(・8・)<レイカチャン!
現在週刊少年マガジンで連載中の『金田一少年の事件簿R』は『黒霊ホテル殺人事件』が展開されていて、この事件では金田一一を慕うアイドル・速水玲香が出演する映画『黒霊ホテル』撮影中に2人の映画関係者が殺される事件が発生していた。
ピアノ演奏中にブレーカーが落ちたときに、200kgのシャンデリアが彼女の頭上に落ちて女優・深松美鶴が殺され、
ホテル新館の志月豹馬監督の部屋に入ろうとした時に事前に黒ずくめの人物によりドアノブに仕掛けられた毒針を触ったことにより宇津木剣二プロデューサーが殺された、という事件が…。
ちなみに志月監督はビールがたくさん入った袋を両手に抱えたままドアを開けたので罠に引っかかることはなかった。
…だが、罠に引っかからなかった志月監督が、実は罠を仕掛けていたのだ!!!
・・・今回の事件のトリックの鍵となるのは、磁石。
深松の件ではシャンデリアを電磁石でくっつけるトリックが使われていて、
しかも真犯人によりブレーカーが落ちるタイミングは計算されていた。
しかも真犯人によりブレーカーが落ちるタイミングは計算されていた。
また、宇津木プロデューサーの件でも磁石が使われていたが、
その使われていた場所は何と部屋番号のプレートだった。
ちなみに志月監督の部屋番号は1001、宇津木プロデューサーの部屋番号は1004だが、
真犯人は扉の裏にあらかじめ貼っておいた磁石で鉄でできた棒を貼りつけ「1」を「4」に変えていたのだ。
宇津木の部屋にはニセの部屋番号を貼り付けていた。
…こうすることで宇津木は、自分の部屋だと思ってドアを開けようとした時に毒針の罠に引っかかって命を落としたのだ。
(※ちなみにはじめは宇津木殺しのトリックについて、
キャストの西樹晶がハートの5がハートの4になるトランプマジックをしていたことで気づいた。
キャストの西樹晶がハートの5がハートの4になるトランプマジックをしていたことで気づいた。
ちなみに
「ハートが実は鉄を含んだ素材で出来ていてカードの裏に隠した磁石でくっつけられていて
カードも左上と右下に5と4の両方の数字が入っていて片方の数字を指で隠した」
というのがマジックのタネ明かしだった)
…だが、真犯人はミスを犯した。
真犯人はトリックの証拠をホテルクリーニングとともにうやむやにするためワイングラスにビールを入れて割ったが、その証拠…割れたグラスと一緒に掃除機のフィルターパックの中にあった金属製のかけらが回収されていたのだ!
・・・「金属製のかけらの指紋を調べれば真犯人の指紋が出てくるだろう」
はじめが真犯人に指摘すると、この事件の真犯人は観念し、
「自分こそが『黒い幽霊』だ」ということを明かした。
「自分こそが『黒い幽霊』だ」ということを明かした。
・・・志月監督の動機は、息子(隠し子)の一堂百太を自殺に追いやった深松と宇津木に対する仇討ちだった。
今まで父親らしいことをろくにしてやれなかったから百太に映画の仕事を勧め、『黒い幽霊』で父親の志月監督と一緒に仕事ができると大張り切りだったが、志月監督が5か月ほど経ったある日百太に電話をかけると
「父さん、俺…
この仕事向いてないのかもしれない…
俺だって別の仕事抱えて忙しいんだから!
…ごめん…。父さん…。」
…こう言ったのを最後に自殺してしまった。
ちなみに志月監督は他の仕事も抱えていたので最初と最後の1話のみ撮影に関わっていたが、
現場に戻ってきた時には百太は自殺していたのだ。
「百太の自殺は自分が仕事を押し付けてしまったからなのか…?」と志月監督は考え、百太が残した日記を見るのを恐れていたが、
ある日百太の死の真相を知り日記を見てみると次のことが書かれていた。
「撮影が始まった途端若い男好きの深松がしつこく言い寄ってきて困っていたので突っぱねたら逆ギレされ陰湿なイジメが始まった」「宇津木プロデューサーは自分の上司で、深松に惚れていたのでイジメに加担していた」「宇津木プロデューサーは休むことも寝ることもできず拷問のような作業をずっと自分にやらせていた」
・・・志月監督は「百太に一番恨まれているのは自分」と思っていたが、
絵上小鳩ADがそれを否定した。
絵上は百太と付き合っていたから。
絵上は百太がこんなことを言っていたのを聞いていた。
「俺、親父が取った作品は全部観てるんだ。やっぱ撮り方が他の人とちょっと違っててすげーなって…」
「俺、親父のことすげー尊敬してんだ。いつか自分も親父みたいな作品作れたらなって…。」
絵上は百太がいじめられていた時自分の仕事が忙しくて全然会えなかったが、志月監督にこう言った。
「これだけは言えます。」
「百太くんはあなたのこと大好きだったんです。」
「絶対恨んでなんかいません!」
志月監督は右手で目を隠しながら泣いていた…。
「そんなこと言ってやがったのか、あいつ…」と言いながら…。
・・・事件の後。
『黒い幽霊』は俳優たちの懇願により、
志月監督を中心に一丸となってスムーズに撮影され映画は完成、公開にこぎつけた。
これまで撮影現場はギスギスしていたが…。
はじめと七瀬美雪は試写会に参加し、はじめは
「志月監督が殺人を犯したことは取り返しがつかないけれども、
あんなに多くの人を動かせるのはそれだけすげー人なんだろうなあ…」
と思っていた。
また、はじめと美雪は試写会で玲香の姿を見た。
マスコミに取材を受けていたので一が手を振ると玲香はそれに気付いて
「金田一く~ん!来てくれたんだ~!ありがと~!」と、
はじめの手をぎゅっと握ったので、はじめは玲香とともにマスコミに撮られまくってしまった…!
―― この後、玲香と美雪のはじめをめぐる
「女の戦い」が繰り広げられそう…( ゚д゚) ――
今回の事件について、
「百太の立場を考えると、犯人は絵上ADか志月監督のどちらかでは?」
「袋を両手に抱えてドアを開けるシーンが怪しかったなあ…。」
と自分は思っていたけれども、
はじめは志月監督が袋を両手に抱えてドアを開けたことについてはツッコんでいなかったなあ。
…それにしても電磁石でシャンデリアをくっつけるとは…!
その発想はなかったなあ。
…さて、次の事件の連載が始まるのは週刊少年マガジン28号(6月8日発売)の予定だという。
また地獄の傀儡師・高遠遙一の事件かな…?
(※参考
週刊少年マガジン 第13号~第18号
金田一少年の事件簿R 黒霊ホテル殺人事件
講談社(2016)
18号 p425~p444(第6話(最終話)))