現在『イブニング』で連載中の『金田一37歳の事件簿・函館異人館ホテル新たなる殺人』は
金田一一が20年前に解決した『異人館ホテル殺人事件』以来仕事で訪れることになったが、
舞台『箱館ウォーズ』の出演者、赤座光輝、綾野木ルカ、そして水島颯太が殺される事件に巻き込まれた事件だった。
はじめは部下の葉山まりん、20年ぶりに再会したフリーライター・いつき陽介、高校の後輩・佐木竜二、そしてミュージシャン・リュウ小野寺殺害事件を追ってやってきた明智健悟警視長の部下・幸村真之助警視とぶつかりながらも協力し4人を殺した真犯人『碧血鬼』を突き止めた。
『碧血鬼』こと岡倉純は「『箱館ウォーズ』の脚本を書いた覆面作家『三多村匠』は自分だ」と明かし逮捕されたが、はじめは
「俺にはやっぱひっかかる」とこの事件にはまだ何かあると思っていた…。
そんなはじめは、「ある人物」が『箱館ウォーズ』を観劇に来たからかいつきに頼んで、「ある人物」を探してはじめの携帯に連絡するよう頼んでいた。
そして「ある人物」は夜にはじめの前に現れた。
それは人気アイドルの速水玲香だった…!
【速水玲香が登場した理由】
なぜこのタイミングで速水玲香が……?
それは自分が思うに、この事件について地獄の傀儡師・高遠遙一のように殺人計画となる『箱館ウォーズ』のシナリオをつくり実行した三多村匠の正体を暴く手かがりになるからでは。
玲香は人気アイドルだから舞台女優としての活躍もあるだろう。
『箱館ウォーズ』に出演こそしていないが、舞台俳優の有識者なので一般的な俳優の行動をよく知っていると考えられるからでは。
【三多村匠が犯したミス】
『箱館ウォーズ』本番時、「プロの舞台俳優なのにありえないことをした」、
三多村匠が犯した致命的ミスは、これではと自分は考える。
『三多村匠』は『箱館ウォーズ』の演者として演技したが、岡倉が赤座を撃ち殺すことを知っていたか、あるいは舞台本番中にその様子を目撃できたのでは。
…もし、見下ろした時に演者の一人が台本にない位置にいたらどうするか?
舞台終了後、それを注意するだろう。
もし、見下ろした時に見知らぬ部外者が銃を構えて人を撃ったなら?
…すぐに大騒ぎするだろう。
…特に、射殺犯が『箱館ウォーズ』の出演者だったら?
激しく怒り、あるいは嘆き、あるいは悲しみ、あるいは騒ぐだろう。
普通の俳優だったら、きっとそうする。
殺害現場を見てしまったことを秘密にしようとしても、
顔色や態度で誰かが察してしまうのでは。
赤座射殺の犯人を目の当たりにしたはずなのに、特にその犯人が共演者であるにも関わらず、
舞台終了後も警察にそのことを話さなかった。
…つまり、
「赤座の殺人現場を目の当たりにしたはずなのにプロの、特にベテランの俳優としてするべきことをしなかったこと」
これが三多村匠が犯したミスなのでは。
玲香ははじめに
「赤座狙撃準備と実行を目の当たりにできた人が一人いて、
その人が騒ぐなり警察に通報するなりすれば事件はもっと早く解決していたかも」
と言うのでは。
また、
「『箱館ウォーズ』の城壁セットの上からなら、演者だけではなく、幕の後ろの人もよく見える」
ということも言いそうだなあ。
(※言い換えるなら、「岡倉純の姿が丸見えだったかも」)
【なぜ事件が長期化したか】
『函館異人館ホテル新たなる殺人』は赤座が殺された時に、城壁セットの上にいた刈谷ユダが
「岡倉が赤座を撃った!!」などと大騒ぎして岡倉が逮捕されてあっさりジ・エンドになるはずでは。
これは玲香も指摘しそう。
だが実際はそうなからなかった。
それに刈谷でなくても、別の人ならば俳優以前に人として当たり前に殺人現場を目撃したことで大騒ぎするだろう。
