真犯人は「片付けすぎた」。
『金田一少年の事件簿R・白蛇蔵殺人事件』の真犯人は、
白神音松が白神家の居間で暴れて部屋を散らかしたあとで
トロフィーや帽子や額の位置をぴったり元に戻していた。
そのことから金田一一は、
「白神左紺とニセの白神蓮月・鬼門影臣を殺害した真犯人『白蛇』は
居間を片付けた白蛇酒造の社員の一人・鷺森弦であり、
彼こそが白神家の三男・白神黄介だ」と第9話にて推理した。
彼こそが白神家の三男・白神黄介だ」と第9話にて推理した。
・・・居間を片付けすぎたこと。
これが鷺森を観念させる決定的な証拠になった。
―― 自分は鷺森は白神家の人間だという決定的な根拠は
「居間を正確に片付けたことだ」と第6話の段階でわかり、
「居間を正確に片付けたことだ」と第6話の段階でわかり、
他に鷺森が犯人である証拠について
「彼が第7話で取水場で人が亡くなる事故があったと言っていたことでは?」
「はじめに醪を取りに行かされた時に実ははじめに防犯カメラをこっそり仕掛けられていたのでは?」
…と思っていたけど、
第9話では自分が第7話の感想で挙げた取水場と防犯カメラについて確かに証拠…
「一番蔵から出てきた左紺が、実は真犯人とすり替わっていた」
というはじめが挙げた三つの根拠のうちの二つになっていたけれども
(※あと一つは白神家の居間を真犯人が正確に片付けたこと)
というはじめが挙げた三つの根拠のうちの二つになっていたけれども
(※あと一つは白神家の居間を真犯人が正確に片付けたこと)
その詳しいところは自分が考えていたものとは違う思いもよらぬものだったなあ。 ――
【白神家の人間でなければ知り得ないもう一つのこと。】
はじめは鷺森に「取水場を見たい」と言った時に見せてもらったことがあったが
その時鷺森が言っていた『事故』について思うことがあった。
「いくらなんでも酒造りの蔵で事故で二人が死ぬなんて考えにくく、鷺森が言っていたのは二人目の奥さん(白神音松の二人目の妻・鞠乃)のことでは?」
白蛇酒造に入ったばかりの鷺森は「昔取水場で人が亡くなる事故があった」と言っていたが、
実は鞠乃が亡くなった場所を他の従業員に聞いたところ、洗い場と思ってみたり詳しい場所まで知らない人が多かった。
ちなみに姫小路蒼葉は鞠乃が亡くなった場所をタンクの洗い場と母の姫小路鏡花から聞いていて、七瀬美雪は蒼葉から聞いていた。
「鞠乃の死の真相はごく一部の身内しか知らない。それなのに、なぜほんの何か月か前に来たばかりの鷺森が
そのことを知っていたのか?それは事故当時ここにいたごく一部の身内の一人だったからでは?」
はじめは鷺森にこの事を指摘した…。
【防犯カメラからわかること。】
はじめは「一番蔵から出てきた左紺が、実は真犯人とすり替わっていた」という根拠の一つとして防犯カメラ(監視カメラ)を挙げていたが
鷺森に醪を取りに行かせるときに罠を仕掛けたわけではなかった。
第9話ではじめはさり気なく鷺森にバッグを取らせていたが、
実はそれこそが鷺森に仕掛けた罠だったのだ!!
はじめは鷺森がバッグを取る姿をスマホのカメラで撮影。
これを左紺が一番蔵に入っていく時と
左紺(※実は真犯人)が一番蔵から出て行く時の監視カメラの映像…
特に後者の映像と鷺森がバッグを取る姿を照らし合わせた所、見事に一致した。
ちなみに映像の左紺は行きはゆるく引っ掛ける感じでバッグを持っていたが
帰りの左紺はバッグをしっかり握っていた。
…ちなみに剣持警部はこれについて「フォー・スタンス理論」を引き合いに出していた。
この理論は警察の映像分析でよく使われる理論だという。
「カバンの持ち方という何気ない仕草は本人が意識しない限りそう変わるものではない。ぶら下げて持つ人間がしっかり握ろうとすればかなりの違和感を感じるはず。」
…つまり防犯カメラに映った左紺と思われる人物は
行きと帰りでバッグの持ち方が違っていたので「ほぼ別人」。
行きと帰りでバッグの持ち方が違っていたので「ほぼ別人」。
はじめは左紺と真犯人の入れ替わりトリックについて、左紺が蔵に入ってからの映像をよく見てみたところ
蔵に向かっていく人数が戻っていく人数より一人多いことから気がついたようだ。
・・・鷺森弦…いや、白神黄介は観念した。
そして「蔵を守るために帰ってきた」と父の白神音松に明かしていた。
蔵を食い物にしようとしていた毒蛇の毒牙から守るために…
…ちなみに、「黄介は鬼門影臣に殺害されたモグリの医者に整形してもらったのでは」とはじめは推理した。
はじめは黒鷹銀三が「長男の左紺と三男の黄介は若い頃の音松に似てる」と言っていたことから白神家の家族写真を見たところ髪の色こそ違うがそれ以外は瓜二つだったことを知った。
―― 鷺森弦…いや、白神黄介は
どうやって凶悪犯の鬼門影臣とつながったのだろうか?
そして本物の白神蓮月はどうなってしまったのだろうか…? ――
それにしても今回の事件は『異人館ホテル殺人事件』をほうふつとさせる事件だなあ。
あの事件では事件関係者の双子の姉が整形していたけど
『白蛇蔵殺人事件』の場合は三男が整形していたなあ。
特に『異人館ホテル殺人事件』の双子の妹は「姉の帰りをずっと待っていた」というけれども
『白蛇蔵殺人事件』の場合は
「殺された左紺が実は黄介の帰りをずっと待っていた」…なんて展開もありそうな予感。
「殺された左紺が実は黄介の帰りをずっと待っていた」…なんて展開もありそうな予感。
…次回以降は蓮月の生死と鞠乃の死の真相について、…かな?
(※ソース
週刊少年マガジン 第29号~第39号
『金田一少年の事件簿R・白蛇蔵殺人事件』
講談社(2016)
白蛇蔵殺人事件 #9
p399~p418(39号))
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