現在『イブニング』で連載中の『金田一37歳の事件簿』では
『歌島リゾート殺人事件』が展開されているけれども
主人公・金田一一の幼馴染・七瀬美雪は登場していない。
(※なおはじめのスマホにはライソ(LINE)にはメッセージが来ることがある)

 その代わりはじめが勤務しているPR会社の部下・葉山まりんが登場し、
 特に最近公開された第8話でははじめとまりんによるこんなやり取りがあった。

 まりん「なんかすごい!探偵の助手になった気分!!」
 はじめ「本当に探偵の助手になんかなったら命がいつか足りないかもよ?」
 まりん「えー、そんなことないですよ!
     金田一主任みたいな探偵だったらきっと守ってくれます!
 はじめ「イマドキの若い子はどうして隙だらけのことを平気で言うんだよ!
     …ったくもう…!」

 ―― この会話が、まりんに命の危機が迫る第三の殺人の伏線にならなければよいが… ――


 【まりん、はじめの正体に気づく!】

 そもそもはじめ『金田一少年の事件簿』において、
3度歌島のオペラ座館を舞台にした連続殺人事件を解決している。
 そしてその20年後大人になったはじめ「もう謎は解きたくない」と思っていたが、
仕事で4度目の歌島訪問2人のツアー客が犠牲となる連続殺人事件に巻き込まれた。

 1件目は桜沢楓チャペルで首にロープを巻かれた状態で発見され
はじめが脈がないことを確認したが、はじめが目を離したすきに桜沢の遺体が消え、
 後にヴィーナスの鐘がある小屋でワイヤーで首を吊られた状態で発見された事件。
 
 そして2件目はイベントホールで 落下したシャンデリアに串刺しにされて歯科医の鈴木実が殺害された事件。
 シャンデリアの落下はじめと冬木栄介支配人、客の館林一樹・小野塚哲也・黒木護・大竹比呂之が
イベントホールから離れた部屋でシャンデリアの明かりが消えるのを見て確認した。
  ちなみに女性客・麻生早苗
 「ね、ねぇ、何、今のすごい音!?」
と言っていたのでシャンデリアの落下する音を耳で確認できた模様。

 ・・・さて、「もう謎は解きたくない」と思っていたはじめだったが、
 前回第7話で相次ぐ殺人事件を解決しようという気持ちを見抜いたまりんはじめの代わりに
「犯人は外の誰かではなくこの中にいるかもしれないって!」と言ってしまったので
 はじめ館林にどやされ「もう謎を解くしかない…!ジッチャンの名にかけて!!」と思った。
 ありったけの営業スマイルを見せながら
「その件については私にお任せ願えませんか?」
と言った…

 
 ・・・はじめと一緒に現場検証する時、まりん
 「さっきはすみませんでした!
 主任を助けるつもりが…私変なこと言っちゃってミスっちゃって、
逆に責任押し付けるみたいになって…」
はじめに謝った。
 

 一方、はじめはまりんを現場検証に付き合わせる時こう思った。
 
 「(昔はよくこれで美雪を付き合わせて
 ひでー目に合わせたりしたもんだな…
 今回は気をつけなきゃ…)

 …はじめはまりんに
 「君は『ママさん探偵』でもやる気かい?」と聞いた。
 それは第5話で酔った大竹に絡まれた時
「すみません大竹さん、私結婚してまして…!
子供も2人いるんですよっ!」
と発言していたから。

 でもまりんは実際は結婚しておらず、独身。
 社内セクハラなら通報で済むが取引先やお客様はそうするわけにはいかないので
こういう時の場合はまりんがしたようにうまくかわすよう入社マニュアルに書いてあるらしい。
 ちなみにはじめは今働いてる音羽ブラックPRはブラック企業だと思っていたが、
そういうところはしっかりしているらしい。


 ・・・そしてまりんは今のはじめにとって痛いところを突いた。

 「金田一主任て本当は音羽ブラックPRに勤める前、別のお仕事してたんじゃないですか?
 『刑事』とか『探偵』とか!」

 「リアルに人が死んでフツーはもっとパニクったりしそうなのに、
 金田一主任全然冷静で…むしろこの恐ろしい事件の『本質』を見抜こうとしているようで…
 あたしちょっとドキッとしちゃいました!!」

 こう言われたはじめは思った

 「(や、やめろおお~
 そんなキラキラしたまっすぐな目で俺に圧をかけるのは!!
 俺はホンッット謎は解きたくないんだってばっ!!!)」

 ―― (;8;)<ハジメチャン…。
 それにしても謎を解きたくない時の顔芸…( ゚д゚) ――

 【はじめ、まりんと一緒に現場検証!】

 強い雨が降る中、
 はじめとまりんは桜沢の遺体が最初に発見されたチャペルを訪れた。
 事件を整理するはじめは全員がチャペル前に集まってきた所で何かに気づいたが
考えがまとまらなかった。

 一方まりん亡くなった桜沢についてこう言っていた。

 「それにしても桜沢さんかわいそう。
 肝試しの前すごく楽しそうにワクワクしてて
  『スタッフさん!あたしとっても楽しみ!!』
 なんて言ってニコニコしてたのに。」

 この話を聞いたはじめは桜沢について違和感があったのを思い出した

 肝試しの少し前に館林がトイレまで連れて行こうとしたときに
 彼女は嫌がって「一人で行けますので!」と大声で断っていて険悪ムードだったが、
 肝試しでは一変して「はぁーい、よろしくお願いします!」とニコニコしていたのを。

 はじめからこれを聞いたまりんも桜沢の行動に違和感を感じた。

 「そういえばあれちょっと変でしたよね。
 肝試しイベントではそれぞれツーショットになりたい人をカードに書いて
 その希望にできるだけ沿ったカップリングをスタッフが決めたはずですけど」

