「20年前に彼女は一人きりになったって言ってるわけでその前には何人かの住人が住んでいたはずなんだ。もしかしたらその中の一人がこっそり紛れ込んでいるかもしれないだろ。」
現在週刊少年マガジンで連載中の
『金田一少年の事件簿R(リターンズ)・聖恋島殺人事件』第7話で、
金田一一はこんな推測をした。
その推測に至る前、前回第6話で
影尾風彦教授と研修医・潮小次郎を殺害した『セイレーン』を狩るために
今回の事件の関係者の男たちがセイレーン狩りに洞窟に近づいたが
セイレーンの声が聞こえてきたのでびっくりして一目散に逃げ帰ったことを剣持警部からはじめは聞いたので、その洞窟を剣持警部と七瀬美雪の協力で探検した。
影尾風彦教授と研修医・潮小次郎を殺害した『セイレーン』を狩るために
今回の事件の関係者の男たちがセイレーン狩りに洞窟に近づいたが
セイレーンの声が聞こえてきたのでびっくりして一目散に逃げ帰ったことを剣持警部からはじめは聞いたので、その洞窟を剣持警部と七瀬美雪の協力で探検した。
足を滑らせて下に落ちた先…海際の洞窟に見えたのは
「人間魚雷回天」かミサイルらしき『真っ黒な何か』が水面に突き刺さっている光景だった。
はじめはセイレーンの泣き声について
「『真っ黒な何か』が原因で洞窟を吹き抜ける風が潮の干潮に合わせて響いていたのでは」
と推理した。
と推理した。
美雪は「『セイレーン』は事件と関係なかった」と思っていたが、
はじめはそうではなく
「この島の住人がセイレーンに声の変化で潮の満ち引きや魚がこの入り江に大量に逃げ込んでくるタイミングを知ることができるなら、それを利用して何らかのトリックを仕掛けることもできたかもしれない」
と考えていた。
剣持警部はコテージ管理人にして現在唯一の聖恋島の住人・霧声昼子が犯人と見ていたが、
ここでくだんのはじめの
「他に聖恋島の住人がいて、しかもその住人は今回の事件の関係者の中にいる」
と言わんばかりの発言が飛び出したのだ。
【はじめが関係者の20年前の年齢を考えている時に…】
はじめは剣持警部と協力して今回の事件の関係者の年齢を20歳引いて
「霧声昼子以外の聖恋島の住人は誰か?」を考えていた。
今回の関係者と20年前の年齢は以下の通り。
<凪田空也(18)><海星終吾(12)>「霧声が覚えている可能性が高く、整形で顔を変えた可能性もあるがもっと幼いころ島を出ていたならまず一致しない」とみていた。<寒野美火(10)>凪田・海星と同様の理由で「(聖恋島の住人の可能性は)十分あり得る」と剣持警部がみていた。<右竜あかね(22)>「聖恋島の住人の可能性はある」とみていた。<奥ノ木武蔵(9)>「9歳の時に島を出ていったとすれば顔はまったく変わっている」とみていた。<伊豆丸険(30)>「ずっと前に島を出たと考えればあり得る」と剣持警部がみていた。<鬼島高彦(17)>「これももちろん可能性はある」とみていた。<鰐瀬たかし(5)>「小さすぎて島のことは覚えていない」と剣持警部はみていたが、はじめは考え込んだ。
・・・関係者全員に聖恋島の住人の可能性があった。
けれどもこの時、鰐瀬にはじめと剣持警部が気づかない動きがあった。
鰐瀬のスマホの待受は彼が幼い頃母と一緒に潮干狩り(?)に行った時の画像で、
「母さん…」と何かを想い、眺めていたのだ…。
【潮小次郎の遺体の違和感と、霧声昼子の過去!?】
「これでもう事件は終わりよね?
