現在『イブニング』で連載中の『金田一37歳の事件簿』は新事件が展開中。
 それはドワンゴのイベント『池袋ハロウィン』に合わせて豊島区開催の江戸川乱歩展を主人公・金田一一が部下の葉山まりんと担当することになったが、そこで事件に巻き込まれてしまうというもの。
 ちなみに事件の予告状を出した人物は怪人二十面相ならぬ『殺人二十面相』を名乗っていた。

 この殺人二十面相は前回第2話で殺人事件を起こした。
 『写真週刊誌MONDAY』のカメラマンであり今はフリーフォトグラファーを名乗っていた葉狩京士郎の胸に刃物を突き立てその遺体を『赤い部屋』のソファーに座らせたのだ…。

 しかも、遺体は最初は誰もいなかった部屋に人形とともに出現させたのだ。
 はじめたちは遺体をアトラクション設置されていた双眼鏡を通して窓を覗く形で発見した。
 とくに葉狩の遺体の口に『殺人二十面相』というメッセージカードを咥えさせていたのをはじめは見つけたのだ……!

 ―― なお正式なタイトルは決まっていないので事件名は前回と同様に
『殺人二十面相の殺人』と仮題をつけることにします。 ――


 【人形の仕掛け】

 葉狩の死体を見た関係者たち

 はじめとまりんの他に、
インスタグラマー・島咲蘭
アルファブロガー・鹿倉美波
週刊MONDAY記者・赤峰志堂
ミステリ評論家・青鬼蒼作
キャスター・魚森流菜子
ウェブデザイナー・億野冴月
ドワンゴ担当・船橋良介

以上、9名。

 
 …青鬼が船橋に
 「これってアトラクションなの?」と聞き、それに続けてはじめが
「あの赤い部屋にはどうやって行けばいいんです?」と聞いた。

 船橋は青鬼には
 「こんなことはプログラムにはない」と返し、はじめに対してはスマホの会場の図面を調べて
 「こっちです!」と皆を案内
した。
 青鬼たちも船橋の後に駆け足でついて行った。


 …その場所は本当に"裏方"だった。
 
 扉の向こうは『赤い部屋』。
 でもはじめ曰く
 「(扉を)さわっちゃダメだ!これが本物の"事件"ならドアノブの指紋も証拠になるんです!」


 ・・・扉を開けるとピストルの男女以外にも人形があることをはじめたちは確認した。
 
 青鬼は
 「原作の『赤い部屋』では7人の会員の男がいるはずなんだが…。
 まあそこは予算の問題かな?」

と言っていた。

 島咲は船橋に

 「でもはじめに見た時誰もいなかった部屋にどうして人形が……」
と聞いた。

 船橋はスイッチを押し、その仕掛けを動かしてこう言った。

 「細い糸で吊るした人形をこうして機械で天井に引き上げてるんです。」


 …このときはじめは「はっ」とした

 口に『殺人二十面相』のメッセージカードを咥えさせてソファーに座らされた葉狩の死体が出てきたから

 はじめはその死を確認し、まりんに110番を頼んだ。
だがスマホが圏外だった…!

 船橋の話によると
 「ここは劇場として使われることもあるので、携帯を通じなくする装置はありますが乱歩展の間はオフになってるはずです…」

 それを受けてはじめが
 「何者かが…その装置をオンにしたんだ!」
 と言った。

 ちなみに島咲
 「やだ!本当!あたしも圏外だ!」
 鹿倉
 「ちょ…そんなの困るわ!SNS使えなきゃなにもできないじゃない!」
赤峰
 「どーゆーつもりだよ?いったいなんのためにそんな…」
と言っていた…。

 【殺人二十面相のメッセージ】

 赤峰の発言にはじめ葉狩が咥えていた『殺人二十面相』のメッセージカードの裏を見せた
  
 出入り口は
 閉ざされた
 無理に出ようと
 すれば
 全員爆死する

  ―― <もしかして> ガチャ(←違う)――

 …それはさておき、関係者たちはスマホの明かりを頼りに非常口のランプを見つけたが扉には張り紙がしてあり

 この扉を開ければ
 ビルそのものが吹き飛ぶ
 お前たちは袋のネズミだ
 思う存分恐怖の乱歩展を
 楽しんでくれたまえ

 殺人二十面相


 とあった。
 赤峰
 「くそっ!ふざけんなこんな張り紙――!」
と言って扉を開けようとしたが
 
 「やめたまえ!!犯人はすでに人ひとり殺してるんだ!
 ヘタに扉を開けたら何が起こるかわからない…!」


 と言って青鬼が止めた。

 億野

 「で…でもこんな所に閉じ込められるなんてイヤよ!
 葉狩さん殺されちゃったのよ殺人二十面相に!」

 
 と言っていた。

 
 …はじめ船橋
 
 「出入り口はここしかないんですか?」と聞くと

 「そ…そうですね。
 あ…!
 このホールのひとつ下の階に乱歩の人気作のひとつ『大暗室』地下帝国の一場面を展示してるんですけど
その奥にちょっとわかりづらいけど非常口がありますね。」

 まりん
 「そこなら殺人二十面相も出口の存在に気づいていない可能性があるかも…」
 と言い、赤峰
 「下の階だな?
 よ よし! そこに急ごう」

と言っていた。

 魚森
 「あ…あたしも…
 早くここから出たいです」

と言いながら震えていた…。

 この時はじめは

 「落ち着いてください!
 その前にこの事件のことを検証しないと…」

 と言った。


 【殺人二十面相は変装の達人!?】

 はじめは更に続けた。
 
 「この展示会場はすでに殺人二十面相の仕掛けが張り巡らされてるかもしれないんです。
 ここでヘタに動くと奴のワナにかかる可能性があります。
 まずはたった今起きた殺人事件の犯人が何者なのか…
 それを検証してから行動したほうがいい…!」


