「次回第3の殺人が起こるのか、それとも金の獅子の盗難が発覚するのか、
 意外にハイペースで進んでいく犯人の次の一手が気になるなあ。」


 前回の自分のブログでこのように書いたが

 直近の『イブニング』で連載中の『金田一少年の事件簿30th』ではどちらも起きてしまった…!

 
 …最近の『金田一少年の事件簿30th』は東北の鬼戸(おにのへ)村を金田一一七瀬美雪、そして佐木2号こと佐木竜二が夏休みの宿題の課題の取材に訪れるがそこで墓獅子祭り中に村の若者たちが相次いで殺される事件に遭遇する…

 という事件に遭遇した。

 ―― けれども今回の事件は具体的なタイトルが付けられていないので
 自分はこのブログでは『墓獅子祭殺人事件』と仮題をつけることにしている。 ――

 
 ちなみにこの事件でカギとなるキャラクターは「星宮つむぎ」というはじめと美雪が小学校時代に仲良しだったが卒業直前に鬼戸村に引っ越していった女子。

 つむぎは、高校生になった美雪とは今でも互いに手紙でやり取り…いわゆるペンフレンドだった。

 つむぎは墓獅子祭で墓獅子舞の踊り手に抜擢されていて、
 墓獅子舞本番中、白神流星が毒針トラップに引っかかって毒殺された当時は舞台上で墓獅子舞を舞っていたアリバイがあった。

 
 ―― それにしても、美雪のペンフレンド………?
 
 ヤン・レイリー……。

 ヤン・ラン……。
 
 あっ…(※察し)――


 
 【白神流星と鬼倉詩乃の共通点】

 『墓獅子祭殺人事件(仮)』第4話は音響室で鬼倉詩乃がノミで後ろから盆の窪を突き刺され殺害された遺体が発見されたシーンから始まった。
 
 青森県警の桑原火等士刑事ははじめに

 「この舞台の間に会場にいる人間が二度も殺人事件があったとは思えん!
  これはどうも外部の犯行だぞ」
 「つまり舞台を見ていた誰かではなく外から忍び込んだ"誰か"の犯行ということだ!
 外の人間ならアリバイもクソもないだろうが!!」

 はじめ桑原刑事

 「じゃああの2人が殺された動機はどうなるんすか?」
 「同じ人間が殺したんだとしたらあの2人には"共通の殺される理由"があったかもしれない」

 と言い、

 「村の皆さん、なにか心当たりはないっすかね?」

 と言った。

 するとつむぎ

 「殺される理由かどうかわからないけど共通点ならあるよ」
 
 と言い、

 「2人とも墓獅子舞の演者だった
 「流星は数年前で鬼倉さんはその次の年に…
 墓獅子舞の演者は村の寄り合いで決められるんだけど…」

 と続けた。


 つむぎの話を聞いた桑原刑事が「それとは関係があるのか」と思っていた時、
 医者の雨崎源五郎が「刑事さん大変です!!」と言って慌てて駆け込んできた。


 【金獅子盗難事件発生!】

 「外のお堂の格子戸の中に飾ってあった金獅子がなくなっている」ということを
 雨崎は警察に伝えた。

 雨崎曰く、

 「舞台が始まった直後に自分が確認しに行ったときにはちゃんと格子戸の中にあった

 それを聞いたつむぎの祖父・星宮庄吉

 「なんてことだ…! この村の大切な宝が…」

 小学校教師の十海七津美は

 「あれは20キロ近くある黄金の無垢像で、金として溶かしてもその価値は数千万と言われているわ」
 「誰かが盗んでお金に換えようとしてるとしたら誰かに溶かされて金塊にされてしまうかも…」

 と言った。

 それを聞いた雨崎は
 
 「ああ…!! そんなことになったら取り返しがつかない!」
 
 と言い、桑原刑事は

 「ふたつの殺人事件がこの盗難事件に関係があるとしたら
 やはり村の外部の人間の犯行の可能性が高くなってくる。」
 「殺された2人は盗難の手引きをしていたのかもしれん!
 おそらくは分け前をやるからとか唆されて、挙句の果てに裏切られて殺された…
 そう考えると説明がつく!」

 と言った。


 …だがはじめは桑原刑事の発言に

 「全然説明ついてないと思うけど~」

 「手引きがなけりゃ盗めないような場所じゃないですよ、ここって。
 木でできた格子だけで防犯カメラもないわけでしょ。
 しかもその格子だって子供がチョロチョロ潜って遊んでましたよ。」

 そしてはじめは雨崎に格子戸の鍵を見せてもらった。

 鍵は見た限りではかけられたままで
 頑丈な南京錠で簡単には壊せないし
 鍵は雨崎が管理していて合鍵もない

 
 雨崎は

 「もしかしたら小柄な人間が格子を潜って盗み出したのかもしれない」

と言っていた。

 
 これを聞いてはじめは

 「でもそんな小柄な人間が20キロの金の塊持ってダッシュで逃げるの大変じゃぁ…

 と言うと桑原刑事が

 「どっかに車を乗り付けたのかもしれんな!!
 この程度の古い南京錠なら窃盗のプロなら簡単に開けられるしそんな連中の手にかかったら金の獅子像なんてあっという間に県外に持ち去られてるだろうさ!」