これ以上何かが起こるなんてことないよね?」
美雪がはじめに聞いた。
「そうかな…
なんせ犯人の当てはおろか、動機も何もわかってないんだ。
もしかしたらこのコテージにいるメンバー以外にほんとに誰かが島にひそんでいるかもしれないしね。」
こう返すはじめに剣持警部は
「犯人は血に飢えた異常者」
「セイレーンの泣き声を聞いていると錯乱してしまうという昔の伝説通りに
イカれちまったヤツがその声を聞いて殺意を漲らせているのかも…」
とみて、それを受けて美雪が
「誰が殺されてもおかしくない」と考えてたが、
はじめはそれを否定した。
「この連続殺人はとてつもなく頭のいい人間が作り上げた計画犯罪だと思ってる。最初の殺人だってあんな全員にアリバイがある状況で起きたことが逆に引っかかっているんだ。何か巧妙なトリックがあるのかもしれない。そしてそのトリックにはセイレーンの泣き声が何らかの形で利用されている可能性もあるんじゃないかな」
そこではじめは剣持警部に頼み第二の犠牲者・潮小次郎の遺体を調べた。
はじめは潮の遺体に違和感があった。
それは、潮が海に引きずり込まれた後に釣り用の手袋がなくなっていたことだった。
潮の手袋は簡単に脱げないようきちっと手首のところで止まる仕掛けになっていて、
海に引きずり込まれた後勝手に緩んで脱げてしまうことはないはずだが、なくなっていたのだ。
はじめはこう推理した。
「例えば何者かがこっそり彼の手袋に小さいカプセルや袋などに入れた強力な瞬間接着剤を仕込んでおいたとしたら…?そしてそれが思い切り握り込むとその入れ物が潰れて中の瞬間接着剤が流れ出て数十秒で手袋は竿に協力に接着され簡単には剥がせない状況になる。その状態で釣り糸を強い力で引っ張れば…(潮を海に引きずり込むことができるだろう)」
「潮が海に落ちてしまえば、後は潜水道具を身に着けた何者かが足など掴んで強力な水中スクーターなどで海の底に引きずり込みそのまま溺死させる…」
…はじめの推理はあくまでも状況から推理した仮定の話。
けれども
「事実はそんなに遠くないんじゃないか。
証拠の手袋もそれがくっついたままのはずの竿ももう出てこないけどね」とはじめは言っていた。
・・・美雪は「80歳を過ぎた霧声さんには絶対無理よね!?」とはじめに聞いた。
「確かにそんな気はするけどな…」とはじめは返したが、
ちょうどその頃霧声は水中スクーターを用いて魚を獲っていた…。
そして海底にあったはじめが洞窟で見たものと同じ型の『真っ黒な何か』に手を合わせていた…。
…実は、霧声は釣りはあまりうまくはないので魚を潜って獲っていたのだ。
食事の時霧声は
「釣りか潜水ができないとこの島では一人では生きていけない」
と言っていた。
「釣りか潜水ができないとこの島では一人では生きていけない」
と言っていた。
…一方真犯人も第三の殺人をすべく動き出そうとしていて、こう思っていた。
「(まだ終わってない…
聞くがいい。セイレーンの呪われし歌声を!
その歌が聞こえた時が『お前』の最後だ…!)」
―― 釣竿が特注なら、手袋も特注なのかな…? ――
はじめは今回第7話で「犯人がこっそり瞬間接着剤を手袋に仕掛けたのでは」と推理したが、
潮の遺体の手袋をしていた手には接着剤のあとが全くと言ってよいほど残ってないように見えるなあ。
そういえば、潮が溺れ死ぬ第4話で潮は釣竿が特注であることを剣持警部に明かしていたが
「手袋がない」という新たな情報が登場したことから手袋もまた特注で、
潮が釣竿を手に入れたメーカーというか売り手は実は今回の事件の真犯人なのでは…?