 赤峰
 「なに言ってんだよ?相手は頭のイカれた異常者だろ?
 そいつがこの会場のどこかに隠れて…」
 と反論したが、はじめ

 「果たしてそうでしょうか?
 敵は"殺人二十面相"を名乗る人物です。
 乱歩の小説『怪人二十面相』になぞらえているとするなら
 その何者かは想像を絶する変装の名人なのかもしれない。
 今ここにいる9人のなかに
 殺人二十面相が紛れている可能性もあるということです…!」

 「もしそうだとしたらついさっき起きた殺人に怯えるギャラリーのふりをしつつ
わざと危険な方向に我々を巧妙に誘導している可能性もあるんです!」

 と言った。


 【青鬼の推理】

 「しかし待ってくれ金田一さん、それはおかしくないか?」

 「あの赤い部屋を最初に双眼鏡で覗いたときにはあの部屋の中には間違いなく誰もいなかったし、その時はここにいるメンバー全員が揃っていたんですよ。」

 この青鬼の意見に「確かにいた」と関係者たちが口々に答えた。


 「・・・ところが!!それからものの3分後みんなでぞろぞろと部屋にそって歩き2番目の窓から双眼鏡を覗いたときにはすでに葉狩さんの遺体がソファーに座っていたんです。」
と続ける青鬼島咲
 「でも人形は誰がいつ降ろしたんだろ?」
と聞いた。

 「それは簡単なことですよ。
 恐らく最初の双眼鏡にセンサーがついてたんでしょう。
 見学者がのぞくとセンサーが反応して人形が降りてくる仕掛けなんじゃないかな。」

 という青鬼の答えに船橋が
 「さすがですね青鬼先生。おっしゃるとおりです。
あれは最大10人単位で赤い部屋を見るというアトラクションになっておりまして、全員が見終わるとそこから2分で天井から人形が降りてくる仕掛けです。」

と答えた。

 それを受けて青鬼はこう推理した。
 「しかしその仕掛けを使って本当の死体を出現させることなどできるはずがない。
 考えられる理由はひとつです。
 "殺人二十面相"を名乗る何者かが10人目の"招かれざる客"としてこの乱歩展会場のどこかに隠れ潜み暗がりに乗じて殺害した葉狩さんの死体とともに赤い部屋の隅で待ち伏せし人形が降りてくるタイミングで死体をソファーに座らせたんだ。
 それ以外考えられないでしょう。」


 
 さらに青鬼はこう言った。

 「ともかくこの下にここから脱出できる非常口があるんだ。
 ここでじっとしているよりみんなでそこに行ったほうがいい!
 船橋さん、そこに案内してくれるかね?」


 はじめたちは船橋の案内で大正浪漫の町並みのセットの下の地下世界に通じる階段を通って "大暗室"を目指した。

 まりん何か肌寒くなってきて本当の地下みたいに空気が湿ってきたのを感じた
 そしてはじめに
 「それも日本のバンクシー・亜良木豪の世界観なんでしょうか?」
と聞いた。

 はじめ

 「まあこれも演出だろうね。よく出来てると思うよ。

 とくにまりんの発言を受けて

 「……あるいは
 殺人二十面相のね……!」


と言っていた……!


 【"大暗室"と"透明怪人"】

 "大暗室"に向かう一同。

 船橋が「皆様…ここが"大暗室"です」
と言う前に億野は

 「…あら? 音楽が聞こえてくる…」

 と言っていた。

 大暗室には小説にも描かれているプールがあり
小説のように裸の女性が泳いでいてオーケストラの音楽が流れていた。
 
 「すごいな…!小説の世界そのものだ。
 事件を忘れて見入ってしまう…!」
 青鬼はこう言っていたが、
 「そんなことより早く出口を探しましょう!」
と言っていた。

 鹿倉は非常口の緑の光を見つけた
 「非常口は法律で決まってるからああやってわかりやすくなってるはず」と思っていた。

 魚森は「もう早くこんなところから出たい!」とドアを開けようとしたが
はじめがドアノブのすぐ上にカードがあるのを見つけた

 そのカードには

 次の章では、透明怪人が
 事件を起こすだろう

 殺人二十面相

 とあった。

 …それを見たはじめは、人数を数えた。

 するとわかったことがあった。

 「1人足りない!!」

 でも誰がいなくなったのかは次回に続く、となっていた…!



 ―― 消えた一人は、第二の犠牲者なのか、それとも犯人なのか…? ――

 今回の青鬼の発言から

 「センサーの仕掛けを使って葉狩の本当の死体を出現させるトリックがある」

ということなのかも。

 また今回のはじめの
 「もしそうだとしたらついさっき起きた殺人に怯えるギャラリーのふりをしつつ
わざと危険な方向に我々を巧妙に誘導している可能性もあるんです!」
という発言から、はじめたちはまんまと大暗室に誘導されたようにしか感じないなあ。

 それにしても出入り口などの扉を開けたら爆弾が起動するのか…?
暴発起きないだろうか…( ゚д゚)


 【追記】
 前回第2話葉狩が亡くなる前に赤峰
 「相変わらずデカイね!」と言っていたシーン。

 今後赤峰が仮に殺される展開になった時「赤峰の身長は高い」というのは重要な手がかりになりそうな予感がするなあ。


 【ソース】 
 『イブニング』 2021.08.10 NO.16 
 『金田一37歳の事件簿』
 File85 赤い部屋 
 講談社 (p207~p228)