 はじめは
 「気が変わったら後で別の人に変えられるよう予備のカードも用意してあったのに…」
と言った。

 さらにはじめは桜沢がバスで自己紹介をしていたことを思い出した。
 
 「はい、派遣なんですけどほんとに地味な仕事で出会いもなくて
 趣味は演劇で舞台にも立ったりします。
 でも団員はオジサンばかりで…」

 
 【はじめ、ヴィーナスの鐘の謎を解く!】

  はじめは「そもそも2回ともアリバイがある以上やっぱり犯人は外の…」
と言ったまりんに言った。
 
 「少なくとも"死体消失"のトリックはすでに解けた!
 たった今な!
 犯人はそのトリックを使って自分のアリバイを成立させようとした。
 そのために桜沢さんの"死体"には一旦消えてもらう必要があったんだ」

 そしてはじめはチャペルに落ちていたゴルフボールと水入りポリ袋について
まりんに「ある事」を教えた。

 
 ・・・次に二人は桜沢の遺体が再び見つかったヴィーナスの鐘に向かった。
 
 「リゾートからヴィーナスの鐘までは全力で走っても4~5分かかる。
 息を切らしている人間もおらずここでもアリバイが全員成立する。
 となると何らかのアリバイトリックが仕組まれたに違いない…」
 はじめはこう思っていた。

 
 はじめ
 「肝試しの後犯人はこのヴィーナスの鐘で
 恐らくはこの脚立を使って被害者を持ち上げてワイヤーに吊るしたわけだが…」
 
 まりん
 「桜沢さんは小柄で痩せてたけどでも結構な力持ちですよね犯人は」

 はじめは外のハシゴから上の鐘を見に行った。
 鐘は1回鳴らすとしばらく鳴る構造らしいが、
 「でもその一回が問題だ。どうやってリゾートにいながら犯人はこの鐘を鳴らしたんだろう…」
とはじめは思った。

 そんなはじめはハシゴでは足を踏み外すことはなかったが、床に滑って転んでしまった
 そのときはじめは気がついた。
 塔の上には屋根もかかっていてワイヤーの穴も小さいからそんなに雨が吹き込んでいるわけでもないのに、なぜか床が結構濡れていたことを。

 ふとはじめは、肝試し後まりんと一緒にホールを片付けているときのことを思い出した。
 そして、犯人がどうやって鐘を鳴らしたのかもわかった。

  そのときはじめはまりんに
 「すごいすごーい!!本当に探偵みたい」
 と、突然抱きつかれてしまった…。

 
 ―― 美雪「(#^ω^)ピキピキ」
 読者たち「((((;゚Д゚))))ガクブル」――

 
 【剣持元警部の身辺調査!キーワードは…】

 ところではじめのケータイには剣持警部…もとい剣持元警部から電話があったけれども
 はじめは美雪からだと思って出ていなかった。
 
 剣持元警部の用件は、今回の事件の関係者である客の身辺調査を昔の部下にやらせたところ次のことがわかったということだった。

 ☆2人ほど『面白いヤツ』がいた
 ☆1人は免許証の書き換えをしていた。
 (※剣持ははじめに免許証書換え前(2年前)の免許証の写真を送った)
 ☆もう1人は別件の捜査線上にあがった人物
 (※剣持はその人物の写真を送った。)

 はじめはスピーカーホンに切り替えた時に意外な言葉を目にした。
 それは『柔道』だった。

 剣持「どうだ金田一!なかなか面白いだろ!」
 はじめ「ああ、まったくだ!こいつぁ面白くなってきたぜ」
 剣持「ようやくお前らしくなってきたな!金田一!」

 剣持警部はかつての金田一一になりつつある一を笑顔で感じていた…。


 ―― 柔道…
 確かに6話で鈴木が犯人に拉致される時犯人は柔道で気絶させていたが…
 トリックとは関係ないような気がするなあ…。 ――

 ただ、直近の第8話から考えると今回の事件の犯人は少なくともヴィーナスの鐘で桜沢の遺体を移動してワイヤーで吊るす時(あるいは桜沢が自分でチャペルに向かった時?)大雨の中を移動していたのでは。

 すると大雨の中で帰ってきても怪しまれないようにする必要があるのでは。

 それができたのは第5話でヴィーナスの鐘が鳴ったシーン第7話でシャンデリアが落ちた…というかシャンデリアの光が消えたのをはじめたち男性陣が見かけイベントホールに向かうシーンで共通してバスローブ姿で現れた麻生早苗では。
 
(※そういえば風呂上がりを偽装したトリックは、
去年の年末に放送されたドラマ『黒い十人の秋山』にもあったなあ。
 特に、事件のときも大雨だったし…) 

 麻生は桜沢の遺体が最初に発見された時桜沢の脈がないことを口走っていたが、
 実は桜沢は生きていた…ゴルフボールと水入りポリ袋を利用して脈を止める手品をしていたのでは。
 つまり桜沢殺しはある意味、麻生と桜沢の共犯だったのでは。
 桜沢はすきを見てチャペルを抜け出し、麻生とヴィーナスの鐘で落ち合ったが
 麻生に裏切られて殺されたのでは…。

 …それにしても剣持元警部が言っていた「2人の『面白いヤツ』」とは何者なのだろうか。
 それは今回の犠牲者なのだろうか、その中に犯人も混じっているのか…

 次回は新たな犠牲者が出てくることよりも、
『面白いヤツ』が誰か明らかになりそうだなあ。

 【ソース】
 イブニング 2018.5.22 NO.11
 『金田一37歳の事件簿』
 File8 現場検証
 歌島リゾート殺人事件
 講談社 (P285~P306)