現在『イブニング』で連載中の『金田一37歳の事件簿』
『京都美人華道家殺人事件』の解答編が終わり、クライマックスを迎えようとしている。

 ―― 今週で完結するのかと思いきや、あと1話あるのか…( ゚д゚) ――

 そもそもこの事件は、金田一一と部下の葉山まりんが京都の伝統文化を伝える仕事で京極家の世話になったが「双子姉妹の妹」京極桜子、「双子姉妹の姉」京極薫子が相次いで殺され、家元の京極雁流も殺された事件。

 この事件は、実は桜子殺しと薫子殺しの犯人が違っていた。
 最初の犠牲者となった桜子は、姉の薫子が殺したのだ…。

 また、薫子は桜子殺しを問い詰めた犯人によって殺された。
 犯人は刃物を振り回していたので絞殺したが、その際犯人に噛まれてしまったのでやむを得ず首を切断し、雁流がつくった花器の中に隠した
 
 だが雁流がふと「サイコやないか?」発言をしたことから、犯人は口封じのために彼も殺した

 特に薫子と雁流を殺した犯人は、雁流の弟弟子・黒樹左京だった…!



 【黒樹を初めて見た薫子がしたこと】

 黒樹が言うには、黒樹は小5のときに当時小6の桜子京極家に連れて来られたことがあり、そこで桜子と薫子の母・京極鶴羽と初めて会ったという。

 当時の黒樹は名字が「吉澤」だったので「ヨシ君」と呼ばれていた。
(※2度姓が変わって今の「黒樹」になった)

 …これを黒樹が話すと、鶴羽は黒樹と初めて会ったときのことを思い出した

 
 …黒樹が桜子と出会ったのはある日一人で近くの河原でヒマつぶしに生け花をしていたら、それを見た桜子

 「センスええなあ、あんた!
 せやけどこここんなんすると…ほら!イイカンジ?」


 と、生け花をしてみせたことがきっかけ。

 黒樹は桜子に会いたくて、
 畏れ多いと思いながらも赤池流で生け花の稽古を続けていたという。
 
 …ところが、薫子は黒樹を初めて見たとき、こう言った。

 「ちょ…!
 なんや!?このみすぼらしい子…!!
 勝手に家に入って!」

 「桜子!これあんたの友達?
 こんな子にお花なんて合わへんのとちゃう?
 はーっ!!
 久しぶりにお稽古しよ思ったのに…!
 やっぱやめやっ!」

 桜子いわく、「姉の薫子はちょっと神経質というか面倒」。

 黒樹「同じ顔でも性格はまるで違うんや」と当時はただただびっくりしたという。


 【黒樹の母は再婚相手を…!】
 
 それから1年後、黒樹は母の再婚で引っ越したため赤池流に通えなくなったが、
桜子とメールをやり取りしていた。
 桜子は、メールで花を新しい花器に生けたのを見せていた。

 「ええわ、桜ちゃんらしい!
 自由っていうか、楽しげっていうか…
 また一緒にお花のお稽古したいな…」


 そう黒樹は思っていた。

 でも母の再婚相手は酒が入るとすぐ暴力を振るう人でどうしようもない男だった…。

 そして黒樹の母は、あるひ再婚相手を刺し殺してしまった…!

 桜子は黒樹から最近ちっともメールが来ないので心配していた
彼のメールから彼の母が起こした事件のことを知って驚いた。
 
 黒樹は桜子が再会したときは、母の再婚相手から暴力を振るわれていてあばらにヒビが入っていた

 
 …黒樹は母の実家の丹後町に行くことを伝えた。
 
 「桜ちゃん…もう俺と会わんほうがええよ。
 俺…"人殺しの子"やから…
京極家の娘の桜ちゃんには不釣り合いやわ!」


 これを聞いた桜子は黒樹に言った。

 「そんなん全然関係ないよ!
 あたしにとってヨシ君はヨシ君やから!」



 【桜子がフラワーアーティストになった理由】

  黒樹は高校卒業と同時に赤池流門下生となり、青流の弟子になった。
 青流は素晴らしい華道家の先生
「桜子とともに教えを受けていた頃が一番充実していた」黒樹は語っていた。

 けれども青流が急死後、弟の雁流が家元を名乗ると
 気に入らないことがあると当たり散らし、華道より自分の陶器を売り込むことばかり考え
 あっという間に赤池流の弟子も財産もギリギリまで減らしてしまった
という。

