

 「僕は彼の死体を1ミリも動かしてませんよ

 と返した。

 そして
 「実は皆さんはこれを見てたんですよ」

 と、はじめはタネ明かしをしてみせた。

 室内を描いた大きな赤い布が部屋の真ん中に垂れ下がっている。

 …これを皆、双眼鏡を通して見ていた
のだ。

 トリックアートと同じ原理で特定の角度から見ると立体感や奥行きも含めて例の窓から部屋を覗き見たのと全く同じ状況が布の絵には再現されていたのだ…!


 …犯人は前日深夜会場に忍び込み赤い部屋に用意した布を両面テープなどであらかじめゆるく貼り付けておいた。
 
 それから内覧会当日。
 フリータイムの15分間に『殺人二十面相』は、適当なことを言って葉狩を赤い部屋に誘い込んで殺した。
 殺人二十面相は葉狩殺害後、彼をソファーに座らせて何食わぬ顔で皆と合流した。
 つまり、関係者たちが双眼鏡で覗いた時は既に葉狩は殺されていたのだ。
 言い換えると、トリックアートの絵が描かれた布の向こう側には死体となった葉狩が初めからソファーに座らされていたのだ。



 【犯人は◯◯◯やってきた】
 
 「赤い部屋は薄暗い上にそれを見るのは視野の狭い双眼鏡だけ…
 あれをひと目でトリックアートと見破ることはなかなか出来ないでしょう」

 「そしてトリックのこの布の端には丈夫なテグスがつけてあり
それはガラスのない庭を抜けて中庭を渡り、黒い紙で塞がれた双眼鏡の窓の下の隙間に通してあるんです。」

 こう言ったはじめは、

 「葉山クン準備はいいかい!」と言った。

 するとまりんが

 「いっせーの…せーっ!」

 と言ってテグスを手繰り寄せて引っ張ると、トリックアートの布が壁から剥がれた


 「壁から剥がれ布はそのままテグスに引っ張られ枠だけの窓を通り抜け、
 人が立ち入らない中庭に音もなく落ちる。

 そして手繰り寄せたテグスは黒い窓の端から丸めて捨て、
 さももたついて遅れたかのような顔で最後に僕たちと合流する…」

 そうはじめが説明すると、鹿倉

 「え…?ちょっと待って!それじゃ犯人って…!!

 と反応。

 はじめは
 「わかりますか?皆さん。
 この流れでこのトリックを実行できた人はひとりしかいない!
 殺人二十面相は………あなただ!


 と、『ある人物』を指差した・・・!!


 ―― 『イブニング』2021年15号(『File 84 殺人二十面相』)を見ると、
確かに遅れてはじめたちの後を追ってきた人がいたなあ。 ――


 でも『金田一少年の事件簿・秘宝島殺人事件』の佐伯航一郎とは違う形で変身していると思うなあ。
 今は整形…というか『転換』の技術も発達しているだろうし…。

 それにしても船橋が死ぬ直前に見つけたのは葉狩殺しで使われたトリックアートの巨大な布だったのかな。
それとも島咲殺しの時に使った別の何かか…?

 それには犯人にとって言い逃れの出来ない痕跡が残ってるかもしれないなあ。

 島咲殺しについても、トリックアートの仕掛けがありそうな気がするなあ。
 殺人二十面相が身を隠すためにトリックアートを使ったのかな?

 でも亜良木豪については殺人二十面相こと御堂力也ではなく、その母・御堂光河こそ初代なのでは、と自分は思う…。
 彼女が人殺しカルト教団教祖に堕ちたのは相当なことがあったのかも、だなあ…。


 【ソース】
 『イブニング』 2021.11.23 NO.24
 『金田一37歳の事件簿』
 File93 亜良木の絵図 
 講談社 (p265~p292)  

 【はじめに】
 現在『イブニング』で連載中の『金田一37歳の事件簿』
『◯◯殺人事件』のような明確なタイトルが見つからなかったけれども
直近の私のブログに来たコメントから今回の事件は『殺人二十面相編』と決まっているそうなので、
このブログでも今回よりこの事件を『殺人二十面相』と呼ぶことにします。

