現在『イブニング』で連載中の『金田一37歳の事件簿』
幸村真之助」という警視が登場し
新事件『函館異人館ホテル新たなる殺人』の謎に挑んでいる。

 この事件の冒頭で幸村警視は、ミュージシャン・小野寺隆司の遺体について密室トリックを暴き遺体が持っていたチケットから函館異人館ホテルの舞台『箱館ウォーズ』の関係者たちと接触することになった。

 一方金田一一は、部下の葉山まりんとともに『京都美人華道家殺人事件』を解決後東京に戻ると新たに函館異人館ホテルの仕事が与えられたのですぐに函館に向かいそこでフリーライターのいつき陽介佐木竜二に再会した。
 特に佐木竜二は、兄・佐木竜太が20年前の『異人館ホテル殺人事件』で殺されていた…。

 もちろん、はじめとまりんは『箱館ウォーズ』関係者と出会った。


 …夜、酒の席でいつきから「碧血鬼」の噂を聞いたはじめたち。
それは「函館で箱館戦争を題材にしたイベントをお祓いもせずにやると事故やけが人が出たり下手をすると死人が出るが、その時に蒼い血の鬼・碧血鬼が出る」というもの。
 その会話を、今回の事件で後に「碧血鬼」を名乗るであろう真犯人がこっそり聞いていた…!

 【打ち合わせアポがまさかの…】

 前回第2話では土方歳三役の岡倉純(※元スカイウォーカー)に急用ができ、彼が明日の本番に出演できないことになった。
その急用とは、
日本丸テレビのプロデューサーと急に会うことになったのでゲネプロの後本番までの間に函館空港近くのホテルに打ち合わせに行かなくてはならない。
 今度のドラマでどうしてもっていう話がマネージャーのところに来た。
明日の分の取材やイベントは水島たちデスペラードでもたせて。
本番までには帰ってくる
。演出の海枝さんには了解をとってある。」
というもの。

 デスペラードの伊庭八郎役・水島颯太、大島圭介役・五代玄一郎、そして黒沢正隆役・赤座光輝は、
舞台初日、ファンたちの前に現れファンから悲鳴を浴びていた…。

 まりん
 「テレビ局はひどいですよね!!いくら肝いりのドラマだからってこんな本番直前に主役を呼び出すなんて!」
と言っていたが、はじめ
 「まーしょうがないんじゃない?やっぱりテレビ局は"権力"あるから!!
うちみたいな弱小PR会社にはそもそもお付き合いする機会すらないけど…」
と言ったので
 「大人だなぁ~、主任は。」
とまりんに返された。

 ・・・一方、日本丸テレビのプロデューサーに会うために函館空港近くのホテルで岡倉はデスペラードのマネージャー・壇はるみとともに待っていたが肝心のプロデューサーが現れなかったので壇マネージャーが日本丸テレビの山杉に電話をかけた。
 