 ・・・宿泊先、鬼戸荘に戻ったはじめたち。
 はじめと美雪と佐木は次のような会話をしていた。

 佐木
 「なーんかあの桑原って刑事のヒト、もう犯人は"村の外の人間"って決めつけてるみたいですね!」

 はじめ
 「ま!俺はそう思ってねーけど!!」

 美雪
 「でも墓獅子舞の最中はみんな5分以内しか席を立っていないんでしょ?
 舞を観れない15分未満の村の子供たちはお目付けの大人と一緒に別のお堂でおこもりしてたって言うし…
  もし、村の人が犯人だとしたら墓獅子祭りに参加してなかった人なんじゃないかな?」


 はじめ
 「うーん、それもどうもないみたいなんだよな~
 庄吉さんの話だと参加しないと"障り"があるってことだから、村人は絶対参加してるって!
 それに金獅子がなぜ盗まれ今どこにあるのかも気になるんだ。」
 
 佐木
 「外部の犯行だとしたらそれも解決しますけどね!」

 はじめ
 「こんな小さな村だぜ?
 車でもよそ者がウロウロしてりゃすぐ目につくし、
 警察の聞き込みでもそういう人間がいたって話が絶対出てくるはずさ。」

 佐木
 「まあそう言われると確かに…」
 美雪
 「墓獅子を見に来てる観光客はあたしたちの他にも何人かいたみたいだけど
  舞の間に席を立った村人はあの記者の宇治木さんだけだったものね」

 はじめ
 「そう、今鬼戸村にいて墓獅子舞に参加しなかったよそ者もおそらくいないはずなんだ!」

 その頃、つむぎの祖父・庄吉は帰っていく警察のパトカーに深々とお辞儀を下げていた…。


 【記者・宇治木政宗の過去!】

 夕食の時間、はじめたちは記者・宇治木政宗とともに夕食を食べていた。
 彼がなぜか鬼戸村の鮎や山菜に詳しいのが気になったはじめはそのことについて聞くと、
 実は宇治木には鬼戸村に住む友達がいてその人の家に泊まったことが一度だけあるが
 何らかの理由で今はこの世にいないことを明かしていた…。



 【つむぎ襲撃事件と金獅子の行方】

 夕食中、庄吉がつむぎを探しにはじめたちの夕食の場に現れた。
 夕食なのに姿が見えないので心配していた。

 はじめと美雪と佐木は庄吉とともに神社の境内を探すと、
 なんと倒れているつむぎを見つけた。

 つむぎが言うには、
 「墓獅子舞の練習中汗をかいたので手水で水を飲もうと思ったら水底に光るものがあり
それに手を伸ばしたらいきなりガツンと後ろから頭を殴られた

 とのことだった。

 その話を聞いた佐木は

 「それ…!盗まれた金獅子じゃないっスか?」

 「盗んだけど騒ぎがひどくてとっさに水の中に隠したのかも
 それを取りに来たらつむぎさんが覗き込んでて慌てて後ろから…」

 と言った。

 それを聞いた庄吉は「つむぎが無事で良かった」と言い、
 はじめは
 「これは警察に連絡しておいたほうがいい!
 それにこれでひとつはっきりした!
 犯人はまだこの鬼戸のどこかにいるんだ!
 そして今も…」

 と言った。


 【第3の犠牲者…!】

 その次の日の朝。

 美雪がはじめを起こしにやってきた。
 
 つむぎが美雪のところに来て、


 火の見櫓のてっぺんで鮫川涼馬の首吊り死体が見つかったことを伝えた。

 地元の警官は
 「火の見櫓の下に落ちていたリュックに盗まれた金獅子とタオルが入っていたことから、
 昨晩つむぎを襲ったのは鮫川で、金獅子らしきものを境内で見つけられたので逃げ切れないと思って観念したのでは

 とみていた。

 
 だがはじめは

 「本当にそうなのか?
 違和感だらけの"自殺"だが
 火の見櫓に吊るすなんて1人や2人じゃできっこない
 "他殺だとしたらどうやって…!?
 …そう、まさにこれは
 "空中密室"だ……!」

 と思っていた…。


 ―― 果たしてペンフレンド・星宮つむぎは、『ヤン某ちゃん』なのだろうか…? ――

 また、金獅子盗難事件は大人が手引きしていそうな気がするなあ。

 
 自分が今回気になったのは十海七津美先生の

 「あれは20キロ近くある黄金の無垢像で、金として溶かしてもその価値は数千万と言われているわ」
 「誰かが盗んでお金に換えようとしてるとしたら誰かに溶かされて金塊にされてしまうかも…」
 
 という発言。

 美術品としてではなく金属に換金することに価値を見出すかのようなこれらの発言は、
 金属窃盗の常習犯を疑われそうな発言と誤解されそうな気がしたなあ。

 今回殺された白神流星・鬼倉詩乃・そして鮫川涼馬は、宇治木の友人の死に果たして関わっているのかが気になったなあ。
 また金獅子の儲け話に白神と鮫川がまんまと釣られて真犯人に殺されてしまったような気がするなあ。

 白神は一服する前に白神を手にかけて戻ったけれどもまさか殺されるとは思ってもいなかっただろうなあ。
 でも金獅子盗難…というかどこかに隠した事件は白神が関わっていそうな気がするなあ。
 鍵開けの名人だったりして。

 また、金獅子は真犯人に火の見櫓に持ってくるよう鮫川が頼まれていそうだなあ。
 それを利用して真犯人は火の見櫓から脱出したのかな?

 【ソース】
 『イブニング』2022 10.11 20号
 『金田一少年の事件簿30th』
 File18 死体と金獅子
 講談社 (p313~p334)