 …最近の事件は『怪人二十面相』ならぬ『殺人二十面相』を名乗る謎の連続殺人犯に主人公・金田一一が挑む話。

 事件の舞台はドワンゴのイベント『池袋ハロウィン』に合わせて豊島区のミクサライブで開催されたマスコミ関係者を集めた江戸川乱歩展本番前の内覧会で、はじめと部下の葉山まりん、ドワンゴ担当・船橋良介ら内覧会の参加者たちが殺人二十面相のメッセージカードに踊らされ、会場に閉じ込められることになった。
 そして3件の殺人事件と1件の殺人未遂事件が起きた。
 1件目はカメラマン・葉狩京士郎が『赤い部屋』を再現した部屋の中で刺殺され、
 2件目はインスタグラマー・島咲蘭が『D坂の殺人事件』に見立てられ絞殺…
…ではなく、盆の窪をアイスピックのようなもので刺殺され絞殺に見せかけられていた。
 この2件には殺人二十面相のメッセージカードが遺体の口に咥えられているという共通点があった。
 3件目は船橋が犠牲になった。
 隠れていた『怪人の間』で後ろから鉄パイプで滅多打ちにされ殺され『緑色の鬼』に見立てられた…
…と思われたが、実はそうではないことが直近の『金田一37歳の事件簿』ではじめによって明かされた。
 そして4件目は『鏡地獄の間』にあるハシゴをを長身の週刊マンデー記者・赤峰志堂が登ったが、はじめがそれに赤峰を殺す罠があると気がついて罠を解除した。
 このことで殺人二十面相ははじめもターゲットにすることにし、
 特に前回は、はじめも赤峰殺害現場のピストルを持った人形に仕掛けられたピストルで撃たれて倒れてしまった………?

 …という衝撃の展開だった。

 だが、はじめは床にダイブして間一髪で弾を避けていた…!


 【はじめを狙った『殺人装置』は本来は…】

 ―― 『殺人二十面相』の一人称は「僕」なのか…。 ――

 直近の『殺人二十面相』第10話では、
はじめが撃たれて(?)倒れた時『殺人二十面相』はこう思っていた。

 「(…ドンピシャリ…!)
 僕の仕掛けは見事に彼を撃ち抜いてくれた。
 悪いねぇ…!
 君にはなんの恨みもないけれど……
 僕のジャマばかりするからだよ?)」

 けれどもはじめが指を動かして起き上がったのを見て驚いた。

 「あせったぁ~~~~!!
 オモクソ床ダイブして頭打っちまいましたよ~」


 こう言ったはじめに関係者たちは呆気にとられていたようだったが、
 まりんは「主任~~!!」と言い、ひしっとはじめを抱いていた。

 青鬼蒼作
 「金田一さん!!
 君はふざけてるのかね!?」
 と言ったが、
 「いえ!青鬼先生!
 撃たれたのは本当です!!
 現にホラ!
 あそこに僕を狙った銃の弾が…!」

とはじめは言いそれを見せていた。

 赤峰が
 「じゃあやっぱり人形があんたを撃ったってのは…」と言った時はじめは

 「ええ!本当です。
 …ってか床に頭ぶつけて思い出したんですけど…
 もともとあのピストル持った人形は天井から降りてくると引き金を弾いて銃声を鳴らす仕掛けだったんですよ!
 …ただ鳴らすのは本物の銃ではなくフツーのモデルガンのはずだったんですけどね!」


 と言った。

 これに対してキャスターの魚森流菜子
 「やっぱりそうだったんですよね?
 そこのところ台本と違ってて変だなって…」
 と言った。

 魚森の話によると
 「台本では最初の双眼鏡を覗いた後銃声が聞こえるはず。
 それで魚森が次の双眼鏡を覗くように皆を誘導するはずだった。
 でも銃声はならなくて、どうしようと思ってたら皆が次の双眼鏡を覗いていたので
 ま いっかなー、と思った」

 

 それを聞いたまりんははじめに
 「主任、それって…」と言った。

 
 魚森の話から、はじめは関係者たちにこう言った。
 
 「それはつまりあの時すでに人形の銃が引き金を引けば何度でも音が出るモデルガンじゃなく
 本物の銃にすり替えられてたから
じゃないでしょうか?」

 「見てください。この銃はいわゆるリボルバーで撃鉄が上げてあって
 からくり人形が引き金を引いても発砲しないようになってた
からです。
それを誰かが…おそらく我々が葉狩さんの死体を見つけた後にこっそり撃鉄を下げておいた…!!」