だが実際はそうならなかった。
…ということは、刈谷の正体は…
正体は…
『三多村匠』は事件が赤座射殺の段階で別の誰かに騒がれることで犯人を岡倉だと特定されて即終了しないように刈谷を城壁セットの上に定めたのでは。
だが、刈谷がそこにいたからこそ一番するべきことをしなかったので、はじめは次回の玲香との会話をヒントに『三多村匠』が誰かをズバリ指摘しそうだなあ。
【俯瞰】
ちなみに自分のブログの記事のコメントによれば、速水玲香三田村匠説があった。
「三田村圭子(※速水玲香の実の母)+小城拓也(※速水玲香の兄)≒三多村匠」とのこと。
全体を見渡すと、赤座が岡倉に射殺される光景が見えたはずなのに見えていないふりを岡倉逮捕後もしているのは不自然極まりない。
速水玲香はアイドルとして舞台俳優として舞台に立ったことがあるだろうから、『箱館ウォーズ』出演者の中に不自然な行動をしている人にはじめよりも早く気がついているのでは…?
舞台俳優もしていたであろう玲香が登場したことは、
「俳優なら綾野木や刈谷が立っていた城壁セットの上からなら舞台裏…『碧血鬼』が赤座を狙撃したことを目の当たりにしないわけがなく、すぐに然るべき行動をしているはずなのに、なかった。
しかも、犯行を見て動揺している様子も全く見受けられなかった。
それはその位置にいた人こそ、今回の事件のシナリオを書いた覆面作家・三多村匠だから」
ということを示す、三多村匠の本当の正体の極めて重要なヒントになりうるからでは…?
【ソース】
イブニング 2020.02.25 NO.05
『金田一37歳の事件簿』
『函館異人館ホテル新たなる殺人』
File50 覆面作家
講談社 (P45~P66))
金田一一が20年前に解決した『異人館ホテル殺人事件』以来仕事で訪れることになったが、
舞台『箱館ウォーズ』の出演者、赤座光輝、綾野木ルカ、そして水島颯太が殺される事件に巻き込まれた事件だった。
はじめは部下の葉山まりん、20年ぶりに再会したフリーライター・いつき陽介、高校の後輩・佐木竜二、そしてミュージシャン・リュウ小野寺殺害事件を追ってやってきた明智健悟警視長の部下・幸村真之助警視とぶつかりながらも協力し4人を殺した真犯人『碧血鬼』を突き止めた。
『碧血鬼』こと岡倉純は「『箱館ウォーズ』の脚本を書いた覆面作家『三多村匠』は自分だ」と明かし逮捕されたが、はじめは
「俺にはやっぱひっかかる」とこの事件にはまだ何かあると思っていた…。
そんなはじめは、「ある人物」が『箱館ウォーズ』を観劇に来たからかいつきに頼んで、「ある人物」を探してはじめの携帯に連絡するよう頼んでいた。
そして「ある人物」は夜にはじめの前に現れた。
それは人気アイドルの速水玲香だった…!
【速水玲香が登場した理由】
なぜこのタイミングで速水玲香が……?
それは自分が思うに、この事件について地獄の傀儡師・高遠遙一のように殺人計画となる『箱館ウォーズ』のシナリオをつくり実行した三多村匠の正体を暴く手かがりになるからでは。
玲香は人気アイドルだから舞台女優としての活躍もあるだろう。
『箱館ウォーズ』に出演こそしていないが、舞台俳優の有識者なので一般的な俳優の行動をよく知っていると考えられるからでは。
【三多村匠が犯したミス】
『箱館ウォーズ』本番時、「プロの舞台俳優なのにありえないことをした」、
三多村匠が犯した致命的ミスは、これではと自分は考える。
『三多村匠』は『箱館ウォーズ』の演者として演技したが、岡倉が赤座を撃ち殺すことを知っていたか、あるいは舞台本番中にその様子を目撃できたのでは。
…もし、見下ろした時に演者の一人が台本にない位置にいたらどうするか?