…と、自分は思うなあ。
…と、自分は思うなあ。
おそらく、潮の手袋と釣竿は実は遠隔操作でコンピュータを用いて動かせるのでは。
コテージにはパソコンはないようだけど、スマホにその仕掛けがあればできそうな気がするなあ。
特に潮がしていた手袋は溺れた時に脱がすことができず、
潮が息絶えて初めて手に接着剤のあとを残さずに脱がすことができる仕掛けが施されていたのではないだろうか。
もしかすると、そもそも接着剤のたぐいは使う必要がなかったかもしれないなあ。
それにしても今回の事件の真犯人は、簡単に言うと発明家…マッドサイエンティストのような気がするなあ。
ちなみに地獄の傀儡師・高遠遙一はマジシャンだけど、マッドサイエンティストはこれまでの『金田一少年の事件簿』には登場していないなあ。
もしこの事件の犯人がそうならば、高遠に匹敵する犯罪者がここで登場しそうな予感がするなあ。
そして、今回母親がいる(いた?)ことが明かされた鰐瀬の今後の動向が気になるなあ…。
【追記】
最近私のブログに来たコメントについて…
まず、霧声昼子の秘密について。
最近の第7話で人間魚雷回天(※作中では『真っ黒な何か』と言っていた)を拝むシーンから
関係者にセイレーンの歌声の秘密を黙っていたのは『回天の乗組員に恋人がいたので、彼の名誉の為、基地のことを黙っている』から」という説は当たっているかもしれませんね。
次に
「最初の殺人の時に、船着小屋で見た死体もどきが犯人が演じたものだとすると点呼を取ったときに唯一パーカーを出していた伊豆丸が怪しいと想いました」
というコメントについては、第7話で「鰐瀬には母がいる(いた?)」という新たな情報が登場したので鰐瀬に近い人物である伊豆丸の動きはマガジン第11号・第8話に期待です。
特に、第三の犠牲者になってしまうのかどうかが気になるところです。
そして
「伊豆丸は教授を起こす役だったから被害者との関係から見ても、犯行が最もやりやすそう。
けれどもかなり久々の犯人当てクイズをやるそうなので、伊豆丸が犯人だとあまりにもあからさま過ぎる」
というコメントについては、伊豆丸と合わせ鰐瀬の動きにも自分は注目していきたいと考えています。
…今回の事件は医療関係者が犠牲になっていることから、かつての『魔犬の森の殺人』をほうふつとさせる事件のように思います。
ちなみに『魔犬の森の殺人』では関係者たちの「ある共通点」が事件を解くヒントになっていましたが、
『聖恋島殺人事件』でも関係者たちの共通点が鍵になるのか第三の殺人の動きが、私は気になります。
…あと、事件のカギは潮の手袋でしたね。
最初に気づいた方、お見事です。
(※ソース
週刊少年マガジン 2017年第1号~第9号
『金田一少年の事件簿 聖恋島殺人事件』
CASEFILE of Kindaichi Hajime: 聖恋島殺人事件 #7
講談社(2017)(第7話)p349~p368)
コメント
コメント一覧 (2)
直感的に第3の被害者は寒野以外の誰かになるのでは?と予想します。
どうも彼女の言動を見る限り、殺される心当たりがあるとは思えません。影尾と潮の死にショックを受けたのは確かですが、自分が次に狙われるのではと警戒したり怯えるような態度は見せていません。(これは潮も同じでしたが...)
伊豆丸と鰐瀬は立ち位置として非常に怪しいのですが、第2の事件のトリックも仮定の推理が示されただけなので、そう単純な展開になるだろうかと考えています。
動機に関係するかどうか分かりませんが、今回の事件の容疑者達の立ち振る舞いが気になりました。
多くの人が死人が出ても島に閉じ込められてもどこか他人事という態度をしているんですよね。(例外的なのは最初の太々しさがすっかり無くなった鬼島や被害者達の死に涙まで見せていた寒野ぐらいでしょうか)
ちなみに、3話で
聖恋島に着いた時は携帯が通じていたのに、事件後はなぜか圏外になってしまったというのもなんだか気になります。