 「銃の照準はあの人形を上げ下げするスイッチボタンの辺り…
 しかもあのボタンは長押ししないと動かないタイプなんです。
 だから、人形が降りるまではずっとボタンを押したままでそこに立つことになり…」


 …この時はじめに銃が発砲されたが、はじめは一応間一髪で助かったことを明かしていた。

 それを聞いたウェブデザイナーの億野冴月は
 「なんて恐ろしい…!」
 青鬼は
 「人形が空砲を撃つからくりを利用して人を殺すなんてとんでもないことを思いつく犯人ですよ!」
 と言った。

 そして赤峰
 「いや、あんたラッキーだったな!あの高さじゃ心臓あたりだから俺じゃ助からんかったわ。」
 と言ったが、はじめ

 「そりゃそうでしょう。
 照準の高さから見てもこれは赤峰さん、あなたを狙った殺人装置なんですから!
 と言われ

 「ま…また俺!?
 どんだけこの犯人は俺を殺したいんだよ!?」

 とうんざりした様子だった…。


  【カルト教団『パノラマ王国』教祖・御堂光河と、
 その5人の子供の末っ子・御堂力也】



 「赤峰さん、よーく考えてみてください!
 なにか思い当たることはありませんか?
 これだけ命を狙われるような恨みをどこかで買ってないか…
 それが今回ターゲットに選ばれた3人の隠された共通点…殺人二十面相の正体を知る手がかりになるかもしれないんです!」


 はじめは赤峰に殺人二十面相に恨まれ命を狙われる心当たりを思い出してほしいと迫っていた。
 
 「自分と船橋が命を狙われたのはあくまでイレギュラーで
 犯人の真のターゲットは赤峰・葉狩・島咲の3人。
 この3人に仕掛けられた会場内の仕掛け…”殺人装置”は多分これだけではない。
 いくつも残っているはず
。」

 こう考えていたからだ。

 
 …頭をかきむしりながら
 「わっかんねぇよ!
 そりゃ週刊マンデーの汽車なら恨み買うこともあるけどさ、殺されるほどの恨みなんざ…」
 とぼやいていた赤峰は「あること」を思い出した

 「ここにいる人にゃ関係ないしもうだいぶ前の話なんだが…
 カルト教団"パノラマ王国"集団殺人事件。10数年近く前に起きた事件だけど覚えてます?」
 
 赤峰が話した『パノラマ王国』については…

 ・美人女教祖 御堂光河(みどうこうが)
 ・御堂光河は"除霊"と称して集団リンチしていた
 ・施設内で20人以上を殺し世間を騒がせていた(※青鬼・談)
 ・光河教祖はだいぶ前に死刑になったはずと聞く(※青鬼・談)

 …赤峰は、光河教祖の5人きょうだいの末っ子の息子・御堂力也(みどうりきや)を追いかけていた。
 当時力也は未成年だったという。
 集団リンチ事件発覚後きょうだいは自殺したり実行犯として死刑になった。
 なお力也は直接犯罪に関わってなかったということで施設送りになりその後姿を消した

 …その数年後、週刊マンデー
 「あるイケメンカリスマ美容師が無免許だった」というタレコミが来た。
 その人をよくよく赤峰が調べると、イケメンカリスマ美容師が行方をくらました御堂力也であることを赤峰は掴んだ。
 彼いわく、
 「当時の御堂力也は元々美形の上に
 整形手術で更にイケメンになってカリスマ美容師としてそーとー稼いでた」
 「あのときはほんとスクープだった。俺の記事で世間中が大騒ぎ」 
 
 その後力也はどうなったかについては、
 彼が全部ほっぽり投げて消える直前、赤峰のところを訪れてこんなことを言っていた。

 「僕の人生を台無しにしたね?
 あんたのことは一生忘れない。
 必ず復讐するよ?何年経っても…!!」


 力也の発言に対し、当時の赤峰は
 「まぁ20歳を超えたくらいの若造の戯言なんざ当時イケイケの俺はすぐに忘れちまったけどね。
 でもその後力也はどうなったかって思うことはあったよ?」