舞台終了後、それを注意するだろう。
もし、見下ろした時に見知らぬ部外者が銃を構えて人を撃ったなら?
…すぐに大騒ぎするだろう。
…特に、射殺犯が『箱館ウォーズ』の出演者だったら?
激しく怒り、あるいは嘆き、あるいは悲しみ、あるいは騒ぐだろう。
普通の俳優だったら、きっとそうする。
殺害現場を見てしまったことを秘密にしようとしても、
顔色や態度で誰かが察してしまうのでは。
赤座射殺の犯人を目の当たりにしたはずなのに、特にその犯人が共演者であるにも関わらず、
舞台終了後も警察にそのことを話さなかった。
…つまり、
「赤座の殺人現場を目の当たりにしたはずなのにプロの、特にベテランの俳優としてするべきことをしなかったこと」
これが三多村匠が犯したミスなのでは。
玲香ははじめに
「赤座狙撃準備と実行を目の当たりにできた人が一人いて、
その人が騒ぐなり警察に通報するなりすれば事件はもっと早く解決していたかも」
と言うのでは。
また、
「『箱館ウォーズ』の城壁セットの上からなら、演者だけではなく、幕の後ろの人もよく見える」
ということも言いそうだなあ。
(※言い換えるなら、「岡倉純の姿が丸見えだったかも」)
【なぜ事件が長期化したか】
『函館異人館ホテル新たなる殺人』は赤座が殺された時に、城壁セットの上にいた刈谷ユダが
「岡倉が赤座を撃った!!」などと大騒ぎして岡倉が逮捕されてあっさりジ・エンドになるはずでは。
これは玲香も指摘しそう。
だが実際はそうなからなかった。
それに刈谷でなくても、別の人ならば俳優以前に人として当たり前に殺人現場を目撃したことで大騒ぎするだろう。
だが実際はそうならなかった。
…ということは、刈谷の正体は…
正体は…
『三多村匠』は事件が赤座射殺の段階で別の誰かに騒がれることで犯人を岡倉だと特定されて即終了しないように刈谷を城壁セットの上に定めたのでは。
だが、刈谷がそこにいたからこそ一番するべきことをしなかったので、はじめは次回の玲香との会話をヒントに『三多村匠』が誰かをズバリ指摘しそうだなあ。
【俯瞰】
ちなみに自分のブログの記事のコメントによれば、速水玲香三田村匠説があった。
「三田村圭子(※速水玲香の実の母)+小城拓也(※速水玲香の兄)≒三多村匠」とのこと。
けれども今回の事件に関して自分は、
舞台を見下ろして全体を見ることで『三田村匠』の正体がわかるのではないかと考えている。
全体を見渡すと、赤座が岡倉に射殺される光景が見えたはずなのに見えていないふりを岡倉逮捕後もしているのは不自然極まりない。
速水玲香はアイドルとして舞台俳優として舞台に立ったことがあるだろうから、『箱館ウォーズ』出演者の中に不自然な行動をしている人にはじめよりも早く気がついているのでは…?
舞台俳優もしていたであろう玲香が登場したことは、
「俳優なら綾野木や刈谷が立っていた城壁セットの上からなら舞台裏…『碧血鬼』が赤座を狙撃したことを目の当たりにしないわけがなく、すぐに然るべき行動をしているはずなのに、なかった。
しかも、犯行を見て動揺している様子も全く見受けられなかった。
それはその位置にいた人こそ、今回の事件のシナリオを書いた覆面作家・三多村匠だから」
ということを示す、三多村匠の本当の正体の極めて重要なヒントになりうるからでは…?
【ソース】
イブニング 2020.02.25 NO.05
『金田一37歳の事件簿』
『函館異人館ホテル新たなる殺人』
File50 覆面作家
講談社 (P45~P66))
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