 すると、返ってきたのは

 「『初めまして』!次のドラマでお世話になります」。

 …「向こうは『打ち合わせのアポは入れた覚えがない』と言っていた」…、
壇マネージャーは岡倉にそう伝えたのだ。

 壇マネージャーは電話を「非通知で」受けたことを岡倉に伝えたが、、
 壇マネージャーはこの時点でアポの電話がいたずら電話だったことに気づいた…。


 ――アポだなぁ…(そうだよアポだよ)←違う ――


 ・・・それはさておき、

 岡倉と壇マネージャーは急いで異人館ホテルに戻ることにし、
 何とか本番に間に合った。



 …ちなみに演出家兼監督の海江田博貴は壇マネージャーからそのことを伝えられ、
 「TVの打ち合わせってやつが、どうもねぇ…」と出演者たちに伝えると、皆驚いていた。

 また加賀屋葵役の綾野木ルカ
 「でもひょっとしたら…案外身近な人が犯人だったりして。
ねえ?中神さん」
と言い、こう言われた榎本武揚役・中神聖也

「はぁ!?何言ってんのお前!
 俺と純は元は同じ『スカイウォーカー』のメンバーだよ?
そりゃ昔は色々あったけど…」

 と言っていた。

 ちなみにはじめは

 「ままま!落ち着いて皆さん!
今お飲み物用意しますんで。
ほら!葉山クン」

と冷えた烏龍茶を持ってこさせたが…

 「みなさんこれで頭を冷やして…」

 まりんは、はじめにひじ鉄を
 「一言多いッッ!!」と食らわされた…

 ( ゚д゚)オウッ


 …そしてはじめ佐木
「それにしても誰がこんなイタズラしたんですかね?」
と聞かれて
「『誰が』…か…」と思っていた…。



 【予感】

 舞台『箱館ウォーズ』の初日が始まった。

 オカジュンこと岡倉純が"迫り"で登場すると、女子たちからは嬉しい悲鳴が上がった。

 
 まりん
  「オカジュンかっこい~
 何度見ても見とれちゃう!」
 はじめ
 「ああ…さすが人気No.1アイドル!」
 いつき
 「台本はここ数年で名を上げている覆面作家の三田村匠。
 突然現れた天才作家ってんで、この舞台も前評判は抜群だ。
 ただのアイドル芝居じゃないってことさ!」
 佐木
 「いやでもほんとゲネプロの出来もよかったし、これは評判になりますよ。
 今をときめくトップスターの岡倉純とその地位を狙う水島颯太ら『デスペラード』メンバーたちのトップスター下剋上も見逃せませんね!」

 はじめは、
 「たしかに…トップスターも大変だわ…!」
と思っていたが、いつきにこんなことを言われてギクッとなった。

 「お前だって中間管理職で大変なんだろ?
 いっそ探偵にリクルートすれば?
 昔取った杵柄で。」


 しかもまりんが目をしいたけの形に輝かせて
 「なんですか!?その昔とったなんちゃらって!?」
と言ってきた…( ゚д゚)

 「葉山クンは黙ってて」と返したはじめだった…。

 …舞台『箱館ウォーズ』は笑いあり涙ありのファンタジー活劇だった。
 
 …ふとはじめの目に幸村警視が映った。
 はじめは思った。

 「(今すっげー目つきで俺のことを見てたぞ!
 あいつ…おれのことなにかとてつもない"邪悪な存在"って思ってる…!
 あのカンジ!絶対そうっ!!
 も~カンベンしてくれよ~
 オジサンは今はただのしがないサラリーマンで…」



 ・・・こんなことを思っていたはじめは、ふと何かを感じて立ち上がった。
 そして隣の席の人にどけてもらいどこかに向かおうとした。


 【射殺事故】

 ・・・その時、銃声がした。

 加賀屋葵と土方歳三が銃で伊庭八郎に撃たれるシーンで
伊庭が加賀屋を撃つところ
だった。

 銃声とともに撃たれて城壁から落ちる演技をした綾野木

 「許してくれ…葵!トシ…!
この悲劇を終わらせるには…これしかなかった…!」


 そう言った水島に、「伊庭ァ~!その首その首もらったぁ!!」と突っ込んでいく、赤座光輝が演じる黒沢正隆。

 このシーンは、「さらば!"陸の人喰い鮫"!」伊庭が黒沢を銃で撃つシーンだったが……

 
 ・・・何と、黒沢役の赤座は伊庭役の水島に撃ち殺されてしまったのだ……!

 水島が使っていた銃は、本物の銃だったのだ…!

 ちなみに最初に赤座の死を確認したのは、山田顕義役・最上翔太
 その後、幸村警視が赤座の死を確認した。

 その後、水島から「その銃貸せ!」と銃をもらい
セットの岩を撃ってそれが本物の銃であることを確かめた
のは岡倉


 岡倉「これでコーキィを撃っちまったのか!?」
 水島「ちょっ…し、知りませんよ!?」
 海枝「中止中止!幕おろして!早く救急車を!!」


 …はじめは思った

 「(事故なのか?それとも…
 『異人館ホテルの悪夢』が再び…!?)」


 一方、幸村警視は鋭い眼差しではじめをじっと見ていた……!

 
 ―― 一見すると拳銃を撃ってみせた岡倉が証拠隠滅の行動とも考えられるので一番怪しいなあ。
 ただ、真犯人の狙いは赤座ではなく、
実はその前に水島に撃たれた(?)綾野木の可能性も…? ――

 もし綾野木が実弾で撃たれて(殺されて)いたら、犯人はどうするつもりだったのだろうか。

 そういえば前回まりんは、前回第2話で進行台本の修正を引き受けていたが、
 まりんの知らない進行台本の変更があったかどうかが、次回以降のポイントになるだろうなあ。
 
 とにかく、水島の進行台本を調べると何かわかることがあるかもしれないだろうから、
はじめたちはそれがゴミ収集車に持って行かれる前に見つけて欲しい
なあ。

 それにしてもはじめが上演中に立ち上がったのは、本物の拳銃を舞台で見つけたからだろうなあ
 次回以降、幸村警視にこのことを伝えるだろうが、逆に犯人と疑われることもあるかも…

(※ソース
 イブニング 2019.10.22 NO.21
 『金田一37歳の事件簿』
 『函館異人館ホテル新たなる殺人』

 File42 悲劇の開幕
 講談社 (P321~P342))