 と言った。


 【第3のターゲット・赤峰志堂が考える葉狩京士郎と島咲蘭が殺された理由】

 さらに赤峰は力也のそれから数年後の事を話した。

 「今度はあいつ、ネットですっぱ抜かれてやがったよ。
 どっかのインスタグラマーが売り出し中のイケメンパーソナルトレーナーの正体が実は御堂力也だって言い出して ちょっとした騒ぎになったんだ。
 本人は認めなかったらしいし、顔も全然違ってたんだけど
 『ただ整形で顔を変えたのかも』なんて俺は考えたっけ…!」

 はじめは
 「もしかしてそのインスタグラマーって…」と話すと
 赤峰は
 「名前は覚えていないが、女だった」
 と話し、
 「それが殺された島咲蘭さんだったとしたら…
 …まぁ、そういう可能性もあるかな?
 今まで考えもしなかったけど…」
 とはじめに語った。


 ・・・はじめは赤峰に聞いた。
  「もしかしたら最初に殺されたカメラマンの葉狩さんも
 その辺なにか関わってた
んじゃないですか?」

 「ええ!?
 いや俺はあの人が力也を追ってたなんで聞いたことないけど…
 でもあの人はかつて"マムシの葉狩"って言われたほど執念深くネタを追っかける人だったからなぁ。
 もしかしたらどこかで力也を追いかけたことがあった
のかも……」
 
 赤峰はこう言っていた。

 ・・・はじめは赤峰の話から
 「殺人二十面相は顔を変えながら姿を隠し続けてる"御堂力也"の可能性が高いな…!」
 
 と考えた。

 ―― 亜良木豪「・・・。」

 『亜良木豪』は御堂力也の別名義かも、だなあ。 ――


 【追い詰められた殺人二十面相(御堂力也(?))】

 はじめと赤峰の会話を聞いていた『黒い人』(殺人二十面相)はこう思っていた。

 「(くそっ!!
 赤峰と金田一を殺しそこねたせいでこの僕がここまで追い詰められるとは…!
 いや…慌てるな!
 赤峰はまた次の機会に殺せばいい。
 とにかく今はやり過ごせ!!
 大丈夫、まだ殺人二十面相の正体は……)」


 …赤峰との会話に一区切りついたはじめは言った。

 「ま、殺されないで済んでよかったですよ!赤峰さんも僕も…!!
 それに…
 どうやら僕が殺されかけたおかげで謎がすべて解けちまいましたよ!」

 この発言にまりんや関係者たちが驚く中、はじめは言った。


 「この江戸川乱歩展の閉ざされた会場で3人もの人間を乱歩の作品に見立てて殺害した真犯人
 殺人二十面相はこの中にいる!」



 ―― 「『悲報島』の衝撃、男の娘再び」、かな?
 しかも今回は『ボクっ娘』の模様…( ゚д゚)
 別の別の青少年向けの有名作品だと『月光』の衝撃、かな? ――


 自分が思うに今回の『殺人二十面相』(黒い人)は
なんとなく眼鏡をしているような輪郭があったなあ。

 また「亜良木豪」の正体ははじめは前回第9話では『殺人二十面相』とみていたけど
亜良木豪の正体は『殺人二十面相』の母である
カルト教団『パノラマ王国』教祖・御堂光河なのでは、と自分は思うなあ。

 『パノラマ』というのは辞書によれば
 「高いところから広い範囲をを見渡したような感じを出すために室内に半円状に遠方の景色を描いて前景に人形や草木を置いた仕掛けのこと」
とあったなあ。
 
 亜良木豪…もともとは『パノラマ王国』教祖・御堂光河に墜ちる前のアーティストとしての彼女の姿だったのでは…?
 それを御堂力也が受け継いだのでは…?
 だが残念ながら自分の正体をバラした人々への復讐の形で披露することになりとどのつまりではじめに謎をすべて解かれてしまうのだろうなぁ…。

 今回の事件は亜良木豪が殺人二十面相かと思ったが、
まさかのカルト教団の教祖の息子が殺人二十面相とは…!
 果たして今はどんな姿をしているのだろうか…?
 『金田一少年の事件簿』時代の、特に『悲報島事件』の例の衝撃が、
 令和の『金田一37歳の事件簿』に次回以降蘇りそうだなあ。


 【ソース】
『イブニング』 2021.11.23 NO.23
 『金田一37歳の事件簿』
 File92 推理の撃鉄 
 講談社 (p265~p286)

↑このページのトップヘ