 そんな桜子黒樹に言った。

 「赤池流と縁を切ってフラワーアーティストとして独立する。
 これは赤池流のため
 今までのように赤池流として活動していたら収入はすべて叔父に食いつぶされてしまう…
少しでも家計を支えるためには独立して私の収入分は手を付けさせないようにしなければならない。
 でも姉と叔父だけでは絶対立ち行かなくなるから、左京くんに赤池流を影で支えてほしい。」

 黒樹は誰よりも赤池流を想っている桜子が赤池流と縁を切ることについて、
「本当にいいのか」と言っていたが、桜子は言った。

 「平気や!いつか戻れる日はきっと来る!
 そん時はまた一緒に赤池流を盛り立てよ?」


 桜子は「独立のことは鶴羽たち家族や京極家関係者には黙ってほしい」と黒樹に伝えていたのだ…。

 「桜子は遊び歩いている体でよく出かけていたが、本当はほとんど仕事で飛び回っていた」

 黒樹は、はじめたちに伝えた。
 

 …ところで問題のリベンジポルノが撮られた日は、桜子は黒樹と北海道に旅行に行っていた
 はじめの推理どおりに。

 黒樹「仕事がメインの旅行、イベントの手伝いだった」と付け加えた。
 ちなみに部屋に戻る前に
 「本当…ありがとね!」と桜子にキスされていた。


 …桜子はなりは派手でも根は真面目な人
 
 …黒樹は、日付を見なくてもリベンジポルノは桜子のではなく薫子だと気づいた
  
 また薫子を呼び出したときは問い詰めようとは思い殺す気はなかったけれども、
いきなり鉈で切りかかられたのでカッとなって殺してしまった


 そして逃げおおせたい一心で証拠隠しに必死になり、
雁流が花器の違いに気づいたので殺したとき
はこう思っていた。

 「そうや…元はと言えばすべてあんたのせいや…!
 あんたが家をメチャクチャにしたせいで桜子はんは…!」



 ・・・「ふふ…
カエルの子はカエルですわ。
私は母親殺しの人殺しになってもうた。
 こんな男…もう死ぬしかないですわ…!」

 こう言って左京は刃物を取り出した…!



 【黒樹の涙】

 「よせ!!」

 はじめは自分の体を刺そうとする黒樹を止めた。

 「どあほかよさんか!」
と、山科六郎警部は刃物をはたき落とした。

 一方まりん
 「主任~~
 死なないで~~
 主任~~」

 
 と、大声で泣き叫んでいた。

 「うるさいね!葉山くん
 こんなんで死ぬわけないだろう」
と、はじめはまりんに言った。

 そして黒樹に

 「別にわざとじゃないってわかってる!
 左京くんは本当はいい奴だ、
それを知ってたからこそ桜子さんは君のすべてを受け入れたんじゃないのかい?」

 と言った。

 
 ・・・このとき黒樹には、桜子の声が聞こえた

 「そんなん全然関係ないよ?
 あたしにとって…
 ヨシ君はヨシ君やから…」


 そしてガクンとうなだれて、号泣した…。



 ―― (;8;)<ヨシクン…
(;8;)<サクラチャン… ――


 双子の妹の桜子は、一見すると赤池流に消極的…
でも実は赤池流を愛し自らは縁を切ってフラワーアーティストとして独立、
想いを黒樹に託すことで赤池流を守ろうとするしっかり者だった
なあ…。

 それにしても幼い頃から出来の良い妹と比べられ続けてか
ついには妹を殺してしまった薫子がむしろ桜子より可哀想
だと自分は思うなあ。

 薫子は実はずっと孤独でその寂しさをきっと押し殺してきたのだろうけれども
その鬱憤が大人になり、ついには「リベンジ某」と言う形で出てしまったんだろう
なあ…。

 …とにかく薫子・桜子の双子は何らかの形で救われてほしいと思う。

 あと『イブニング』の『推し漫画応援キャンペーン』、
 次回こそは更新されてほしいなあ。

 そして小学生の時の桜子の
サングラスを掛けたひまわりの上着と
文鳥の上着がかわいかったなあ(・8・)


 【追記】

 そういえば最近のあるゲームに、
消極的だけど実はしっかり者の双子の魔法少女の妹が登場するものがあったなあ。
自分が思うに、その子と『京都美人華道家殺人事件』の京極桜子が何となく重なる気がするなあ。

【ソース】
 イブニング 2019.08.27 NO.17
 『金田一37歳の事件簿』
 京都美人華道家殺人事件

 File38 本当の桜子
 講談社 (P281~P304)